最期まで君として死んでいってね
最期まで君として生きて
最期まで君として死んでいってね
身体が動かなくなろうとも
御飯が食べれなくなろうとも
記憶が零れ落ちていこうとも
何かをうしなっていっても
その魂がこの世でもらえた
たくさんの幸福は
君を君たらしめている
最初から君として生きて
最初から君として死んでいってね
子宮の中で腸になれたときから
焼却炉で骨になるそのときまで
その身体がこの世で与えた
たくさんの体温は
君を君たらしめている
君の瞳が見つめていた世界
私の瞳が見つめていた世界
同じところが多ければ多いほど
君に愛してもらえていたような気がした
私は
最期まで君と生きて
最期まで君と死んでいくよ
全てを終えて朽ちていく姿も愛おしいから
眠ることが多くなるのは
終わりを迎えるための練習かもしれない
このあとにもらう淋しさも哀しみも
全て君からのプレゼントだとしたら
私は全部を受け入れて生きていくよ
それでようやく一つだけになれるから
最期まで君は君を愛して
最期の最期まで
君は君で良かったのだと感じていてほしい
生まれてきて良かったと泣いてほしい
君が一番得意で一番苦手なこと
君が一番願って欲しがっていたこと
それはいつも
最初から最期まで君のそばにあったの
君のためだけにこの世界中にあったの




