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それだけのことで


思い出すために忘れようね

脳は君のことばかり考える癖がついていた

瞳は君のことを考えると涙を流す仕組みになった

僕の体はいつのまにか君のためのものになっていた


人生のゴールは死ぬこと

恋愛のゴールは別れること

僕といる人は不幸になるから

君の幸せを願うなら

僕らは離れるしかなかった

ずっと覚悟はしていたのに

君の存在は僕の全てだった


今泣くか後で泣くか

きっとそれくらいの違いでしかない僕らだった

終わりを見ないように瞳を閉じれば

目の前に道がなくなっていても歩けた

道を外した二人だけの世界でも

それでも僕は幸せだった



君がそばで笑ってくれたから



こっちじゃないよ

そっちだよ

君の幸せは僕が届かないところで輝いている

さようならをしよう

そしたらまた思い出せる

君の笑顔はいつまでも愛しいまま

脳の海馬に残しておきたい

死ぬ前に君を思い出せたら

僕はこの人生を愛せるよ


脳はまだ理解できていない

瞳は少し賢いから涙を流す

心臓はまだ恋をしていた

誰もいなくなった世界で

君が残した面影を探していた


何一つ見つからなくて

笑ってしまった

後ろから新しい季節の風が吹いた

君の揺れる髪を思い出していた

思い出の中で

君は振り返って笑っていた

それだけのことで涙が零れた



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