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終の棲家



遠い遠い雲の影に たどり着けない夢を描いた

それはどこか 触れることの出来そうな形をしていて

私はそれを 視界の奥でぼんやりと眺めていた



夏の暑さも冬の寒さも君は嫌がっていたけれど

それら全ては私を作ってくれたものだから

深く染まる青色も 鈍く光る白色も

それら全ては君と叶えた夢だから



誰かがたどり着いた先に私たちがいて

でももうそこには私たちはいない

たどり着いた先に誰かがいて

今は誰もいなくなって それでも

隣を見て微笑むくらいは

こんな私にも出来た




繰り返し繰り返しそんなことを

一つの処に留まれず終の棲家を探した


疲れてしまっても怖くなっても

決まって思い出す あの景色が

もう入ることの出来ない場所だと知っても



心は そこで生き続けたから




誰かにとっては当たり前にある私の夢

夢にしたくなかった私の夢

生きていた痕は思っていたよりも

私の目では捉えることが出来ない

きっと私が誰よりもそれを当たり前だと

思っていたから



自分を守ると忘れてしまう大切な思い出

嫌気がさして立ち止まっても

それでも生きてしまう 私の当たり前が

ちゃんと生きろと背中を突き飛ばす



髪をなびかせる風が

少しだけ世界を変えてくれる

一歩踏み出す毎に

気づかないくらい

少しだけ景色を変えてくれる




君を思い出しながら



遠い遠い雲の影に たどり着けない夢を描いた

それはどこか 触れることの出来そうな形をしていて

私はそれを 視界の奥でぼんやりと眺めていた





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