ぷろろーぐ~いざ異世界へ~
見切り発車の初投稿です。見苦しいとは思いますがぜひ読んでやってください。
---異世界---
誰でも1度は行ってみたいと思ったであろうもの。その単語から連想されるものは多い。
だが、高校生になる頃にはそんなものはないということにみんな気づく。そのての作品は好きでも、自分が行くなんて幻想は特に右手に触られなくても消えさるわけだ。
俺、鈴木 海人|(すずき かいと 18歳 ♂)もそんな一人。マンガ、ゲーム、ラノベ、アニメetc...
どれも今でも大好きだ。だが自分が主人公たちのようにはなれないのもわかってる。
俺は学生らしく、毎日やりたくもない勉強をしつつ(勉強と休憩の割合は1:4だ!)日々をダラダラと過ごして(どちらかというと、たれ流して)いる。
今{過ごしている}と言ったけど、これは訂正せねばならない。理由は単純で、ついさっき過去形になることがもれなく決定したからだ。なんでかというと、家に押し入ってきた強盗に殺されたから。
家に誰もいないと思ってたんだろうな。親父は会社、母さんは小学校の先生、妹は部活、家には俺一人。
帰宅部な俺は早々に家に帰ってラノベを読んでいたわけだが、喉が渇いたからと1階に降りたのが運のつき。リビングに窓から入ってきた直後な感じの強盗とバッチリ目があってしまい、
俺「え?」
強盗「え?」
俺「え?」
強盗「!」
強盗はポカーン状態から復帰するやいなや、その手の包丁で俺の心臓ら辺をグサリ。俺死亡。
何あっさり刺されてんだとか思う人もいるかもしれないが、強盗と目があった時、俺は脳内で「目と目が(ry~♪」とBGMが再生していたので、強盗に反応するほど暇ではなかったのだ。
と、現在に至るまでの過程を話したわけだが、んじゃ殺されたてめぇは何のんきに解説とかしてんだ?てことになるわけだ。まぁ1行目でバレバレだが、俺は何か異世界に現地入りする事になってるらしい。
らしいってのはまだ詳しい話を聞いてないからで、んじゃ聞かずになにやってんの?っつー話しになると
「回想というなの現実逃避なのZE☆!」
と答えることになる。いやだってさ?脳内でBGM再生してたら殺されたとかもう我ながらあまりにも残念すぎるでしょう?現実逃避の1つや2つしないとやってらんないって。まぁ2つはしないケド。
さて、もうお気づきの方もいらっしゃると思うが、俺はまだ異世界にいるわけじゃない。異世界入りする事になってるって話しをきいただけで、細かい説明はこれから受けるとこだ。んじゃあ俺は今いったいどこにいるんでせうか?って聞かれると「神界」と答えることができる。言わずもがな「神の世界」。
名前がもうね……すでにファンタジー始まってるよね。
んで目の前にいるのが自称|(たぶん客観的にみても)神様。長い白髪に長い白ひげ。白っぽいローブみたいのを着ていて、亀〇人が持ってる感じの杖を片手に穏やかな表情でこっち見てるお爺さん。
ここまで俺が説明くさく話してきたことは、ほぼすべて今しがたこのじーさんから聞いたものだ。
一通り現状確認|(というなの現実逃避)が済んだのでじーさんに続きを聞かせてもらうことにしよう。
「俺が死んだのは分かった。でも何で俺はこんなとこにいるんだ?」
「うむ。お前さんは当然覚えておらぬだろうが、お前さんは難産でのう。本来なら生きてこの世に生を受けることはできなかったはずなんじゃ。そこでわしはお前さんをこの世に生かす代わりに、死後わしの力になるように仕向けたのじゃ。お前さんの母親がこれを了承したことで、お前さんは無事に生まれ、そして死んだ今、わしのもとに来たわけじゃな」
「すでにツッコミどころが満載なんだが……。つかそれと異世界に何の関係があんだよ?」
「うむ。わしがお主に頼みたいのは、異世界ロンブストにあるアリネシア王国の第1王女 ユミエル・イル・フォン・アリネシア の力になってもらいたいのじゃ」
疑問が一気に増えた気がしたがとりあえずテンプレな質問を投げてみる。
「うん意味が分からない上に唐突すぎるね。つかじーさん神様なんだろ?なら自分でなんとかすりゃいいんじゃねーの?」
「残念ながらそれは無理じゃ。わしは神じゃからあらゆる世界に対して万能と言っても過言ではないが、世界を管理する力ゆえに個人に対して出来ることはあまりに少ない。わしではあの娘の力になってやれんのじゃ」
だいたい予想と同じ方向の回答だな。
「でもそれじゃ俺は?さっきの話じゃ俺はじーさんに生かされたってことだろ?めっちゃ個人に干渉できてんじゃん」
「それはお主がまだ母親の腹の中にいたからじゃ。その状態ならばまだ完全な個人ではないでの。母親と重なっているがゆえにな。だからギリギリ干渉できたのじゃ」
おk。だいたい把握したが、まだ聞きたいことはあるので質問攻めにしてみる。
「じーさんがそのお姫様に直接干渉できないのは分かった。だから俺を派遣しようとしてるのも分かった。だが、お姫様の力になるって具体的になにすりゃいいんだ?」
俺はまごうことなき一般人であり、一国のお姫様なんて人種の力には間違ってもなれない。だいたい力になるってのが抽象的すぎかつ範囲が広すぎて意味が不明だ。
「することは色々あるが、要はあの娘の心の支えになってやって欲しいのじゃ」
はじめから抽象的な頼みごとだったか……。とりあえず質問を続ける。
「でも俺はただの民間人Aだぜ?そんな奴にお姫様の心の支えになるとかどう考えてもムリだろ」
「まぁ待て。あの娘の心の支えになってくれと言ったが、もう少し具体的に言うとだな、あの娘はその立場ゆえにいろんな者に常日頃から狙われておる。それが原因であの娘の心はいつも不安や恐怖でいっぱいじゃ。心の支えになるというのはそういう者達から彼女を守って拠り所となって欲しいということなのじゃ」
それはなおさらムリなんじゃね……?
「余計無理だろみたいな顔をするな。待てといっとるじゃろうが。今回はわしの都合にお前さんを付き合わせる形じゃからな。なにもタダで放り出そうというわけではない。今1度死んでいる状態のお前さんになら個人としてでなく干渉できるでの。お前さんに力を与えよう」
先の展開が若干見え隠れしているが、俺は基本的にくれるもんはもらう主義なので黙って聞いている。
「お前さんに授けるのは「己の思いを現実のもとする力」じゃ」
……ハイ、チート臭漂う感じのものキター!
「なにそのヤバい感じの力は?」
「まぁ早い話しがじゃ、お前さんいろんな物語に触れているおかげで魔法とか魔術とか超能力とかいろいろ知識だけはあるじゃろ?お前さんに与えるこの力はそれらを思い通りに使うことのできる力なのじゃ。もちろん、自分でオリジナルを考えだすのもありじゃ」
つまり、超電〇砲ぶっぱなしたり、幻想をぶち殺したり、空を飛んだり、錬成したり、この手が真っ赤に燃えたり、果ては厨二病症状の1つである「僕の必殺技|(やたら難しい漢字多数使用)」までもができるってわけだ!
どう考えてもチートですね、本当にありがとうございましt(ry
「ただ注意点として、この力は他人に譲渡または分け与えることはできない。また複数の種類の力を同時に使うと暴発することがある。まぁめったにするもんではないがの。後はそうじゃのう……しいて言うなら便利すぎることか」
そんな便利そうなものを譲渡する気はないのでモーマンタイ。暴発も怖いがめったにしないって言ってるし気に留めておくくらいしとけば平気だろう。
「便利すぎるってなんか問題あんのか?」
「お前さんの役目はあくまで姫を守り支えとなることじゃ。戦うことではない。じゃがお前さんを見れば取り入ろうとする者達がたくさん出てくるだろう。姫とは別に自分の面倒もみなきゃならなくなる。そういう意味で大変じゃといいたいのじゃ」
「なるほどそういうことか。まぁそれはなんとかするしかないな」
ここで俺は1番気になっていたことを聞いてみることにした。
「なぁ、何でそのお姫様のことをそんなに気にかけるんだ?」
「それはのう、彼女がロンブストの平和をもたらす者だからじゃよ。彼女には立派に育ってもらわなくては困るのじゃ」
世界に平和をもたらす者ね……。
「分かった。それで?俺はこれからどうすればいい?」
「力は世界を渡る過程で与えるでの。さっそく行ってもらおうかの」
「そうか。分かった!そうと決まればさっそく行こうぜ!」
「ユミエル姫を頼むぞ」
こうして死んだ俺は、生まれる前から異世界行きが確定していたことを告げられた後、もろもろの説明を受けて異世界ロンブストへ旅立った。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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