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あなたが生きられない世界


くだらない世界に生まれてしまった 

くだらない世界に気づかない

幸福な人たちに囲まれていた

正しさなんて存在しないのに

生まれたときには定義付けされていた


染まりきった世界の中で

うまく笑えやしないのに笑っていた

そんなことすらうまく出来なかったから

見透かされていた



何度目かの夏がくる

年齢は便利だ

浪費した月日を突きつけてくるから

生きてきた実感などなくて

誰かが描いた夢を自分の夢にした


この人生が本番だったと

もう認めることは出来ない

死んだふりをしたら責められない気がした



くだらない世界で君が生きていた

出逢えた頃には心は砕けていた

拾い集めても訊ねても

あなたは何も話したくなくて

元の形も分からないから

勝手に取り繕って渡した

そしたら君は

「そんなに綺麗じゃないよ」

と笑ってくれた



全てを消し去ってくれ

あなたが生きられない世界など

なんの意味もないんだよ

夏の終わりに君は泣いていた


空っぽの人生は

余白があるわけではなくて

受け入れられる器がないだけ



この世界に受け入れてもらえないのではなく

自分がこの世界を受け入れられないだけだと

気づいてしまってから気づかないふりをして

いつまで見られていない演技を続ければいいのだろう



君が集めた僕の欠片

勝手に取り繕って渡してくれた

「あなたを見て作ったよ」


あの日からずっと

それが僕の形になったよ









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