表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/136

エアポケットで会いましょう



誰にも届かない声は

そもそも口に出せやしなかった

泣いても居場所すらなくて

教室にできたエアポケットに

落ちてしまったみたいだった


道に落ちてるもの

誰にも拾われないならそれはゴミだよ

私はゴミだった

一体いつから間違えてしまったんだろう


死んでいても生きていても変わらないやと

心の底から思う時

体が緊張して動けなくなる

ご飯が喉に通らなくなることだけが

幸せだった



たまに人よりもうまく出来てしまったとき

死んでしまいたくなる

みんなに見られたくなかった

透明人間になったまま死にたかった

誰かに話しかけられると

その人の時間を浪費させてしまうから

存在してはいけないんだって分かったんだ


エアポケットに落ちて安心した

穴の中で横になって小さな空を見上げた

落ちたら危ないからという理由で

蓋をされてしまった

もう世界には光すらもらえなくなった


何年も横になったまま

気づけば体は歳をとった

心は育たなかった


暗闇の中で誰かが私の手を引いた

崩れそうな手作りのトンネルを歩いた

君も同じように一人で落ちていた

宝物みたいって伝えると

大袈裟だなって君が笑った



みんなにとってはいらないものでも

誰かにとっては宝物になれるの


世界から必要とされなくても

君が手を繋いでくれるなら

精一杯の勇気を使うから


離さないでね

私も離さないから


宝物だよって伝えると

僕もそうだよと君が笑った




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ