第五章 必殺、ゲイ・リベレーション
「……そうだ。僕は、怖がっていた。彼の中に眠る、孤独な魂に触れることを」
ヒロミチの瞳が、潤みを帯びた真実の輝きを放つ。全身から溢れ出したのは、これまでの特訓で練り上げた究極の闘気。
「目覚めよ……僕の真実! ゲイ・リベレーション!!」
ヒロミチが放ったのは、単なる拳ではなかった。それは、抑圧された魂を解放する純粋なエネルギーの奔流。
大亀の拳を柔らかく受け流すと、ヒロミチは彼の懐に飛び込み、その逞しい胸板にそっと掌を当てた。
「君も……本当は寂しかったんだね」
眩い光が道場を包む。大亀の脳裏には、男らしくあれと強要され、誰にも甘えられなかった孤独な過去が走馬灯のように駆け巡った。
「あああああ……心が、心が洗われるようだぁーッ!!」
大亀は糸が切れた人形のように、その場に崩れ落ちた。しかしその表情は、憑き物が落ちたように穏やかだった。
決着、そして新たな絆
大亀は涙を流しながら、ヒロミチの足元に跪いた。
「負けた……。俺、こんなに優しく触れられたの、生まれて初めてだ。ヒロミチさん……あんたに一生ついていくよ!」
ヒロミチは微笑み、大亀の分厚い手を取って立たせた。
「大亀くん、これからは仲間だ。一緒に本当の強さを探そう」
それを見ていたライバルの中田は、壁にもたれながらフンと鼻を鳴らした。
(あんな巨漢まで一瞬で虜にするとは……。ヒロミチ、お前の『愛』、ますます無視できなくなってきたな)
こうして、ヒロミチの旅に最初の仲間が加わった。最強のゲイへの道は、さらに熱く、賑やかになっていく。




