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パラレルコネクト・オンライン  作者: yuto*
パラレルコネクト・オンライン標準時:4月(後)
79/118

Act78‐転章Ⅰ

 それから数十分が経過した頃、俺たちの待ち望んでいた変化が訪れた。

 じっと見据えていた扉が静かに開き、中からソウタが現れる。

「……お待たせ」

 疲れきった表情で呟く少年に、俺は真っ先に駆け寄る。

「大丈夫だったのか?」

 それは、ソウタ自身と対話の結果の二つに向けた、心配の言葉。

 彼は小さな頷きで自分の無事を伝えた後、力強い言葉で対話の結果を口にした。


「ーー多分、皆ここから出られる」


「本当か!?」

 後ろで聞いていた二人も、安堵のため息を漏らす。

「あぁ、俺は何もしてないけど。きっとあいつが何とかしてくれたんだろう」

「そっか……」

 あえて追求はしなかった。

 あいつが今、”裏”に対してどんな感情を抱いているのかわからない。下手なことを言って、さらに追い討ちをかけてしまうのが怖かった。

 ソウタは俺から視線を外し、その後ろに立つ女性に声をかける。

「アスカ、もう権限はお前に戻ってるはずだ。試してみてくれ」

「あら、本当ね」

 アスカが壁に手をかざすだけで、俺がさっき見た青白い裂け目が出現する。


 俺とヒナタには何のことやらさっぱりだが、彼女がいきなりワープホールらしきものを生み出したことから察するに、この屋敷の何らかの権限を得たのだろう。

「これ、どこに繋がってるんだ?」

「私とソウタがこの世界に来るときに使った、路地裏のワープホールに繋がってるわ」

「あぁ、あそこか……」

 この場で、ソウタだけが得心したように頷く。

「まぁ、とりあえずあっちの世界には帰れるんだな?」

「えぇ。ヒナタさんにとっては二ヶ月ぶりになるのかしらね」

「……うん、久しぶり」

 ヒナタが見る、久しぶりの「パラレルコネクト・オンライン」の世界。


 彼女は、この二ヶ月で大きく変わった。


 具体的に何がどうなったかは、まだ俺にはわからない。けどそれは、これからの生活の中で知っていけばいい。

 今までとは違った連携や、また新しい戦い方ができるかもしれない。

 俺は、既にそんな期待に胸を踊らせていた。


「じゃあ、帰ろうか」


 ソウタの言葉に異を唱える者はいない。


 俺たちは、アスカによって作られたばかりのワープホールに身を投じた。


 そしてーー。



 ーーまた、この世界に戻ってきた。

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