シャボン玉回想録
昔思ったことを、忘れるのが何となく惜しかったので脚色して投稿。
シャボン玉。
石鹸水とストローがあれば作れる。
風に吹かれて舞い上がり、キラキラ虹色に光るそれは、あたしを何とも言えない気持ちにさせる。
子どもの頃の、期待と、寂しさ。
楽しいけれど、あたしから遠く離れてしまうか、地面を湿らせることしか選択できないシャボン玉。
今もう。
透明な気持ちは澱みを知っている。
いいや。
あの頃だって知っていたはずなんだ。
それが言葉として浮き上がってこなかっただけで。
シャボン玉は人のよう。
捉えがたく、妖しく彷徨う。
触れれば割れる、当たり前。
だからあたしは向こうから眺める。
何を思うのか知りたくて。
その輝きを壊さないように。
でも、それは余計だったかな?
時たま二つのシャボン玉がくっつく。
けれど決して一つにならない。
まるで分かちがたい人の心のよう。
どう努力しても知りえない。
誤解し、すれ違うのは、人の性。
共に墜ちる運命を背負うのもまた。
生まれ消えるのは決まりごと。
定めとはまさに言い得て妙。
でも精一杯生きない気はない。
例え弾け去ったとしても。
今は、自由に。
読んでくれた方、ありがとうございました。
改善点等あれば、教えていただけると嬉しいです。