エアポケットで会いましょう
誰にも届かない声は
そもそも口に出せやしなかった
泣いても居場所すらなくて
教室にできたエアポケットに
落ちてしまったみたいだった
道に落ちてるもの
誰にも拾われないならそれはゴミだよ
私はゴミだった
一体いつから間違えてしまったんだろう
死んでいても生きていても変わらないやと
心の底から思う時
体が緊張して動けなくなる
ご飯が喉に通らなくなることだけが
幸せだった
たまに人よりもうまく出来てしまったとき
死んでしまいたくなる
みんなに見られたくなかった
透明人間になったまま死にたかった
誰かに話しかけられると
その人の時間を浪費させてしまうから
存在してはいけないんだって分かったんだ
エアポケットに落ちて安心した
穴の中で横になって小さな空を見上げた
落ちたら危ないからという理由で
蓋をされてしまった
もう世界には光すらもらえなくなった
何年も横になったまま
気づけば体は歳をとった
心は育たなかった
暗闇の中で誰かが私の手を引いた
崩れそうな手作りのトンネルを歩いた
君も同じように一人で落ちていた
宝物みたいって伝えると
大袈裟だなって君が笑った
みんなにとってはいらないものでも
誰かにとっては宝物になれるの
世界から必要とされなくても
君が手を繋いでくれるなら
精一杯の勇気を使うから
離さないでね
私も離さないから
宝物だよって伝えると
僕もそうだよと君が笑った




