星空をつめたカバン
君の跡を辿っていくと
大きなカバンが落ちていた
今後数十年は使えそうな
丈夫なカバンだ
その中に入っていたのは
沢山のなんでもない日々
見覚えのあるものや
どこかで聞いた話が入ってた
持ち主はすぐに分かったから
向かうついでに持ってくよ
これは君の宝物だから
大切なものを忘れないでね
君の跡を辿っていくと
また少しずつ何かを拾った
知らないものばかりだったけど
どうやらこれも一度は愛されたものだったらしい
大きなカバンに一緒に入れて持ってくよ
君が笑ってくれたらいいな
迷子になった宝物も
きっと誰かにとってはガラクタだけど
誰か一人にとってはこの世界そのものでしょう
だから代わりに守っていくよ
誰かの大切なものを
僕も大切にしたいから
君のあとを追っていると
満天の星空に出会えたよ
君もこの空を見ていたら
一緒に見たことにならないかな
それは無理だね わかってるよ
だからこの景色もカバンにつめて持ってくよ
立ち止まっている君に追い付くと
何も持っていなくて酷くふるえていた
君は僕の背負った大袈裟なカバンを見て笑った
もういらなくなったものだよ
それが君についた嘘だということも
それが僕に告げた本当だということも
ちゃんと理解できたよ
それでもこれは君の宝物だよ
大切なものを大切にしてもいいことを忘れないで
重たいなら僕が背負うから
きっと誰かにとってはガラクタだけど
君にとってはこの世界そのものでしょう
一つずつ僕にも教えてほしい
どれだけ愛していたのか教えてほしい
そして二人で宝物を守っていこうよ
君の大切なものを
僕も大切にしたいから
大切なことを忘れてしまわないように




