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盗姫  作者: 硴月 楸
4/10

泥棒の姫

あれから1週間が経った。

姫は王の部屋で見つけた鍵を城内のあらゆる錠に試してみた。

誰も近寄りたがらない不気味な倉庫や地下室への階段の扉、王の宝物庫など…あらゆる場所を調べた。

だが、不思議な事にどの鍵穴にもあてはまらなかった。

「城の鍵じゃないのかな…?」

そんな考えが自然とよぎる。


そんな時だった。


「おお、やっと見つけた」

めずらしく息を切らせた王が駆け寄ってきた。姫は急いで鍵をしまい、

「お父様…どうかしたの?」

と問いかけた。

すると王は言った。


「…私の大事な鍵を知らないか?」


姫は思わずビクッと肩を揺らす。大事な鍵とはおそらく姫が盗んだ鍵のことだろう。

「確かに引き出しの中に入れていたんだが…」

明らかに王の目は姫を疑っていた。

やはり、前に姫が王の引き出しの中を探っていたことを怪しんでいるようだ。

しかし、姫はそんな目から逃げることなく見つめ返し、

「私が見た時はそんなものありませんでしたよ?」

とあっさり嘘をついた。

姫は王に嘘をつくのが当たり前になってしまっていた。

「…そうか…ならいいんだが…」

王は困ったように肩をすくめる。


と、そこで姫の頭にある考えが浮かんだ。

この際だからこれが何の鍵なのか聞いてしまおう、と。

「…そんなに大事なものなんですか?」

「…ああ。あれは私の日記の鍵なんだよ」

「…日記…そんなに大事なものなんですか?」

「…いろいろ大事なことを書いてある日記なんだ。今まで1日として書きそびれたことはないのだ」

「そ、そうなんですか…」

「とにかく、見つけたらすぐに私に教えなさい。絶対にだ!」

念を押して言うと王は再びどこかへと駆けて行った。


なるほど、日記の鍵だったのか。


姫は考える間も無く王の部屋へと足を向けていた。



日記は本棚の一番上の段にひっそりと置いてあった。他の本と同じ作りの背表紙だったので見つけるのにかなりの時間を使ってしまったが、ともあれようやくこの鍵を使うことができる。

姫は静かに日記の錠に鍵を通す。



中には姫が生まれてからの記録がつづられていた。

以上。


ここから少し過去編に突入します。

王と国と姫の記録です。


ついに国の衰退の道筋がわかるっ!


…番宣風に言ってみました。^_^

ともあれ感想やご指摘、質問などお待ちしておりまする。

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