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セカンドマーケット





私が殺されたのに

君が亡くなったみたいだな


なんてことを考えながら

忙しなく流れる駅前を歩いた


コンクリートのビルは光を遮って

冷たい風ばかりを当てる


こんなにも人がいるのに

あなたはもういないんだ




どこを探しても見つからなくて

それでも偶然に縋ってみせた

そうでもしないと

もう声を聞けない気がしたから



あなたがいなくなった世界でも

私は生きてるよ


昔話の後日談のように

君に語られることはないけど




必要なくなったって捨てられた

中古品が溢れる世界でも

また誰かに手を繋がれる


初めての言葉は

あっさりと消えてしまって

もうきっと誰の心にもない


恥ずかしくて隠して

あれほど大切だった想いを

私だって同じように捨てたんだ



私の寿命が

あなたと出会えたときから

始まって


あなたと離れるときに

終わってくれたらな



そうしたらあなたの目の前で

今までありがとうねって

死ぬことができたのに




私が殺されたのに

あなたが亡くなったみたいだな


捨てられた私は今日も生きて

あなたを無意識に見つけようとする


だけど見つからないから

もういいよ


あなたがいなくなった世界は

どこか少しだけ

他人事のように見える





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