気が狂いそうだよ
雨が通り過ぎた夜
滴り落ちる水の音
湿った風が体温を奪う
君がいない世界はきっと
もうすぐそこにきているのでしょう
静かに見つめて微笑むよ
いつかその境界線を迎える時が来る
どれだけ覚悟をしていても
消えることのない痛みがある
どれだけ忘れてしまっても
体の一部になるんだよ
言葉は嘘つきだっていつも言われるけど
本当は気持ちを伝えるのが下手くそなだけ
心臓や表情その他の身体的表現
みんな優等生だね嫌になる
伝えたいことが伝わることはない
でもそのお手伝いはできるから
分かったふりして分かってもらえたふりして
それが優しさの正体だったなら
どれだけこの世界が救われるのでしょう
安心も不安も何もない
子宮に収まってるとき
言葉も知らずに何を考えていたの
奇跡の連続に感謝したい
誰に向かって言えばいい
「愛してる」が一番強い世界で
本当に伝えたいことは
「生きていてほしい」
僕の中ではそれだけが全てなんだ
全てが狂ったとしても
別人になったとしても
生きていてほしい
君がいない世界がすぐそこまできてること
抱きしめるだけで分かったよ
同じ瞬間に生まれて
同じ瞬間に死んでみたいよ
帰りを待ってくれている君が
どんな気持ちで過ごしていたのか
それだけでもう気が狂いそうになるよ
僕の脳の線を引っこ抜いてくれ
それをテレビに繋いで君に見せたい
僕の脳をノーカットで放映して
エンドロールで君の名前を
一番最初に流すんだ
君がいなくなった世界で
砂嵐だけの映像が
いつまでも流れ続けていく
僕らが過ごした小さな部屋の隅っこ
君のお気に入りのスペースで
君のことを愛していた




