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隣人だった人  作者: 砂臥 環


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5/8

先輩の語りによる本編④消えた隣人

 

 部屋に入れて貰ったし、初めて長く会話もして。ようやくちょっと打ち解けたかな~とか思ったんだけどさ。


 でもそれから。

 何故か彼の姿を見かけなくなった。


 代わりにちょっと派手な子が出入りするようになった。派手っても普通の……小学生から高校まで、クラスの上位カースト層に紛れてたような感じの子だよ。当時の彼と違って向こうから挨拶とかしてくれる。

 陽キャっちゃまあそうね、くらいの社会に出ちゃえば大したことない、普通の子。俺の印象による勝手なイメージだけど。


 彼の友達にしては意外なタイプだな~と思ったけど、交友関係なんてえてしてそんなモンだし、親族とかの可能性もある。

 引っ越しの気配とか別になかったから、旅行とか帰省とかの間、その子に貸したんだろうなって結論付けた。


 更に半月くらい経ったある夜、コインランドリーで久々に彼とバッタリ出会(でくわ)したんだ。


 デカい鞄とリュックで、家出少年みたいなナリでさ。やっぱりどっか行ってたんだなって思って、呑気に「おかえりなさ~い」って声を掛けたんだよ。したらちょっと笑って「いや、洗濯しに来ただけです」って。


 俺これまでにそういう(・・・・)友達もいたから、なんとなく察してさ。

 アレだよ。『友達面した虐めっ子にいいように使われてる』みたいな。出入りしてた子とは、多分そういう感じの関係。

 あのアパート都心から近かったし、大方地元の大学の長期休暇中の、ホテル代わりに使われてるとかなんだろうなって。


「今どこにいんの?」って聞いたら、案の定近くの漫喫でさ。あまりに理不尽じゃん。

 でも彼と俺が友人関係かって言われると微妙なトコじゃない? どこまで突っ込んでいいのか迷いながら、「追い出すなら手伝おうか? それとも一旦ウチくる?」って聞いたんだよ。


 そしたら声出して笑ってた。

 あれ? 意外と仲良いのかなって困惑して。続けて『勘違いだった?』みたいな、そんなようなこと聞いたんだけど。

 彼、更に笑いながら『全然』って否定してた。『想像通りだ』って。そんで、


「アイツ死ねばいいのにって、いつも思ってます」


 ──って。

 さっき見た彼みたいな、爽やかな笑顔で。

 多分アレ見てなければ、変わった彼に気づかなかったんじゃないかな。


 その後の詳しい問答までは覚えてないけど、『だけどなにも問題はない(・・・・・)から、絶対になにもしないでほしい』みたいなことを言われて。


 釈然としない気持ちはあったけど、いずれ地元に戻るつもりだ、とかさ。他人に余計なことされると却って困るような細かい事情もあるかもだし。

 そもそも俺には金も力もないし、隣人の同情程度じゃん? って言われりゃまあ、そう。

 精々、「寝泊まりに困ったらウチ来ていいよ」って言うくらいが妥当なんだろうな、と思って。まあ来ないだろうなと薄々感じながらも、一応そう声を掛けた。


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― 新着の感想 ―
おっ、これは……! さて友人ヅラしたいじめっ子はどうなるのか!? わくわくします!
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