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小さな勇気




ほしい薬は不安を消すものではなく

誰かに優しくなれるもの


生きていく術は分からない

誰も教えてはくれない

だけど何度も倒れながら

ここまで来たんだ


取り返しのつかない失敗は

全部背負って

知られたくない過去は

脳の一番見えるところに飾って

二度と繰り返さないようにと


誓いながら祈りながら

その姿を恨まれながら

今日まで生きてきたんだ



優しくなりたい

傷つけたいわけじゃない

でももしかしたらこの声は

見えない棘だらけなのかもしれないな



今日まで生きてきたせいで

誰かを哀しませてしまったこと

それくらい気づいている


今日まで生きてきたおかげで

誰かが噓みたいに笑ってくれたこと

信じないけれど知っている



傷つけることができるなら

優しくすることだってできるだろう


あの日

消せない失敗をしたから

同じ過ちはしないだろう


もう二度と謝れない人がいる

名前を呼べない人がいる

夢の中で何度謝っても

届くことはない




そんなことを繰り返して

それでも生きていくしかないから

そんなことを繰り返して

また誰かと出会う


汚れたまま

怯えながら

疑問と不安を抱えて

幸せを大切にしていく


その姿はきっと

誰も咎めることはできない

小さな勇気だろう






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