プロローグ
とある世界とつながってる。
知っているならニヤリとできるかも
―――ヴァーチャル・リアリティ・マッシヴリー・マルチ・オンライン・ロールプレイングゲーム
略してVRMMORPGと言う物がある。
1999年11月20日に、謎の技術者【阿頼耶 志岐】により、ゲームとして発表され
医学、経済、娯楽と、さまざまな分野で世界を騒がせた。
この発表を境に、あらゆる技術が急速に発展したのは言うまでも無い。
とは言え、必要器具の値段もあるが、経歴が殆ど明かされていない技術者の発明した物で、胡散臭さもあったのだろう。
初めの頃はまったく売れなかった。
しかし、意外なことに、一人の少年が購入し、友人に進めたことで、鼠算の如く利用者が増え、再び世界を騒がせることとなる。
一番初めに購入し、遊んだ少年は元々事故で両足が無かった。
机上の理論ではあるが、脳さえあれば遊ぶことが出来るとまで言われていたのだ。
現実で立って歩けずとも、VRの世界では自由に動け、その感覚も実感できる。
この違いは大きく、ほとんど笑わなくなった彼は、笑うようになった。
こうして、とある病院から、また別の病院へ。
ゲームをプレイすることで、現実にも一部身体能力の上昇なんて理不尽な効能?が有る事も判明した。
それを皮切りに病院から一般家庭へと浸透して行き、最後には社会全体にまで深く浸透していった。
2093年現在、当時発表されたゲームは未だ絶大な人気を誇っている。
単純に技術が追いついていないのもあるが、このゲームには、何か惹かれるものがあった。
しばらくゲームから離れていても【またやりたい】と思えてくるのだ。
実際に、国家資格を得る試験の勉強のために引退したとある青年も
再びこのゲームを手にし、時間を作ってはプレイしていた。
―――だが、発売されてから約94年
課金システムや、利用料金なども一切無く、プレイヤー達の手で紡がれていく物語の世界。
不思議なことに、このゲームの要素を完全コンプリートした者は、片手で数えられる程度の人数しか居なかった。
戦闘Lvをカンストさせているプレイヤーは山ほど居る。
しかし、全てのジョブと職業をコンプリートしたプレイヤーは一握り程度しか居ない。
クエスト・ミッションのコンプリートなど、それこそ今代のプレイヤーにいるか居ないかだ。
そんな無限とも居える楽しみがある世界で、俺はついに―――
「イヤッフウウゥゥゥゥウウッッ!!」\ガタッ!/prrrr!
ついに全ジョブ、全職、武器防具料理レシピ、スキル、熟練度、クエスト・ミッションlvカンストフルコンプを達成したッッッ!!
「いや、うん、そのモーション、正直キモいからやめなよ。」
「テンション
上が
って
キ
タ
ァ
ー
orz」
そんなばかな・・・
「・・・今度は何?仕事クビにでもなった?」
「流石に無ぇだろ。」
「いやいや、うっかりとかあるかもよ?モっさんだし」
ありえんwwww
「ありえんwwww休日と間違えて大事な取引の日にゲームしてすっぽかすとかwハハッwクビになったおwww現時刻をもって俺は無職だおwwww」\ヴォン/
「えっ」
「えっ」
「えっ」
「えっ」
「―――まぁいいや、しばらくはニートでもしながらバイト探そう・・・でさ」\ゴゴゴゴゴゴ/
「うん」
「皆まで言うな」
「わかってるって・・・」
「うんうんうん」
「いや、あえて言わせてくれ・・・このクソデカい転送魔方陣はなんぞ?」
さっきから皆で解析、改造しているわけだけど、何処に転移するかは不明なんだ。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
仕様に無いイレギュラー。
「どう見てもフラグです。本当にありがとうございました。」
「ちょ」
「ちょ」
「ちょ」
「www」
やがて術式が発動し、転送が開始される。
最後に耳に届いたのは
―――Disce libens―――
異世界に生まれ変わっても尚、耳に残る言葉だった。
両足の不自由な少年は【彼】に手紙を出し、数週間後、義足が贈られ、現実でも歩けるようになった。
【阿頼耶 志岐】
とある怪物の主人公。
同一人物にあらゆる全ての世界を内包させることで、世界を存続させている。
とある大人の事情(規制追加)により、現在は三代目となっている。