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君が病気になって分かったこと
起きたら上着がかけられていた
だから安心して眠れたのだろう
窓の向こうはまだ暗かった
でも遠くでバイクの音
すぐそばで君が寝ている
寒そうな格好で
それを見てちょっとだけ
あきれて笑った
嫌いな味を君が覚えていたときは
ちょっとだけびっくりした
好きな味を君が覚えていたときは
すごく嬉しかった
君の好きな味を覚えていたときは
少しだけ自分が嫌になった
雨が降っている
いつまで続くのかな
嫌なこともいつか終わりがくる
そう考えたら それも愛おしく思えた
でもやっぱり嫌いなものは嫌い
チョコレートは甘い
勉強はいつも難しい
冬はすごく寒い
全部生まれてから知ったこと
おかゆは優しい味
ティッシュは買い置きしておくべき
寝る前は温かい格好で寝よう
君が病気になって分かったこと




