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私は死ぬまで貴方の宿主

  


    

亡くなった人に贈る物が売っている


どんな言葉ももう届かないのだと

理解している傍で

誰かが拵えた物は届くのではと期待していた

郵便局のシステムを知らなかった頃のように

手品みたいに私の知らないところで

貴方を笑顔にしていてほしい

私がそれを見れなくても

そうであってほしい



誰かを想うことは不思議なもので

寄生虫みたいに

すっかり脳をコントロールする

いつの間にか心臓も支配されて

私の都合なんて御構い無しに

大きな音を立てる

体温も上昇する

瞳はずっと貴方を探している



大切な人が世界から姿を消したとき

「身が引き裂かれるようだ」と誰かが呟いていた

本当にその通りなのかも知れない

ざわざわと稲穂が揺れている風景が

私を取り込もうとする



繋いだ手

抱きしめられた身体

キスをしてくれた

触れてくれた全てに

貴方が住んでいる


私は死ぬまで貴方の宿主


淋しくないよ

だって私の脳に

貴方がいるから


そこでなら

いつでも逢えるから





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