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GRB 170227A
地球消滅の日 本来の目的とは違う使い方の核シェルター
こんなところに隠れたところで みんな死んでしまうのに
固まっていれば 置き去りにされない気がしたんだ
地球が消えるときに生まれる光ってさ
この星に生まれた全ての命の形見みたいだね
隣で丸くなっている君は 微笑んでそう言った
人間には自分が本当に死んでしまうということを
考える機能は付いてないんだよ
自分だけは大丈夫 明日の朝食は
焼きたてのトーストとホットコーヒー
そうして朝を迎える予定です
僕たちは外に出た 世界が終わっていく
満天の星空一色で塗られた夜の空
あっちの街から 向こうの街まで
ずっと ずっと 照らしている
今から僕たちも その一つになる
この光が届く先に どうか君がいてほしい
なんてバカな願いを 流れ星に運んでもらいたかった
この星では花が咲いたよ
命が生まれて
誰かが悲しんで
でもそんなことは知っていたけど
知らなかった
ここはそういう星です
誰か僕たちを見つけてね
少しだけでもいいから
忘れられてもいいから
遠い星で泣いている命を
優しく照らしてあげたい
誰かにとっての
優しい光になりたい




