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パラレルコネクト・オンライン  作者: yuto*
パラレルコネクト・オンライン標準時:1月
11/118

Act10-告白!?

 ――え、何それ。もしかして、「これからあなたの食事を作らせてくれませんか」的なアレ?


 俺の中では既に壮大な勘違いの嵐が渦巻いていたが、そんな気などさらさらないミユの表情に変化はない。

「あなたの戦闘スタイルに興味があるんです。オーダーメイド扱いですがお代はいりません。どうですか?」


 ――そーいうことですか……。


 心中の落胆を悟られぬよう、努めて冷静な声を出す。

「んー。まぁ今の武器もNPC製だし、高性能のプレイヤーメイドを頼めるなら、ぜひお願いしたいな。……食事じゃないのが残念だけど」

「なにか言いました?」

「いいえ何も」


 後半の声を聞かれなくて良かったと思いながら、ミユがストレージから取り出した”伝票”的な紙に、必要な情報を書き込んでいく。

 名前。住んでいるところ。重さはどのくらい。剣の長さはどのくらい。何色。etc……。


 しかし本音を言うと、この項目の中で俺が必要とする情報は前三つのみだ。剣の長さはイメージ次第だし、色に好みは無い。

 思ったことをミユにそのまま告げると、「いいからせめて剣の長さ」も書いてください。と怒られた。色はおまかせでいいのね。


 完成した伝票を手渡すと、「では今日の夜にお届けしますね」だそうだ。Amazonもびっくりだ。

 先ほどの恐怖を忘れたかのように、ミユという少女はスキップしながらダンジョンの出入り口へと向かっていった。



 ◇◆◇◆◇◆



 ホテルの自室で端末とにらめっこしている俺が見ていたのは、プレイヤー”Sota”のレベル欄。

 そこそこ高難易度ダンジョンのリザードマンを倒したことにより、俺のレベルは30になった。

 同時に、ここが一つのターニングポイントになると言える。

 俺の職業(クラス)である猟兵(レンジャー)は、あくまでも”一次職”に過ぎない。これから一年間、過酷なこの世界を生き抜いていくならば、状況に応じてステータス補正の高くなる”二次職”、”三次職”への転職をしていかなければならない。


 その二次職への転職可能タイミングが、30レベルというわけだ。

「どうすっかなぁ……」

 アプリケーションを起動する度に、まるで広告のように表示される『転職しますか?』の一文。


 無論、転職することによって今まで使えなかった武器が使えるようになることもあるが、逆も存在するため、転職システムに従うかどうかは強制ではない。


 例えば、猟兵(レンジャー)ならば装備可能なハンドガンも、二次職である弓兵(アーチャー)になると”装備不可”となる。代わりに、弓兵(アーチャー)は”弓”を唯一扱える職業(クラス)なため、メリットも当然ある。

 転職する上での俺の選択肢は以下の三つ。


 ・弓兵(アーチャー)

 ・観測者(オブザーバー)

 ・銃剣士(ガンスリンガー)


 弓兵(アーチャー)は弓を扱えるだけでなく、主にAGI(敏捷性)にステータス補正がかかる。もちろん弓では連射ができないし、ハンドガンを使えた猟兵(レンジャー)よりも迎撃力に劣ることを考えると、この補正も頷ける。


 観測者(オブザーバー)は、ステータスへの補正が存在しない代わりに、二つの特徴がある。

 一つは、専用の(トラップ)を設置できること。種類は麻痺、毒、睡眠など多種多様で、モンスターに限らずプレイヤーに対しても仕掛けることが可能だ。


 そしてもう一つは――おそらく観測者(オブザーバー)を選択するプレイヤーのほとんどはこれに惹かれたのだろう――、他者のHPバーを視覚化できること。


 通常、他人のHPバーを視る時はパーティを組むか、同じギルドに所属していなければならない。だが、観測者(オブザーバー)に転職した時点で、全てのプレイヤーのHPバーの減り具合や、上限を確認することができるようになる。PK特化の職業(クラス)のようにも思えるが、考え過ぎだろうか。


 各職業(クラス)の説明をスクロールしながら読み進め、一番下まで行ったところで俺はあれ?と思った。

 ――銃剣士(ガンスリンガー)の説明が無い。

 正確には、?マークがひたすら羅列されているだけで、特徴どころかステータス補正の情報すらも記載されていなかった。

「…………?」


 思考が停止しかけていた脳内に、聞きなれた部屋のインターホンが鳴り響いた。


 ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。


 このホテルに常駐しているホテルマンNPCがサービスを提供する時に訪れ、一度だけ鳴らすインターホン。

 しかし、今日に限っては別人が鳴らしているのだろう。やたらと回数が多い。


「もしかしてあの子かな」

 ロックを外し、ドアを開ける――。


 そこに立っていたのは予想に違わず、紺色のショートヘアを白いバンダナでまとめ、黄色のエプロンドレスを身に纏った、昼間のミユという少女。

 だが何故か泣いている。


「ごめん……なさい……」

「えと……、とりあえず中で話そうか」


 ――もう訳がわからん。

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