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パラレルコネクト・オンライン  作者: yuto*
パラレルコネクト・オンライン標準時:3月
35/118

Act34-VS女子

 三月二〇日。


 一月、二月と続いた寒さも和らぎ、春の陽気が都市一帯に広がる。特に今日は気温設定も高いらしく、降水確率も二割を切っていて、まさに絶好のピクニック日和であった。

 だから――というわけではないが、俺はギルドメンバーの提案で、ホテル近くの公園を訪れていた。


 高いビル群ばかりで普段はうんざりする都心部ではあるが、それでも草花が生き生きと芽吹いている場所は存在していて、公園はその一例でもある。

「なんで俺がこんなところに……」

 公園の中心部にある巨大な噴水を眺められるベンチに座りながら、俺は深いため息をつく。


 今までホテルの自室とダンジョン――あとミユの店――の行き来しかしてこなかった俺にとっては、いい気分転換になるかもしれない。


 だが、何故よりによって今日なのか。



 ◇◆◇◆◇◆

 


 それはちょうど九時間前に遡る。

 俺の部屋で会議をしていた時のことだ。


 二月にギルドを結成して以来、ほぼ毎日「ギルド会議」という形で集まり、ドロップしたアイテム、ダンジョンの攻略、四人の連携等々を、約二時間くらい話し合っている。

 その日の会議も、ここまでは普段と変わらなかった。


 問題は次だ。

 毎回、会議の締めには俺がこの一言を発する。

 「明日はどうする?」と。

 それに応じたミユの何気ない言葉が発端だった。


「せっかくだし、明日はどこか遊びに行かない?」


 “せっかくだし”の所以(ゆえん)は、あの騎士のダンジョンを攻略して以来自信が付き、最近少し難易度が高めのダンジョンに挑戦しているせいか、ギルド全体の懐が暖かくなっているところから来ている。


 まぁ全体といっても主に俺の懐から抜き取られるわけだが、自身の当面のホテル代は確保しているため、多少遊んだ程度で破産はしない。

 だが、本気で遊ぶ時の女の子は怖いという話をどこかで聞いたことがある。主に金銭的な面で。


「私もどっか行きたーい!」


 ミユの提案に追い討ちをかけるように、ユズハも乗り気で参加する。

 俺は懇願するようにフィリアの方を向くが、もう顔に「私も」と書いている。

 三人を敵に回し、俺には首を縦に振る以外の選択肢が無かった。


 かといって素直に乗るのも何か癪なので、適当な理由をつけて賛同の意を示す。

「まぁ、最近ギリギリの戦闘ばっかだったし、少しは息抜きも必要だよな」

 その一言に沸き立つ女子二人。静かに喜ぶ女子一人。ストレージの所持金を虚しく確認する男子一人。

 あれよあれよという間に会議は遊びの計画会に姿を変えた。


 そして今日の朝。


 一応、寝落ちせずに計画会には最後まで参加したものの、三人のテンションの高さに飲まれ、結局どこに行って何をするのかを俺はほとんど理解していない。

 微かに、ショッピングモールと公園に行くということを言っていた記憶がある、くらいの程度だ。


 しかも朝っぱらから部屋のドアをドンドン叩かれ急かされる始末。あと五分は寝させて欲しかった。

 本来ならここで服を着替えたり、髪をセットしたり等々、思春期の男女であれば数十分はかかる。あくまで現実なら、だ。


 だがここは“ゲーム世界”である。


 服は端末のストレージからポンと出てくるし、髪型は専用のカタログで決められる――まぁ俺は髪はいじらないけど――。慣れれば一分とかからない。

 おかげで寝起きだった俺は二分で全ての用意を済ませ、ホテルの廊下にいる三人と合流する。


「じゃ、行くか」

 今日に関しては別に率先する気はないのだが、いつもの癖で先頭に立ってしまう。

「「「おー!」」」

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