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全てが青で染まったら


海辺の風は苦しい 季節はずれの静かな砂浜 片割れの貝殻 探した一枚

これからまた夏が来るよ 今年はちゃんと覚えられるのかな

満ち潮で世界が沈没すれば その初めての日に 子供は笑う 

足を水面に浮かせて 安全な水域でじゃれては 手をとりあった 青



しっとりと濡れたコンクリート 透明の床下浸水 浮かび上がるカーペット

窓からの射陽 白色 揺れるカーテン 救われた花びらは どちらまで



機能停止の街で僕たちは生きている 仰向けで流れると 黒い髪が濡れた

昔を忘れた大人たちは 照れ笑いをして 子供たちに遊び方を教わったよ

君の手は スコップで オールで 水鉄砲で お皿だった

それは代用品にもならないくらい頼りないのに なんにでもなれたから

僕たちの存在も そのくらいのもので よかったのかもしれないね



潮風に煽られて 僕たちは夕日を迎える 足元まで伸びた道が

水平線の向こう側まで 繋がっていることがわかった

さようなら また今日がくるかな? ううん、もう今日はおしまい

みんなが同じ方向を向く僅かな時間は 世界が平和であってほしい



朝が来て 夢の物語にさようなら 昨日のお片づけをしましょうね

僕の生きている理由が 過去にしかないのなら 続ける意味はあるのかな

生きていることに意味はないよ 見つけたものに意味は宿るから

貴方は私を見つけたの ただそれだけのことに 意味があったの



機能する街 引き潮で去った全部 足元に残った一枚の貝殻

役目を終えた存在から 美しさに気づかされる


片割れの一枚も 誰かの宝物であってほしい



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