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SAP
誰かのために生きたいと
自分のために尽くしてくれている人に嘆いて
その誰かが誰であるべきか
目に映る世界を愛していれば
最初から気づけたはずだった
ラッピングされた皮で
心臓を包んで
恥ずかしいからと
その姿を隠していた
「貴方のために死にたい」
君の遠回しの表現を理解できる脳は
世界でこの頭にあるものだけだと
勘違いして今日を営む
貴方の足音はすぐに分かる
貴方の感情はすぐに分かる
いつからだろう
貴方のことをそうやって
「分かっているから」と考えなくなったのは
貴方の毎日はいつも新しくなるのに
「同じ人」だと
独りぼっちにさせてしまっていたのは
誰かのために生きたいと
自分のために尽くしてくれている人に嘆いて
その誰かが誰であるべきか
目に映る世界を愛していれば
今日の君に会えるはずだった
今を生きる貴方に
僕は会いたい




