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第三話

明日と明後日は投稿出来ないかも。





 米軍は八月七日にツラギ島とガダルカナル島に奇襲上陸した。ツラギ島からの緊急電を受け取ったラバウルの第二五航空戦隊司令官の山田少将は攻撃を命令。

 ラバウルにいた第二五航空戦隊の一式陸攻は直ぐに爆撃に向かった。しかしこの一式陸攻隊に護衛はいなかった。先に零戦十二機が先行してブイン基地で給油と休憩している。

 八月五日にブイン基地が完成して零戦三二型十五機がブイン基地に進出していたのだ。

 ブイン基地はツラギからの電文を受け取ると直ぐに零戦隊を出撃させて制空権を取るようにした。この零戦隊には笹井中尉や大空のサムライこと坂井三郎一飛曹、ラバウルの魔王こと西沢広義一飛曹などがいた。

 ブイン基地の零戦隊十五機はまさに獅子奮迅の戦いをした。零戦隊は実に敵戦闘機二九機を撃墜、喪失一機という戦果をあげた。

 なお、この戦いでは史実で坂井三郎が負傷するが無線機が新しいため直前に西沢一飛曹に助けられ共同でSBDドーントレス三機を撃墜している。

 ラバウル航空隊の攻撃後の翌日八日夜半、三川中将の第八艦隊がガダルカナル島へ殴り込みを敢行。史実通りの損害を与える。そして海戦後、サボ島北方に集結した第八艦隊司令部では再突入するかしないかで議論していた。


「我が艦隊は無傷です、直ちに反転して輸送船団を攻撃に向かうのが妥当です!!」

「上空援護がない限り艦載機の攻撃を受ける愚を犯すべきではない」


 再突入派の鳥海艦長早川大佐と撤退派の大西参謀長と神先任参謀が対立していた。


「上空援護が無いというが基地航空隊の援護を受けたら良い。ラバウルよりブイン基地があるだろう」

「しかし……」


 早川の言葉に大西参謀長が口をつぐんだ。ラバウルからなら遠いがブインからなら上空援護を受けられる可能性があった。


「……行こう参謀長。ブインからならギリギリかもしれんが大丈夫だろう」

「三川長官……」


 三川もまた決断した。


「全艦反転せよ。再度ガダルカナル島に突入する!!」


 第八艦隊は再び単縦陣を形成してガダルカナル島に突入した。そして第八艦隊は米軍に逆ミッドウェーを食らわせる事に成功した。

 第八艦隊は鳥海が中破、加古が帰路時に戦没、夕張中破の被害で第二次の突入時に輸送船十二隻を撃沈し三隻を撃破した。

 また重巡古鷹が艦砲射撃を敢行して陸揚げしていた物資の一部を焼き払った。


「第八艦隊はよくやってくれた」


 戦闘報告を受けた山本長官は満足したように頷いた。そして史実通りに一木支隊第一梯団が八月十九日未明にガダルカナル島へ上陸、二一日未明にイル川渡河戦が行われ一二八名以外は戦死して一木大佐も戦死して一木支隊第一梯団はほぼ全滅するのであった。

 しかし、第一次ソロモン海戦で第八艦隊が輸送船団を壊滅状態にさせたため米軍の弾薬や食糧が史実より不足していた。

 陸軍は一木支隊の他にも川口清健少将率いる川口支隊を送る予定だったが二三日から二四日にかけて第二次ソロモン海戦が発生した。

 日本側は近藤中将の第二艦隊、南雲中将の第三艦隊が参加した。


「わざわざ龍驤を分離しない方が良いでしょう。むしろ集中して米機動部隊を撃滅するのが宜しいと思います」


 翔鶴の作戦室で第二航空戦隊司令官の山口はそう告げた。山口の言葉に南雲も賛成し龍驤は機動部隊と共に行動する事になった。

 そして海戦だが終始日本側が優勢だった。零戦は全て三二型に変更されており米機動部隊のF4Fワイルドキャットを攻撃隊に寄せ付けない働きをした。日本側は正規空母三、軽空母一の四隻でアメリカは正規空母三とほぼ同等だったが日本側はミッドウェー海戦以来のベテランを乗せておりアメリカのパイロットは振り回されるばかりだった。

 だがアメリカの対空砲火は激しく被弾炎上した友永大尉の九七式艦攻がサラトガの側面に体当たりをする程であった。なおサラトガは攻撃が集中され爆弾五発、魚雷八発が命中して撃沈している。

 それでも日本側の航空機被害は三九機であり龍驤が大破、翔鶴が中破した。アメリカはエンプラが中破、サラトガが撃沈された。

 戦術的には日本側の勝利だった。日本は勝利に気を良くして川口支隊をガダルカナルに送り込むのであった。

 そして古賀はというと……。


『聴音に反応!! 右二十度、距離八千!!』

「対潜戦闘!!」

「戦闘配置につけ!!」


 第二次ソロモン海戦から少し前、台湾とフィリピンのルソン島のルソン海峡のうちバシー海峡の海域を護衛巡洋艦天龍と第一護衛隊が南方から内地に向けて航行していた輸送船団がいた。

 その護衛巡洋艦天龍の艦橋では椅子に座る古賀がいた。


「大井参謀、これで二隻目だな」

「そのようですね」


 古賀と大井参謀はそう話す。航空巡洋艦に改装された出雲から零式水偵が発艦して腹に爆雷を搭載しつつ敵潜水艦の反応海域に向かう。


「海防艦志賀が爆雷攻撃を開始します!!」


 海防艦志賀が三式爆雷投射機を使い爆雷を投下していく。数十秒後に海面から水柱が吹き上がっていく。爆雷が爆発した証拠であり鮫(敵潜水艦)を退治しようとする。


「どうだ聴音?」

『気泡が無くなるまで御待ちください』


 古賀の問いに聴音手はそう返した。それから数秒後に聴音手が叫んだ。


『敵潜水艦浮上中!!』

「対艦戦闘、敵潜水艦が浮上したら発光信号で降伏を促せ」

「了解」


 少し離れた距離にガトー級潜水艦が浮上してきた。ガトー級潜水艦は浮上すると乗員が出て攻撃準備に入ろうとするが天龍が発光信号で降伏を促した。

 しかしガトー級潜水艦はそれを無視して三インチ砲(七六ミリ)で天龍を砲撃してきた。


「古賀長官!!」

「威嚇射撃!!」


 天龍と八雲が威嚇射撃を開始した。天龍は十二.七サンチ高角砲、八雲は二十.三サンチ砲である。砲弾はガトー級潜水艦の周囲に着弾して水柱を噴き上げる。水柱が晴れるとガトー級潜水艦は砲撃を止めて発光信号をしてきた。


「長官、『我、降伏スル』です」

「うむ、臨検隊を組織してガトー級潜水艦を拿捕しろ」


 古賀はそう指示を出す。海防艦国後が航行を停止しているガトー級潜水艦に砲を向けつつ近づき陸戦装備をした乗員の臨時陸戦隊が数隻の内火艇に乗り込んでガトー級潜水艦に向かっていた。


「一隻目も素直に降伏してくれたら良かったな」

「は、ですが何故拿捕するので?」


 拿捕した事に疑問に思った大井は古賀に尋ねた。


「敵の性能を知るためだ。それにアメリカの技術も優秀だ。コピーが可能ならコピーして全艦艇に配備するよう配慮しないとな」

「ですが他が納得するか……」

「納得するかしないかじゃない。そうでもしないとアメリカには勝てんよ大井参謀。元々銃だって外国から来たじゃないか」


 古賀の言うことに一理あった。ガトー級潜水艦は日本の伊号潜水艦を大きく凌駕していた。拿捕されたガトー級潜水艦はドラムであった。尋問でドラムの艦長は太平洋艦隊司令部が暗号で輸送船団がバシー海峡を通過する事を知ったので待ち伏せしろと証言した。


「これで確信したな。我が国の暗号は全てアメリカに見破られている」

「では直ぐに軍令部に具申しませんと……」

「うむ、だが我々は暗号は変えんぞ」

「何故ですか?」

「散開している鮫を一ヶ所に集めて鮫退治をする方が良いと思わんかね?」

「……成る程」


 大井は納得したように頷いた。


(兵の士気向上のために天龍を出したが……これは予想以上の戦果だな)


 古賀はそう思った。それから輸送船団は呉に帰還するまでに更にもう一隻のガトー級潜水艦を撃沈したのであった。


「……古賀長官が拿捕したガトー級潜水艦の性能は伊号を凌駕する代物でした」


 呉工廠で実況検分をした工廠の責任者は艦政本部長の岩村清一中将にそう報告をした。


「アメリカの工業力恐るべしだな。拿捕したガトー級潜水艦は徹底的に調べて新型伊号潜の基礎になってもらおう」

「はい」


 責任者を下がらせた後、岩村はふと思った。


「GF司令部にも出来る事なら敵艦の拿捕をしてもらうか」


 岩村はGF司令部にそう打診した。これが後に大きな成功となるのであった。

 そしてガダルカナル島では川口支隊が九月十二日に総攻撃をしたが失敗に終わった。


「精鋭の第二師団でガダルカナル島の米軍を叩き落としてやる!!」


 辻中佐はそう意気込んでGF司令部に駆逐艦の鼠輸送ではなく輸送船団の輸送を具申した。


「……古賀を使うしかあるまい」


 山本はそう決断して古賀に艦艇の派遣を要請した。


「……どうしますか長官?」

「……出すしかあるまい。天龍と八雲、海防艦六隻を出す。それと俺も行こう」

「長官もですか?」

「山本の指揮は詰めが甘いから火を付けさせてやる。留守は任せるよ大井参謀、それと松田大佐の爆撃回避法の操艦マニュアルは各艦長に渡したな?」

「はい、勿論です」


 大井の問いに古賀はそう返した。それから護衛隊八隻はトラック諸島に向かった。道中にガトー級潜水艦一隻を戦果不明の撃破した。(戦後の調べで撃沈と確認)


「まさか古賀君が来るとはな」

「暇だったので」


 トラック諸島に到着した古賀は大和で山本と夕食を共にしていた。


「第二師団の増援の輸送船団だが宜しく頼む」

「分かりました。ですが上空が心配なので軽空母を船団に下さい」

「分かった。龍鳳を回そう」


 就役したばかりの軽空母龍鳳はトラック泊地に停泊していた。龍鳳には零戦二四機、九七式艦攻六機が搭載されていた。そして第二師団載せた高速輸送船団六隻と共にガダルカナルへ向かった。

 十月十三日、第三戦隊の金剛と榛名がガダルカナル島のヘンダーソン飛行場に艦砲射撃を敢行。敵機五四機を破壊し十四日にもラバウル航空隊と重巡鳥海と衣笠が艦砲射撃を行った。


「十五日に上陸か……」


 輸送船団はタサファロング泊地に到着して揚陸を行っていた。


「夜明けと共に龍鳳の零戦隊を出して上空警戒させろ」


 第二師団の揚陸作業は夜明け以後も行われていた。上空には零戦九機が飛行していたが、天龍の対空電探が反応した。


『ガダルカナル島飛行場方面から十数機の敵機接近!!』

「対空戦闘用意!! 龍鳳は全零戦を吐き出せ!!」


 飛行甲板で待機していた零戦九機が慌てて発艦していく。


「敵機接近!! 単発機です!!」

「対空砲火開け!!」

「撃ちぃ方始めェ!!」


 天龍以下の護衛艦艇が砲撃を開始した。二機のSBDドーントレスが天龍に爆弾を投下したが天龍艦長は易々と回避した。

 他の海防艦も敵機が投下する爆弾を回避していた。


「他艦も頑張っているな」

「時間があまりなかったので訓練は少なかったですが、とりあえずの形になっています」


 古賀の呟きに天龍艦長はそう答えた。


「それに上空には零戦がいますから……」


 上空には警戒飛行をする零戦十八機がいた。結局輸送船一隻大破、後に放棄。輸送船一隻中破の損害だった。第二師団は食糧に弾薬類を八割程揚陸出来た。


「さ、気を付けて帰るぞ。行きはよいよい帰りはなんとやらだ」

「そのようですな」


 輸送船団は帰還途中も数回攻撃を受けたが龍鳳の零戦隊とブイン基地の零戦隊と協同で迎撃して事なきを得た。


「流石は古賀長官だ」


 輸送船団の成功を聞いた山口はそう返したと言われる。陸軍も上陸成功に沸いていた。


「これなら勝てるぞ!!」


 輸送船一隻を喪失する事になったがそれでも八割の物資と弾薬類を揚陸出来たのだ。意気軒昂になるのは仕方ない。

 それは兎も角、上陸してから十一日後の十月二六日に日米の機動部隊による南太平洋海戦が勃発した。

 日本は南雲中将の第三艦隊に近藤中将の第二艦隊である。空母は飛龍が戦没していない事もあり五隻であった。

 米軍は史実通りの展開であったが日本側は違っていた。飛龍がいる事もあり第三艦隊は0530時の第一次攻撃隊は翔鶴から二四機、瑞鶴二九機、瑞鳳十機、飛龍二一機(零戦九機、九九式艦爆十二機)の八三機が発艦した。

 第三艦隊は飛龍が存在した事にもあり攻撃隊にも充分な零戦を付けれる事が出来た。

 また、第一次攻撃隊は途中で米攻撃隊と遭遇、最後尾を飛行していた瑞鳳の零戦隊が追い掛けようとしたが零戦隊隊長が無線機で止めさせた。第一次攻撃隊はそのまま米機動部隊に到着して攻撃を開始。

 零戦隊三十機は無線機を上手く使い、迎撃機のF4Fワイルドキャットを攻撃隊に近づけさせなかった。


「行くぞォ!!」


 村田少佐は米空母ホーネットに攻撃を集中させた。ホーネットは対空砲火をしつつ村田少佐隊の九七式艦攻をかわそうとするが小林道雄大尉率いる九九式艦爆隊が対空砲火が下火になった一瞬の隙を突いて急降下を敢行した。


「敵機急降下ァ!!」


 見張り員の叫び声がホーネットの艦上に響き、二百五十キロ爆弾が風切り音を奏でてホーネットの飛行甲板に突き刺さり格納庫で爆発した。更に列機も次々と投下して六発の二百五十キロ爆弾がホーネットに命中した。

 また村田少佐の艦攻隊も必殺の魚雷を投下して右舷に三発、左舷一発が命中したのであった。







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