1000℃
1000℃で焼かれた君のことを まだ君だと認識する自信は僕にはないよ
君の一部が欠損したとして 僕はどのくらいまで君の名前で呼んであげれるのかな
指輪つきの薬指だけになってしまったとしても 僕は君の名前を使わないだろう
それは君の所有物で 君をそれに求めることは僕には出来ない
顔が吹き飛ばされちゃって 心臓付きの胴体でも
僕はそれに君の名前を使うことはないよ
やっぱり君の顔と君の脳みそじゃないと 僕は認識出来ないから
いつも触れてる君のことを温かいと感じる理由は この世界が冷たいからです。
僕のことを冷たい人間だと呼ぶ理由は 君の世界が温かいからです。
僕の中で君が君であるために 必要なものは元気や健康ではないんだよ
いつも笑っている君を 好きになった覚えはないよ
君のモヤモヤだとか苛立ちにも色があって それは誰かに似ているけど
僕は色んな組み合わせの中の一つを君と呼んだし 名前も覚えた
僕たちの存在なんてその程度だよ 儚くもなんともないんだよ
同じ組み合わせのクローンでも 僕はそいつを殺せないから
800℃で焼かれた君のことなら もしかしたら認識出来るのかも知れないね
そのときまでまだ君の居場所が僕の中にあったら
骨くらいまでは愛せるようになってるかもね
君の顔と心臓と脳みそがなくなっても 僕は君が好きだよ