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15. 玄関先決戦


シシリに背負われたままデッカい門をくぐる。

初めて見るクィンズプリシアの街並みは、なんつーか衝撃的だった。


まず全ての建物がとてつもなく高い。

もちろん外壁と比べれば低いけど、それでも10階建てのビルくらいはありそうだ。

デカデカと建ち並ぶ箱物たちを、俺は半ば呆れたような心地で眺めた。


まずは土台となる部分だが、ここは頑丈そうな石レンガを組んで作られている。

窓が取り付けられてるところを見ると土台部分も居住スペースらしい。

窓の配置から察するに1階と2階がこの石レンガ部分に造られているようだ。


んで、その石レンガの上に木造の建物が乗っかっているわけなんだが、コイツが高い。無茶苦茶高い。

頑丈そうに見えるけど所詮は木造だ。10階建ての木造ビルなんだぞ。

俺が『倒壊すんじゃね?』と不安になったのはある意味当然の話だと思う。

まぁ、実際問題そんな心配がねぇからこんだけボコボコ建ち並んでんだろうけどな。

どんなカラクリなんだか……。


生まれて初めて見る高層木造建築なんだから『おぉー』とか言って感動できりゃよかったんだが

こうもそこら中にボコボコ建ちまくってると、感動する気すら起きやしねぇ。


"クィンズプリシアは高層木造建築の街"

とりあえず見たまんまの情報を記憶すると、頭の中をリセットするために小さく深呼吸した。


いくら衝撃的な光景だからって、ボケッとそれだけ見てる場合じゃねぇんだ。

『珍しいからついつい夢中で眺めてて、他はなーんにも見てませんでした』じゃ話になんねぇしな。


外壁を見上げ続けたあの失態を繰り返すわけにはいかない。

俺は1つ1つ確認するように改めて周囲の様子を伺った。


まずシシリが言ってた『極端な男女比』というのは本当のようだ。

通り過ぎる人を見る限り、圧倒的に男の方が多い。というかほぼ男しか歩いてねぇ。


今、俺達が歩いてる道の幅は10m近い大通りで、人通りはかなり多い。

にも関わらずこれまですれ違った女は十数人しかいねぇんだぞ?

もちろん俺の見落としもあるんだろうがそれでも20人にも満たないはずだ。


とはいえだ――

なんとなくだがクィンズプリシアにおける女性の立場というのが分かった気がすんだよな……。


まず、一人歩きしている女が1人もいない。

必ず付き添いの男がいて、恭しく手を引いてもらってたりする。


それも男が差し出した掌に、そっと自分の手を預けるような

まるで騎士のエスコートを受けるお姫様みたいな恭しさが漂ってんだよ。


『手をつなぐ』とか『腕を組む』とかそういう普通の恋人たちが行う爆発して欲しい感じじゃなくて

『エスコートする』って表現が一番しっくりくる感じだ。


冗談抜きでここでは『女=お姫様』の図式が成り立ってるんじゃねぇのコレ?

今まで見てきた中には、正直見た目が少々アレな娘もいたけど、やっぱその娘もお姫様だったからな。


ましてや女に荷物持たすなんて発想自体湧いてこねぇのか

デッカい荷物が2個以上ある時は、エスコート役の男とは別に荷物持ちの男まで用意する徹底っぷりだ。


いやいやいや。そこはエスコートなんてせずに男1人で2個持てよ。

100歩譲ってエスコートが必須なら、片方の荷物は女が持てよ。


これだけでもどんだけ女が大事にされてるか分かるってもんだろ?

まさに下にも置かない扱いって感じだ。


でも中でも一番衝撃だったのは

エスコートどころかお姫様抱っこされたり、俺みたいに背負われたりしてる女も普通にいたってことだ。

あまりにも普通に横を通り過ぎるもんで思わず二度見してしまった。


しかもそうやって運ばれるのはガキだけじゃねぇんだよ。

お年頃の女どもも恥ずかし気もなく、野郎に抱っこされたりおんぶされたりしてんだぜ?

俺にとってはかなり信じ難いことだが、ココのヤツらにとっちゃこれが日常なのかとまざまざ見せつけられた気分だ。


お年頃の乙女が大股開いて男に背負われてる世界だ。

見た目ガキの俺が背負われてる事なんて、まぁ瑣末なことなんだろうな……。


心地よく揺れる振動に身を任せつつ、改めて自身の現状を思い知らされた。

クィンズプリシア。ちょっと怖ぇ。



☆.:*:・' .:*:・'゜☆' .:*:・'゜☆' .:*:・'゜☆'


しばらく大通りを歩いた後、俺たちは脇道へと入った。

大通りではあれだけ往来が激しかったのに、少し脇道にそれただけでグッと人通りは少なくなる。

俺は街の観察を止めると、今更ながらの疑問を口にした。


「そういえば、どこへ向かってるんですか?」


俺の質問にシシリが苦々しい様子で答える。


「甚だ不本意ながら、アゼルの宿舎に向かってるところだ」

「オイ。不本意ってなんだよ。不本意って」


堪らずアゼルが不満の声を漏らすが、俺の知ったこっちゃねぇ。

俺は綺麗に無視して質問を続けた。


「なるほどアゼルさんのお家ですか。まだ遠いんですか?」

「いや、遠くねぇよ」


あっさりとシシリが答え、立ち止まる。

相変わらず苦々しい様子で続ける。


「つーか。到着しちまったなぁ……」


ん?到着だと?

シシリの言葉に促されるように前方を見やると、目の前に四角い立派な建物が建っていた。


中央にはデッカい入口があり、壁には規則正しく窓が取り付けられている。

見た目はマンションやホテルのような感じだ。


「ようこそ!コータ!」


入口へずんずん進むアゼルのテンションがウゼェ。

だけど立派そうな外装だし、アゼルってただウゼェだけの男じゃなくて、実は結構甲斐性のあるウゼェ男なのかもしれない。


人知れずアゼルの評価を上げていると、シシリが陰鬱な様子で溜め息を吐いた。

長い溜め息が終わると首を回し俺の方を見る。横顔しか見えねぇがシシリの瞳は悲しげな光を灯していた。


何事だ?

訝る俺にまるで同情するような声音でシシリが告げてきた。


「ホント、小汚ねぇ部屋けど我慢すんだぞー……。コータ」

「汚くねぇよ」


早足で先行していたアゼルが律儀に振り向き反論する。


「あと、ちょっと臭ぇけど我慢してやってくれなー……。コータ」

「臭くもねぇよ」


さらに反論する。

が、当然のごとくそれを完全無視してシシリが歩き出す。


少し先の敷地内で立ち止まったまま猛抗議しているアゼルの傍までわざわざ近寄ってから

シシリはわざとらしく落胆した声で俺へと告げた。


「部屋着いたらスグに窓開けてやっからな……?」

「だから、臭くねぇよ!!」


アゼルは自分を追い越して入口へ進むシシリを追いかけながら憤慨した。

『シシリがアゼルを揶揄う』という至って見慣れた光景だ。


飽きないよなぁコイツらも……。


まぁ、見慣れた光景だけに対処方法も完璧に頭に入っているわけだけどな。

こういう時は口を出さずに曖昧に笑っておくのが吉だ。下手に絡むとアゼルどころかシシリまでも絡んでくるからな。


徐々にヒートアップする2人の掛け合いをBGMに

俺はシシリの背中でそっと存在感を消すべく小さくなった。触らぬ神に祟りなしだ。

と、ガチャリと扉の開く音が聞こえてくる。


思わず前を見ると入口に到着しており、アゼルが扉を押し開いている。

豪華な建物に似つかわしい重厚そうな入口扉が開く様に見入っていると、不意にコチラを向いたアゼルと目があった。


あ、ヤベェ。

そう思う間もなく、猫型バカヤローの目が少しだけ見開く。

確実にメンドクセーことになるなと身構えた瞬間、アゼルが縋り付くような声音で告げてきた。


「コータ。ホントに臭くねぇからな!?」

途中からろくに聞いてなかったけど、もしかしてずっとその話題で盛り上がってたのかよお前ら……。

テメェの部屋が臭かろうと、臭くなかろうとそんなん興味ねぇわ。


しかもメンドくせぇことにアゼルは扉に手をかけたまま完全に動作を止めてやがる。

これはアレだ。俺が何か返事するまで動き出せねぇぞコイツ。なんてダメな大人なんだこの猫耳は。


ただただ俺を見つめてくる猫型バカヤローに内心呆れつつ

このままじゃ埒が開かないんで俺はニッコリと笑ってアゼルに告げた。


「綺麗な建物ですね。どんなお部屋なのか楽しみです」


当たり障りない事を言ってやると、猫型バカヤローが動作を再開する。

毎度のことながらお手軽な馬鹿で助かる。一発で機嫌がよくなったアゼルのウキウキした背中を見つめ俺は悪い笑顔を浮かべた。


ガチャリと得意気に扉を開きながら勝ち誇ったような顔でアゼルは言ってきた。


「おう。そんじゃ行くか。まぁ入ってくれよ」


しかし、何故だかシシリは動く気配を見せない。

何だ?嫌な予感がする。折角アゼルの機嫌が治ったんだから余計な事言うんじゃねぇぞシシリ。


だがそんな俺の心の訴えをあざ笑うがごとく

ハァと明らかにアゼルに聞かせるための、わざとらしい溜め息を吐くとシシリは残念そうな声でアゼルに告げた。


「せっかく人が親切でハードルを下げてやったのに無碍にしやがって……」

だ、騙されるなアゼル。コイツは今スゲェ悪いこと考えてるぞ。

こんな胡散臭いヤツ無視してテメェは、ただ黙って部屋まで案内すりゃいいんだからな?


「何だと……?」

しかし馬鹿なアゼルはシシリの馬鹿みたいな挑発を馬鹿正直に聞いてしまい。

馬鹿みたいな声を上げた。あぁ、だからお前は馬鹿なんだ。


そんなアゼルの様子に満足したのか

シシリは俺なんて及びもつかない悪い笑顔で続けた。


「小汚くて臭せぇ部屋ってことにしときゃ、ちっとばっかし汚れててもコータは気にしなかったはずなんだが――

そこで言葉を切ると、シシリは目を閉じて再び溜め息を吐くと首を左右に振った。


「お前が否定なんてすっから、コータはチリ一つ落ちてねぇピッカピカの部屋を期待してんだろうなぁ……」

オイ。止めろ。俺を巻き込むんじゃねぇ。

それに男の部屋がそんなに片付いてるわけねぇだろ。こう見えても昨日まではバリバリの男子高校生だったんだぞ。

ってかそれ以前に耳と尻尾から毛抜けるだろうから、チリ一つねぇなんて根本から不可能だろ。


「私は気にしませんよ?」

これ以上面倒くせぇ事にならないよう、すからずフォローしてアゼルの顔を見ると。

猫型バカヤローは既にワナワナと震えていた。……ヤバいな。いや超ウザいな。


予想以上に衝撃を受けたらしいアゼルに、更にフォローでもしてやるかと俺が口を開くよりも一瞬早く

震えるアゼルが、なんつーか慌てた口調で訴えてきた。


「スマン。コータ!

長く空けたらからちょっとは汚れてるかもしれん!」

「き、気にしませんよ?」

そう告げると、少しだけアゼルがホッとした顔をする。

コレで一件落着か?と思った瞬間


「ということは全く臭くはねぇわけだな?」

折角収まりかけてた状況を根本から覆すような事をペロッとシシリが指摘した。


シシリ。お前ちょっと黙ってろ。

猫イジるのは部屋に入って落ち着いてからにしてくれ。

何が悲しゅうて人様の家の玄関前でこんなやり取りしねぇといけねぇんだよ……。


それにいちいち反応するような事か……?

いちいち小姑みたいな指摘を繰り返すシシリのセリフに俺は脱力感しか感じなかったが

どうやらアゼルには効果てきめんだったらしい。


「スマン。コータ!

そんな事はねぇと思うけど、ひょっとしたらちっとばかし臭いかもしれん!」

再び慌てた様子でアゼルにそう訴えられたんで


「あの、大丈夫ですよ私」

俺も再び了承した。

んで再びアゼルがホッとした様子になったんだけど、何なんだよこの茶番。


でもまぁ、汚いのも平気。臭いのも気にしないって答えたし

流石にこれで弾切れだろうと安心した矢先、またしてもシシリが口を開いた。


さっきまでの悪い顔じゃなくて無茶苦茶いい笑顔だ。

嫌な予感がする。嫌な予感しかしない。


「安心しろコータ。本人も認めてんだし、どうせ椅子とかも汚っねぇに違いないから部屋でも背負っててやるからな」


なん……だと?

まさか今までの小姑発言はここへ持ってくるための伏線だったとでも言う気かお前は……。


ってか部屋の中でまで背負われるって何なんだよ。ひょっとしてボケで言ってんのか?

んでどうしてそこまで俺を背負うことに固執するんだよお前ら。お前らってか主にシシリ。


「な……!?」

呆れる俺とは違い、またしても効果てきめんだったらしいアゼルが言葉を詰まらせてシシリをガン見する。

それをドヤ顔でシシリが迎え討つ。まだ玄関だ。1歩たりとも進んでねぇ。正真正銘玄関先で何やってんだ俺達。


「つーわけでサッサとお前の小汚ねぇ臭っせぇ部屋に案内しろアゼル」

大いなる火種になりそうな発言だが、言っている内容は全面的に支援する。

しかし肝心の猫型バカヤローは納得いかないのか、何やらいっぱいいっぱいな表情で牙を剥いている。


マジで埒開かねぇ……。

一体いつまでその話題で盛り上がるつもりなんだよお前ら。

どう言い返そうか考えてる猫型の方のバカヤローを見ながらそんなことを思う。


そして気づけ馬鹿共。

今のシシリの発言で、最初にループしちまってるじゃねぇか。その話題。

まさか、また最初からやり直す気じゃねぇだろうな。


ん?……やり直す気ねぇよな?

まさかと思った不吉な予想だが、100%ありえないとは言い切れない事に気がつく。

なぜならこの馬鹿二人は馬鹿だからだ。また最初から汚い、汚くない。臭い、臭くないのガキみたいな言い争いに発展しても不思議じゃない。


もしそんなことになったらシシリに主導権を握られた現状をアゼルごときが自力で打開できるとは思えない。

つまり、シシリがその気ならいつまでだってこのクソくだらねぇやり取りが続くってことだ。

さすがにそれはゾッとしねぇな。


一体どこでどう間違えばこんな展開になんだよ……。

憂んだ気持ちでそんなとりとめないことを考える。

馬鹿二人が馬鹿だから。というのがやはり直接的な正解なんだろうが、ここまで拗れるには他にも理由がありそうだ。


あーもしかして……。

俺はある考えにたどり着いて、苦々しくこれまでの一連を思い出した。


巻き込まれるのもウザいからって放置した結果がコレってことか?

だとしたらとんだ道化だな。巻き込まれたくない一心で放置した結果が、さらに面倒くさいことになったじゃ笑うに笑えねぇわ。


つまり俺は見込み違いをしたんだろうな。

馬鹿二人のエキサイトを放置したツケがこのざまってわけか。


「あの……」

今にも飛びかかりそうなアゼルに遠慮がちな声で呼びかけると猫耳がピクッと動いた。

相変わらず高性能な耳だ。


「アゼルさんは部屋の汚れを気にされてるんですよね……?

でも、ホントに私気にしませんよ?」


俺はアゼルに向かってそう告げると少しだけ間を開ける。ここでの間は非常に重要だ。

主にアゼルとシシリの注意を俺に集めるって意味でな。


予想通りいがみ合ってた馬鹿二人の目が一斉に俺に向く。

俺は両頬に軽く空気を溜めて膨らませ、少し語気を強めてセリフを続けた。


「いつまでもそんな事気にしてると……

責任としてアゼルさんを椅子替わりにしちゃいますよ私。脚が痺れても降りてあげませんからね」


"つまらないことばっかり気にしてると嫌がらせしちゃうぞ☆"

というニュアンスをたっぷりと乗せて言い切る。

我ながらきめぇ。ってか軽く死にたい。ってか何やってんだ俺……。


男子高校生だった頃に大事にしていた"形は無いが何か大切なモノ"が酷く傷ついたが、どうやら身を挺した俺の作戦は成功したらしい。

ピタリと止まった2人の言い争いを見て俺はそう確信した。


要はシシリに主導権があるから長引くんだ。

それならアゼルの立場をカサ増ししてやりゃいいって話だろ?


一気に形勢逆転した戦況に、まず反応したのはアゼルだった。

これまでが嘘みたいにすんなりと廊下に上がると改めて俺を見つめてきた。


「気にすんなコータ。コータ一人乗せたくらいで痺れたりしねぇから。

別に汚くはねぇけど、椅子固ぇからその方がいいかもしんねぇな」

まごうことなき上機嫌。アゼルが弾けんばかりの笑顔でそんなことを告げてくる。

計画通り。


でもスマンな。俺お前の膝の上に乗る気はねぇんだよ。

部屋についたら速攻で裏切る気だけど悪く思うなよ。


心の中で形ばかりの謝罪をしてると、不利な状況を悟ったシシリが片目で訴えるような視線を寄越してきた。

計画通り。ってか今日だけでメチャクチャ馬鹿の操縦が上手くなった気がする。なんだよこの無駄技能。


「コータ。アゼルはガブルの返り血で臭せぇから俺が抱っこしてやるぞ?」

「コート脱ぎゃいいだけだけの話だ。余計な世話すんなシシリ。

それに部屋が汚ねぇのは俺の責任だからなぁ。コータは責任を持って俺が抱っこしてやんねぇとな?」

玄関より一段高い廊下に立ち、文字通りこちらを見下すアゼルに初めてシシリがたじろぐ。

けど小賢しいシシリの事だ。すぐに反論のための理屈を思いつくだろう。


けどな。そんなもん待つわけねぇだろ。

残念だけど今回はテメェの負けだから大人しくしとけ。


俺は驚いたような顔でアゼルを見上げたまま口を開いた。

「えっと、ごめんなさい。冗談のつもりだったんですけど……ホントにいいんですか?」

「おう。コータ一人くらい屁でもねぇよ」

「いや、ダメだな」

シシリお前には聞いてねぇよ。ってかお前も往生際が悪いタイプの人間だったのか。


けどいつもの妙な理屈がないところをみると、まだ反論の材料は整ってねぇみたいだ。

そんな必死なシシリの事など無視して俺ははにかんだように笑った。


「そ、それじゃ、椅子が座りにくかったらホントにお願いしていいですか……?」

まぁ実際にアゼルの部屋にある椅子が座りやすかろうと座りにくかろうと関係ねぇけどな。

部屋に入って、椅子に座って、座りやすいですねとでも言ってやればミッションコンプリートだ。

悪く思うなよアゼル。


しかしそんな俺の考えなんて微塵も予想できてない愛すべき猫型バカヤローは

溢れんばかりの笑顔で元気よくうなづいた。


「おう。任せとけ」


シシリもここまでくれば状況を覆せないと諦めたのか

寂しそうな瞳で俺を一瞥した後ノロノロと廊下へ上がる。


決着が着く直前は見苦しく足掻くくせに

いざ決着がついちまえば素直に従うってのがコイツらのいいところだな。


ハイテンションの馬鹿に先導されたローテンションの馬鹿に背負われて

ようやく俺はアゼルの部屋へ向かって進みだした。


活動報告に「次回のタイトルは"うさんくさい男"です」と書いたがなアレは嘘だ。


「うさんくさい男」は次回のタイトルになります。

書き直してたら長くなったので切っちゃいました……。


書き直したのにこのクォリティ?

というかどこかで見たことあるラストじゃない?


そう思ったアナタは正しいです。

しばらくこんな馬鹿エンドにはならない予定なので、書き収めってことで1つ大目に見ていただけると幸いです……orz

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