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STARDUST
片隅で分け合ったチョコ入りアイス
路地裏を通り過ぎる風が髪を包んだ
「なんだか同棲してるみたいだね」
と君が笑う
間違いだらけで振り返れない
汚れた影を君に踏まれないように
焦りをひた隠して隣を歩いた
奪い取った幸せは
消えてしまうけれど
与えてもらった幸せは
何があっても消えやしない
君といるとそんな言葉を
無性に信じたくなるよ
少し伸びたビニール袋
録画した番組を深夜に観ていた
チラつく電灯の下で
時計の針が三時を回ろうとしている
優しさも苦しみも何もない
自分の脳が勝手に作って
それが全てのように感じたあの日
夕暮れの水槽を
いつまでも漂っていたかった
幸せは奪い取られても
消えてしまうことはない
渡した幸せはこの世界に散らばる
希望となって星空を作る
視力を失ったあとで
二人で見つめていたい
光が移っていく様を
本当は何もなかった世界に
生まれた意味を産めたことを
君といるとそんな光を
無性に愛したくなるよ




