【第三十九話】選ばれた絶望
数週間ほど時は遡る。鬱蒼と生い茂る森の中をゆらりと歩く人影――堂林凌の姿があった。そしてその後ろを金色の尖った耳に、ふさふさとした二本の金色の尾が生えた子供――雪がついて歩いている。
その時、堂林が足を止めた。そして振り返ると鋭利な視線で雪を貫き、刺々しく言い放つ。
「てめぇ……いつまでひっついてやがる」
「どうばやち様が修行つけてくれるまでですっ」
「そんな日は一生やってこねぇ。他を当たるこった」
「まえにも言いましたけど、妖狐族はほろんだんですっ。だから他にたのむ人いないんですっ」
忌々しそうに堂林は舌打ちをすると、再び歩き始めた。その後ろを雪は、お願いしますっ、と連呼しながら追いかける。
堂林はあの日重傷を負ったものの、雪の看病、そして白臣が渡した薬によって、数日程で傷跡一つ残らない程に回復した。だが彼はそのことに感謝の念を抱くどころか、憤慨していたのだ。
みっともねぇ、と苛立たしげに花を踏み潰す。本当は憂さ晴らしに血でも浴びたい気分だったが、そうしようとすると悉く雪が邪魔に入るのだ。無駄な殺生はいけない、というのが彼の言い分だった。
こんな奴さっさと殺せば済む話だ、と堂林が雪の息の根を止めようと刀に手を掛けたのは数え切れないが、結局それが出来ないでいるのは雪の顔が原因だったのである。
似ているのだ。いや、全く同じと言っても過言ではない。
「……調子が狂う」
堂林は刺々しい視線を雪にやった。彼は堂林が踏み潰した花をどうにかしようとしているのか、しゃがみこんで折れた茎を元に戻そうとしている。
一度鎖で縛り付けたこともあったが、厄介なことに雪は金刀比羅解を使う事が出来たのだ。金刀比羅解というのは自らを拘束するものを壊す妖術で、妖狐が一番最初に身につける力だ。
逆に言うならば雪は金刀比羅解以外つかう事が出来なかった。純血の妖狐なのにも関わらずだ。
まだ雪は折れた茎を元に戻そうとしている。そしてきっと堂林を睨み上げたのだ。
「どうばやち様っ! お花ふんだらダメですっ。お花がかわいそうですっ」
「てめぇ……いい気になってんじゃ――」
「そんな人は九尾になれないって、父様もいってましたっ。そんな人は孤羅尼神様にえらばれないか――」
雪の顔面に堂林の蹴りが入った。雪の体は簡単に吹っ飛び地面に転がってしまう。
そんな雪に堂林はゆっくりと近づいていくと、恐ろしい程に感情の無い顔で見下ろした。
「てめぇに何が分かる? てめぇら妖術族は愚かな純人間どもに滅ぼされたんだろ、なァ? 孤羅尼神とやらも人間をさぞかし憎いだろうよ。純人間を滅ぼすことが孤羅尼神とやらに選ばれる……九尾になれるに違いあるめぇ」
「オレはそうは思いませんっ。だって父様が……」
「てめぇの親父だって純人間に殺られたんだろ? 憎くねぇのか、人間がよォ」
「……にくいです。でもすべての人間がわるい人じゃないって父様も母様もいってましたっ」
「……腑抜けが」
荒々しく堂林は舌を打つ。雪は額から流れる血を両手で擦り拭うと再びお願いしますと頭を下げた。
「てめぇは、復讐してぇ奴でもいんのか? 殺してぇ奴でもいんのか、なァ?」
「いません!」
「……なら修行なんかしねぇで山に帰って寝てろや」
「やくそくしたんですっ。父様と! りっぱな九尾になるって!」
そう言って雪はきらきらと目を輝かせている。そんな姿は余計堂林を苛立たせた。苛立ちに任せ彼が雪の無防備な腹に蹴りを入れようとした時。
妙案が浮かんだのだ。堂林は口元を吊り上げる。そして口を開いた。
「……そんなに修行つけて欲しいか?」
「はいっ!」
「なら、つけてやってもいい」
「本当ですか!? うれし――」
「ただし条件がある」
「じょうけん?」
「ああ。ここから北東に進んだところに確か手松国ってぇのがあるはずだ。そこの魂屋っつう見世物小屋に出し物として七日間過ごせたらなァ」
喉の奥を鳴らす様な笑い声を上げて堂林は雪を見下ろす。雪は勢いよく立ち上がった。
「七日間でいいんですねっ!」
「ああ。七日経ったら迎えに行ってやらァ。俺が迎えに行くまでそこに居ろや」
「はいっ! オレ、どうばやち様がむかえに来てくれるまで、ずーっとそこにいますっ!」
「ああ、そうしろ。ずーっとな」
にやりと堂林は口元を吊り上げる。そして軽い足取りで走って行った雪の背中を冷たい目で見ていたのだった。
「……地獄って場所を知るがいい。せいぜい絶望するこった」
笑を湛えながら堂林は再びゆらりと歩き出した。
手松国の魂屋というのは、数ある見世物小屋の中でも一番残虐であると巷で言われている見世物小屋である。魂屋で見世物とされ衰弱し死んでった者の脳は、苦痛に耐えきれず溶けてしまっていたと噂されているほどだ。
「あの腑抜けじゃ、一刻ももたねぇに違いあるめぇ」
ほとんどの妖狐が金刀比羅解が使えるため、本来ならば妖狐を捕獲するのは不可能に近い。人間の作った縛りなど妖狐には意味をなさないのだ。
どうせすぐ逃げ出すに決まってる、そう堂林は踏んでいた。彼は雪がそこで人間への憎悪を募らせればいい考えており、その憎悪が自分に向くのはそれはそれで面白いと考えていたのだ。
「……少しは退屈しのぎになるかもしれねぇなァ」
くつくつと堂林は笑うと鬱蒼とした森の奥へと消えていった。
「……胸糞悪りぃ」
堂林は頬に付いた返り血を長い舌で舐め取る。彼はとある花街の中心部に立っていた。至る所に遊女や色遊をしに来た男達が見るも無残な姿で転がっている。
いくら血を浴びても、いくら遊女の死体を眺めてみても、堂林の心は満たされなかった。どうしてもちらついてしまうのだ。無駄な殺生はいけないと説く雪の顔が。そして――。
堂林が雪と別れてから二週間が経った。とっくのとうに約束の七日間は過ぎている。最初から迎えに行くなどの考えは堂林には毛頭なく、そもそも雪が自由に逃げ出すことが可能な状態で魂屋に七日間も居ることなど無いと考えていた。
なのに。堂林は鬱々とした気分のままだった。魂屋を覗こうという気分にもなれず、かといって魂屋のある手松国の周辺から離れる気にもなれなかったのだ。
それが何故だか堂林自身は分かっていた。だがそれを認める事は彼には出来なかったのだ。
そんな時、堂林はとある建物の影に人の気配を感じ取った。彼は刀にべっとりとついた血を舐めながら足音を建てないように近づいていく。そこには男二人が建物に忍び込もうとしているようだった。
「兄貴、本当に大丈夫なんすかねぇ?」
「何言ってやがんだ。花街の奴らは見ての通り皆おっちんじまってる。こんな好機を見逃すなんざ、盗っ人の名が廃るってもんだ」
「でも、やっぱり異常ですよ。化け物の仕業かもしれやせん。まだ近くにいるかも――」
「馬鹿野郎! 何、見てもねぇくせにびびってやがんだ。さっさと金目のもんかっさらって、ずらかりゃ問題ねぇ」
盗人二人はまだ近づいてくる堂林の姿に気付いてないようだ。そんな時、盗人の一人がのんびりと言った。
「ここの金目のもん売りさばいたら、兄貴の行きたがってた魂屋に行けるかもしれやせんねぇ」
「ああ、間違いねぇ。盗っ人の俺のダチ公の話だとよ、大層愉快な場所らしいぜ。盗っ人やってる俺達ですら、あそこにいる連中と比べれば天人並に幸せだって思えるらしいからよぉ」
魂屋、という言葉に堂林は思わず足を止めた。未だに彼の存在に気付いていない盗っ人は言葉を続ける。
「しかもよ、今とんでもねぇ大物が出し物にされてるらしいぜ?」
「とんでもねぇって?」
「妖狐の餓鬼が見れるら――」
「兄貴!」
兄貴と呼ばれている盗人を、堂林の触手の様に細くなった銀色の尾が絡め捕らえた。もう一人の盗人は恐怖のあまり腰を抜かしてしまっている。
「てめぇ、それは本当か?」
「な、な、何の事でしょう……!」
「さっき言ってた事に決まってんだろ」
「さっき……? あ、あ、ああ、金目のもんをかっさらうっていう――」
「その後だ」
「後……? ああ、魂屋の話、で、ですか……?」
「ああ」
「お、俺も人づてに、き、聞いた話なので……! よく、わ、わ、分からないんですけど……! 妖狐の子供がい、いるって……!」
そう盗人が言い終わらないうちに堂林はその盗人を建物に叩きつけた。そして脇目もふらずに走り出したのだ。手松国を目指して。
花街を抜けると林の中を駆け抜ける。道無き道を突風の如く駆けていく。
何故魂屋に向かっているのか、何故こんなにも急いでいるのか、堂林は己が理解出来ずにいた。それでも足を止めることはない。魂屋を目指し夜道を駆け抜けたのだった。
それから一刻程経った時。堂林はびっしょりと返り血で濡れていた。生臭い血の臭いが魂屋を満たしている。彼の周りには人の形を既に留めていない肉片や肉の塊が転がっていた。もう客だったのか、小屋の人間だったのか、男だったのか、女だったのかも分からない。
そして堂林の目の前には衰弱しきった雪が柱に括りつけられていた。
上半身を裸にされた雪の体には至るところに痣や真新しい火傷や刀傷があり、肩の骨は陥没してしまったのか不自然にへこんでいる。そしてその真新しい傷には蝿が不快な羽音を立てて群がっていた。
堂林は雪の体に手を翳し、紫色の炎で包んでやる。蝿は一瞬で灰となってしまった。その炎を堂林は消してから、表情を変えずに口を開く。
「……おい」
「……どうばやち……様……っ?」
うっすらと目を開けた雪は、堂林の姿を捕らえるとふにゃりと笑った。
「もう……くさり、解いても……いい、ですか……っ?」
「……ああ」
堂林の答えを聞くと雪は自らを縛る鎖に息を吹きかけた。その息がかかった鎖はみるみる凍りつき、砕けてしまう。それと同時に彼の体は崩れる様に倒れてしまった。
そんな雪を堂林は無言で見下ろしている。雪は立ち上がろうとするものの、足に力が入らないのか崩れ込んでしまう。
「……あれ、立て、ないっ……。どうばやち、様……おいて、いかない、で……。すぐ、立ち、ますか、ら……すぐ、あるき、ますか、ら……っ」
それでも雪は立ち上がれずにいた。そんな自分が悔しいのか、それとも堂林に置いて行かれてしまうと思ったのか、雪はぼろぼろと泣き始める。それでも彼は立つことも出来なかった。
堂林は無表情で泣きながらも立とうとする雪を見下ろした。そして深く深く息を吐き出す。
「へ? どうばやち、様……っ?」
雪は堂林の思ってもみなかった行動に驚きの声を上げた。堂林は雪の体を脇に抱え歩きだしたのだ。雪は最初は驚きのあまり丸い目を更に丸くしていたが、少しすると嬉しそうに顔を綻ばせた。
表情一つ変えないまま堂林は口を開く。
「てめぇ、何で逃げなかった」
「だって、どうばやち、様と……やくそく、しましたから……っ」
「……七日間の話だっただろうが」
「どうばやち、様なら、ちゃんと、むかえに……来てくれるって、しんじてました……っ」
「……てめぇみてぇな馬鹿は始めてだ」
舌打ちをしながら堂林は呟く様にそう言った。雪はへへっと小さく笑い声を漏らす。
「でも、良かった……っ。しんぱい、して……たん、です、よ……っ? どうばやち、様……けが、したんじゃないか……とか、お腹いたい、んじゃないか……って」
ふにゃりと笑う雪に堂林は何も答えなかった。雪を脇に抱えたまま魂屋を出て無言で夜道を歩き続ける。
そんな時間が暫く流れた時。堂林は〝修行とやらをつけてやる〟と、一言口にしたのだった。
「なんか、今日はいつにも増して空が高いね」
白臣は土手に寝転がりながら空に手を伸ばしている。青い空にどこから飛んできたのか白くて小さい花びらが宙を舞う。そんな彼女の横で宗志も同じように寝転がりながら、眠そうに目を擦っていた。
「いつもと同じじゃねぇか」
「まあ、実際はそうなんだろうけどさ」
のんびりとそんなことを言いながら、白臣はぐっと伸びをした。
蝉の頭領の一人、龍につけられた宗志の傷は二週間経っても癒えることは無かった。傷が少しは塞がったと思われると、またすぐに開いてしまうのだ。
白臣が弟切草、南東草などをすり潰して作った軟膏を塗ってみても結果は同じだった。
それ故に、二人はこうやって休憩を取ることが多くなっていた。宗志は大丈夫だ、と休憩を取ることをめんどくさがっていたのだが。
そんな二人が何をするでもなく青い空を眺めていた時だった。突然嗄れた大きな声がしたのだ。
「……宗志、様――!」
「宗志、様?」
不思議そうな顔をして、白臣は上半身を起こし声のする方へ顔を向けた。見ると土手の上の方に身なりをきっちりと整えた老人がいたのだ。
白臣はその老人から宗志へと視線を移し、思わず息を飲んだ。上半身を起こした彼の切れ長の目は驚きですっと見開かれていた。そして一瞬顔を歪め、すぐに平静を取り繕ったのである。
その叫んだ老人はというと、土手を駆け下り宗志の前に回り膝まついたのだ。あっけに取られている白臣の隣で、宗志はいつにも増して感情の読めない顔をしていた。
老人はやけに興奮しているのか早口で言葉を口にする。
「貴方様は六代目篠本国城主、結羽夢月様と、その正妻である結羽弥生様の第二子、結羽宗志様とお見受けします!」
「……悪りぃが人違いだ」
「爺の目は誤魔化せませんぞ! 宗志様を赤子の時からお世話させて頂いたのは、この爺めでございますから……! よくぞ、よくぞご無事で……!」
人違いだ、と宗志は瞼を閉じて静かに言った。だが老人は涙を浮かべ感激を隠しきれない様子で、宗志の両手取り握っている。
そんな老人の腕を横から強く握ったのは、他でもない白臣だった。そこで始めて老人は彼女の存在に気づいたような顔をする。彼女は老人を睨みつけ、怒りを孕んだ声音で言った。
「よくぞご無事で……? ふざけるな……! 例え、例え、ここにいる彼が貴方が仕えた人であったとしても……貴方はどの面下げて彼の前に来れたんですか……!」
「それは……」
「ハク」
宗志は白臣の名を呼ぶと老人の手を振り払うと同時に立ち上がった。それに合わせるようにして彼女も立ち上がる。そして宗志は彼女をひょいっと脇に抱えると、黒い翼を生やし飛び立ったのだった。
宗志は老人と遭遇した土手からすぐ近くの山に着陸した。その後、抱えていた白臣をそっと降ろしてやる。ぐるりと辺りを見回すと木々の間に古びた小屋が見えた。
二人はそこへ黙ったまま歩いていく。そして小屋の前にきた時。宗志は未だ険しい顔をしている白臣の頭を少し乱暴に撫でたのだ。
「いつまでそんな面してんだ」
「だって……」
白臣は宗志が話してくれた彼の幼少時代の話を思い出し、腸が煮えくり返る思いを抱えていた。今のご時世は貧困のために泣く泣く子供を売ってしまうという事は、そうそう珍しいことではない。彼女自身それを肯定する事は出来ないが、完全に否定をする事も出来なかった。
だが宗志の場合は違う、と白臣は拳を固く握り締める。国を治めるほどの名家が貧困で苦しんでいるなんて考えずらい。彼女は会った事もない宗志の両親への怒りで吐き気すらおぼえていた。
そんな黒い感情が鳩尾で疼くのを感じながら、白臣はちらりと宗志を見上げる。彼は遠くを見るような目をしていたが、白臣の視線に気づくと小さく溜め息をついた。
「……もう昔のことだ。殆ど何も覚えちゃいねぇよ」
「……嘘つき。君は僕にも、そして自分にも嘘をついてる」
「……ほんと、敵わねぇな」
白臣の真っ直ぐな視線に宗志は居心地悪そうに身じろいでから、深く息を吐き出した。
「……篠本国を治めてんのは結羽家っつうとこの人間なんだ。俺はそこの長男だった、それだけだ」
淡々とそう語る宗志だったが、白臣にはその無表情な横顔が寂しそうに見えたのだった。そして彼が心の底から両親を憎みきれていないことも、なんとなく察したのだ。
「……結羽宗志、か。なんだろう……いい響きだね」
「……別にもう過去の話だ。とっくのとうに家名は捨ててる。それに俺は勘当された身だしな」
「そっか……」
それ以上白臣は返す言葉が見つからず、沈黙が流れた。今思えば宗志の振る舞いは粗雑のように見えて、ところどころ品の良さが伺えることに彼女は気づいたのだ。
そして彼には国の地理や伝説などの学もあった事も。彼が国を治める名家の出であることも肯ける。手塩にかけて育てられていたのだろう、と白臣は宗志の横顔を見ながらそう感じた。
愛情を注がれていた時があるからこそ、憎しみもその分大きくなる。愛情を注がれていた時があるからこそ、悲しみもその分大きくなる。
俯いてしまった白臣を宗志は横目でちらっと見た。そして沈黙を破るかのように、大きなため息をついてから小屋の戸に手を掛ける。
「ここどうせ空き家だろ。上がるぞ」
「そうだね、上がらせてもらおうか。なんか雲行きも怪しくなってきたし」
白臣は木々の隙間から見える空を見ながらそう言った。さっきまでの青空は分厚い雲によって既に覆い隠されてしまっている。そして彼女ははっとしてから心配そうに眉を顰めた。
「宗志、さっき飛んだりして……体平気か?」
「まあ、どうってことねぇよ。だいぶ痛みにも慣れてきたしな」
「それを普通は平気とは言わない! 先に上がって待っててくれ。痛み止めになる薬草でも探してくるよ。確か檜扇っていう多年草が山にはよく生えてるんだ」
そんな白臣の言葉に宗志はすぐに頷かなかった。そんな彼に白臣は大丈夫だよ、と言って言葉を続ける。
「雨が降る前にはちゃんと戻る。それにそんな遠くに行くつもりはないし」
「……何かあったら、すぐに呼べよ」
渋々ではあったが宗志は承諾する。そして彼は小屋に入り、白臣は檜扇などの薬草を探しに茂みに入っていった。




