生きていくよ
伝えたいことを全部伝えても
同じ言葉を繰り返していた
言葉なんかでは語れない
どれだけ気持ちを伝えても
まだ足りないのは
いま僕の話を聞いてくれる君が愛しいから
まだまだ旅の途中だろう
長い道のりのほんの一瞬だけ
君は僕と人生を共にした
掴んだ手は冷たく凍えて震えていた
僕の体にぬるま湯程度の熱が備えられていたのは
きっと君を優しく温めるため
そのためだけの僕の心臓
救うこと救われること
それは同じことだった
救うことで救われていた
救われることで救っていた
いつもお揃いのタイミングで笑って
お揃いの理由で泣いていたね
真似をしたわけでもなく
安心させたいわけでもなかった
でも何故か
君の心が苦しいとき
僕の心も苦しくなる
一人じゃないって思ってくれたこと
口に出さずとも分かったよ
幸せはあとからついてきて
名前を明かしてくれる
あのときの歯痒さも淋しさも
僕らがそう勝手に呼んでいただけだった
君がいなくなってから
その全ての名前は
幸せだったと知ったんだ
どうか振り向かないで
そのまま前に
僕もそうするから
自分が向いてる方向が前だと信じて
生きていくよ
また何処かで逢えたなら
そのときはまた仲良くしよう
その約束だけで
生きていくよ




