第7話~妹達(どうしてこうなった)~
みなさんこんにちは。
戦闘描写がホントに下手ですorz
今回はかなりグダグダです。
---サイド:ユミエル・イル・フォン・アリネシア---
先生やミアさん達が愛称の意味を話してしまったようです。
以来カイトの態度がどこかよそよそしいものになってしまいました。これはゆゆしき事態です。早急になんとかしなければなりませんね。どうしましょう……。
---サイド:鈴木海人---
愛称の真相とやらを聞いてからどうにもユミィを意識しちまう。ところが後日ユミィに聞いた話じゃ、あれは俺をからかっていただけらしい。まぁ薄々そうじゃないかとは思ってたんだ。だって一国のお姫様がこんな何処の誰とも知れない奴を好きになるわけねーもんな。残念じゃないかと言われれば嘘になるが、まぁ別にいいさ。とりあえずカイザは絞めるケドな。
こっちの世界に来て1ヵ月が経った。仕事にも慣れてきて、だいぶ日々の生活にも余裕がでてきた今日この頃。午後はカイザと訓練を兼ねた模擬戦をやる約束をしていたので、訓練場に向かって廊下を歩いていたところ、後ろから声をかけられた。
「おい!そこの奴、止まれ」
「とまれ!」
聴こえたのはどちらも女の子の声。片方は凛とした雰囲気で、もう片方はやや幼い感じの声。
これが野郎の声ならこんな高圧的な物言いの奴などシカトするところだが、相手が女の子と予想されるので、答えるのもやぶさかではない。(別にロリコンじゃないですよ?)
「なんか用?」
とは言え返答が少々雑になったのはまぁ勘弁してほしい。
「その黒眼……。やはり貴様だな?姉さまの近衛兵になったというのは」
「いうのは!」
振り返って見るとそこにいたのは、美少女と言って差し支えない2人女の子。
1人は薄い白金色のポニーテールにした髪にガーネットのように鮮やかな赤い瞳。ノースリーブで丈の短い紺色のワンピースに腿まであるブーツ。(絶対領域が輝いてるな)純白のマントを纏い、腰には細剣を帯剣している。両腕を組んで、こちらを射抜くように見ている。(俺なんかしたかな……?)
もう1人はまだ「綺麗」よりも「可愛い」がしっくりくるくらいの女の子。キラキラと輝く見事な銀髪をツインテールにしており、金色に光る瞳をこちらに向けている。本人は睨んでるつもりなんだろうがまるで怖くないどころか逆に可愛い。隣の娘を真似て自分も腕を組んでるし。子供用ってのがぴったりなサイズの水色のドレスを着ている。
「「姉さま」?あぁもしかして、ユミィの妹さん達?」
「(ユミィ……だと……?もうそんなとこまで……。)
いかにも、私の名前はシンシア・ウル・ダ・アリネシア。ユミエル・イル・フォン・アリネシアの妹だ」
「わたしは、シェスカ・アル・ファン・アリネシア!ユミィ姉さまとシア姉さまの妹だぁ!」
予想的中。確かによく見ると2人共ユミィに似てるし、あの王様と王妃様の子供と言われれば納得の容姿である。しかしシンシア嬢は何であんなにコワイ顔で睨んでくんのかね?
「これはご丁寧にどうも。近衛騎士団第3部隊隊長のカイト・スズキだ。それで?その妹さん達が俺にいったいなんの用だい?」
「カイト・スズキ。私達と決闘しろ!!」
「しろ!」
なんかすっげぇ面倒くさそうな気がビンビンしてきたんだが大丈夫か?
結論、大丈夫じゃない、問題だ。仮にも城勤めの身としては、王女様の申し出を無下に断ることもできず、結局シンシア嬢&シェスカ嬢vs俺という決闘を受けざるを得なくなった。場所は訓練場でやることになり、当然そこにいた近衛兵士は皆ギャラリーになった。それどころか、いつの間にか王様と王妃様まで来ており、なにやらニヤニヤしている。仕事とかねーのか?あ、今ユミィが来た。人の間を縫うように通ると、シンシア嬢達に向き直る。
「シア!シェーナも!2人共なにしてるのよ!?」
「止めるな姉さま。これは必要なことだ。私はあいつと戦わなければならないのだ」
「のだ!」
「意味分からないわよ!いいからやめなさい」
「そうはいかない。それに先方も了承したし、父様の許可も得た」
「えたー!」
とりあえず、シェスカ嬢はいい加減普通に話すべき。
「むむむ。カイトも何とか言ってよ!」
「もう全てが手遅れだから諦めることを推奨するぜ?」
ちなみに俺はもう諦めた。
「むぅ……。分かったわよ。ただし、3人共無茶はしないように!お互いかすり傷1つ負うのも禁止よ!分かった?」
かすり傷1つて。それ決闘になんねーだろ。
「無理よ姉さま。それじゃ勝負にならn「わ・か・り・ま・し・た・か?」う……。わかったわよ」
ユミィは怒らせると怖いタイプだったのか。笑顔なのに目がわらってないな。あれはシェスカ嬢のトラウマになったりはしないんだろうか?
「カイト?なにか失礼なこと考えてない?」
うおっ!?心読まれた!?顔には出さないようにしてたっつか、向こうむいてただろうが。
「ソンナワケナイジャナイカ」
……。いささか胡散臭くなった気がしなくもないがまぁいいか。
「それよりさっさと始めようぜ」
「ふん。姉さまに近づいたこと、後悔させてあげるわ!」
「あげるわ!」
シンシア嬢シスコン疑惑。あとシェスカ嬢のせいで緊張感もへったくれもねーな。
ちなみに今回も審判はカイザ。
「それでは、双方構え!」
シンシア嬢は細剣を抜き放つと右半身を前にして、剣を顔の高さに。めっちゃ刺す気満々だなおい。シェスカ嬢は不死鳥の尾羽とか使ってありそうなサイズの杖を構えた。
俺はボケっと突っ立っている。
「チッ、バカにしてるの?」
「の!?」
「これが俺のスタイルなんだよ」
なにを隠そう、俺は「己の思いを現実のもとする力」とやらのお陰でいろんな戦い方ができる反面、決まったスタイルというものが未だに確立できていない。毎度いろんなのを試してるし、オリジナルとかも考えてはいるが、あくまで考えてるだけなので、いざ決闘やら模擬戦やらになると、始めは突っ立っていることになるわけである。
「始めぇ!!」
開始の合図と共に、シンシア嬢が突撃してきた。結構速いな……。その後ろではシェスカ嬢が魔力を練っている。
「石壁!!」
俺の左右と後ろを囲むように高さ5メートル程の石の壁が出現。普通こうなると正面から来てるシンシア嬢をかわすことはできない。
まぁ、俺は普通ではないのでカンケーないんだが。
「はぁ!!」
シンシア嬢は回転を加えた突きを勢いよく繰り出す。
「よっと……。」
サ〇ヤ人な筋力で飛び上がって回避。石壁の上に着地。
「なっ!?」
「石鎚!!」
シンシア嬢はかわされて驚いたが、間髪入れずにシェスカ嬢がフォロー。俺の頭上にでっかい石の塊が出現。俺めがけて飛んでくる。
「なるほど。それで俺を叩き潰せると思ってるんだな?なら、まずはそのふざけた幻想をぶち壊す!」
俺は右手を握りしめると、迫りくる石鎚を殴りつけた。
パキィン!
石鎚は粉々に砕け散った。今度はシェスカ嬢がは目を見張っているが、そこへシンシア嬢が接近。この二人チームワークいいな。
シンシア嬢が繰り出した突きを人指し指と中指で挟んで止める。それと同時にアンチ・マジック・フィールドを訓練場に展開。
「!?私の突きを素手で止めた!?」
「シア姉さま!今援護を……っ!?」
「どうした!?シェーナ!」
「魔法が……使えない!?」
よし、2人共動きが止まったな。俺はシンシア嬢を押し返すと素早く後ろへ回り込んで、首筋に手刀を入れる。そのままシェスカ嬢の後ろに瞬間移動すると、こちらも首筋へ1撃。
2人共気を失った。
「勝者、カイト!」
回りが「おぉ~」だの「魔法が使えなくなるってどゆこと?」だのとザワザワやっているで、妹ズがメイドさん達によって運ばれていく。
「カイト」
こっちに近寄って来たのはユミィだ。
「一応、お互いにかすり傷1つなしで済ませたぜ?」
若干おどけて言うと
「ふふふ。そうね、ありがとうカイト。あの子達の我儘に付き合ったうえに無理なお願いを聞いてくれて」
「別にどうってことないさ。怪我しないに越したことはないしな」
そうしてひと騒動あったもののそのまま俺はカイザと予定通り模擬戦をすることにした。
妹ズと決闘(ごっこ)をした日の翌日。俺は朝飯を食いに食堂へ向かう途中ユミィに会った。
「あれ?ユミィは王様達と食うんだよな?なんでここにいるの?」
「きょ、今日から私も食堂で食べようと思って」
「ふ~ん。つか今から食べに行くのか?俺が言うのもあれだが遅いな」
俺は朝に非常に弱いので起きてくるのも遅い。必然的に朝飯も遅くなるわけで、この時間になるともうほとんどの人は食べ終わって仕事を始める。
「た、偶々よ偶々!今日は少し眠くて」
「あっそう。まぁそーゆー日もあるよな。何なら一緒に食うか?」
「!うん!ぜひそうしましょう!!」
なんか知らんがすっげぇ食いついてきた。そんなに腹減ってるのか?
と、食堂の少し手前に妹ズがいて、こちらに気づいた。
「おはよう」
「おはよーございます」
なんかいい具合に3姉妹がそろったようなので俺は外すとするかね。そんくらいの空気は読めるつもりだ。
「んじゃおれは先行ってるから」
ユミィにそう行って妹ズの横を通り過ぎようとしたら服をつかまれた。シンシア嬢とシェスカ嬢に。
「待って。あなたに話があるの」
「あるの!」
「決闘ならもう勘弁しろよ?」
「違うわ。いいわね?シェーナ」
「うん。せーのっ」
「「私達を弟子にしてください!!」」
「………………は?」
2人揃って大声出すもんだから声が反響しとる。つか周りにいた人がみんな何事って感じで振り向いてるじゃねーか……。
「え?意味分かんないだけど?」
「ちょっと!2人共なに言い出すの!?」
ユミィがなんか俺以上にパニくってる。
「昨日の決闘で分かったの。教えを乞うならあなたしかいないわ」
「おねがいします!」
何が分かったのかさっぱり分からないということが分かった。
「待て待て待て。な?まぁ待て。とりあえず落ち着こう。食堂で話し合おうじゃまいか」
現状とにかく朝飯を食うのが俺の最優先事項なので、食いそびれないためにも話しをそっちに持っていく。
「あ…………」
「ん?ユミィどうかしたか?」
「い、いえ。なんでもありません」
なんだかションボリしたように見えなくもないがまぁ大丈夫だろ。
「せっかく2人で朝ごはん食べられると思ったのに……」
「なんか言った?」
「いえ、お腹空いたなって思って」
ふむ、やはり飯は大事だな。ユミィの近衛兵として主を空腹でいさせるわけにはいくまい。
こうして、朝飯を食いつつ妹ズの話しを聞くことにした。
シンシア・ウル・ダ・アリネシア。14歳。勇ましい性格。得意魔法は火だが、剣術の方が性に合っているそうだ。使用しているのは赤い刀身を持つ細剣。斬ることより突くことに特化している。典型的な前衛タイプで、強化系魔法によって身体強化をすることで大の男とも渡り合える。補助系で速度も多少上げているらしい。
シェスカ・アル・ファン・アリネシア。13歳。元気っ娘。得意魔法は土。接近戦は極めて苦手だが、類稀なる魔力量をほこっており、魔法使いとしては所謂「天才」というやつのようだ。得意魔法以外の魔法もとても器用に使うことができるそうで、こちらは典型的な後衛タイプのようだ。
「んで?弟子にしろって?」
「「お願いします!」」
あぁ~そんなガチで頼まれてもなぁ……。つかぶっちゃけ俺の方が素人なわけで、初めから教えられることなんてなんもない。
「弟子にすんのはちょっと無理だろ」
「何でですかっ!?私達が弱いからですかっ!?」
「ですかっ!?」
「2人共少し落ち着きなさい。身を乗り出さないの。カイトさん引いちゃってるじゃない」
「随分必至だなおい。無理ってのは俺が2人に教えることなんてないからだよ。今でも十分に強いだろ」
「そんなことありません!私達はあなたに負けました」
「いやだからさぁ、あれは俺がAMF張って2人の隙をついただけであって、俺が戦闘技術に優れてるわけじゃない」
分かってはいたのだ。俺の力は全部貰いものであって、自分で身につけたものじゃない。確かに強くはあるけど、それは実力とは全くの別物だ。まぁだからこそ、ここ最近はカイザと模擬戦したり、訓練真面目にやったりと、いろいろ努力はしているんだがな。幸いインなんとかさんの完全記憶能力を使うことで、伸びはいいし、タマ〇ォッチ使って時間を止めることで、訓練と仕事は両立できている。
「しいてアドバイスすんなら、シンシア嬢は刀身にも魔法をかけてみたりするといいんじゃねーか?シェスカ嬢は、そうだなぁ……火と土を合わせて、風で制御すればメテオとか出来るんじゃね?」
「刀身に魔法を……。そんなこと考えもしなかった……」
「2つ合わせるのは聞くケド……3つって……。でも頑張れば……」
「まぁ、要は努力次第でまだまだ強くなれるってこった。俺なんかの弟子にならなくてもな」
「あの、ありがとうございます。もう少し自分たちでやってみようと思います」
「思います!」
そう言って妹ズは食堂を出て行った。なんか知らんがまぁ頑張れ~。
その後ユミィとのんびり朝食を済ませた後、そのままだべっているとじいや(暫定)がやってきた。
「お2人共少々よろしいですかな?王がお呼びにございます」
「お父様が?分かりましたすぐに行きます」
「なんだろうね?」
「さぁ……?」
王様用執務室に着くとノックして中に入る。
「失礼します」
「しつれーしまーす」
「おう、来たか。2人共そこに座りなさい」
言われたソファーに座るとじいや(暫定)が紅茶をくれた。王様は真剣な面持ちで言った。
「お前達には、ゼラル連邦国、フェアリーアライエンス、そして北の獣人達の集落を訪問して欲しいのだ」
いきなりすぎんだろ……。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
テンポをもっとよくしたいのに……。中々進まないorz
誤字・脱字や感想ご意見などありましたらお願いします。