19 選ばれなかった者後編
「……葵……?」
あまりにも静かすぎた。あまりにも一瞬だった。
叫び声が途切れてから、教室の中にはまるで音が消え失せたかのような、肌を粟立たせる沈黙が広がった。その静寂は、耳の奥で微かな血潮の音さえ聞こえるほどに濃密で、生きていること自体が罪であるかのような錯覚を覚えた。
「……うそ……でしょ……?」
白石優香が、掠れた、喉の奥から絞り出すような声を漏らした。その声は、恐怖に凍りつき、すでに肉体から遊離しかけている魂の断末魔のようだった。
彼女はゆっくりと、膝の震えを必死に抑えつけながら、立ち上がった。まるで死体が操られているかのように、ぎこちない動きで。
歩き出した。その足取りは、地面に根を張ろうとしながらも引き剥がされるかのように震え、教室の扉へと向かう。一歩ごとに、心臓が肋骨を打ち破らんばかりに脈動した。
「見てくる……私、……行かなきゃ、見てこなきゃ」
優香の言葉は、正気を保つための最後の足掻きだった。視線の先は虚空を捉え、その瞳にはすでに現実の光は宿っていなかった。
「やめなよ、優香。戻ってこないよ、もう……誰も」
緑川紗良の呟きは、絶望に満ちた死刑宣告のようだった。その声には、すでに諦めと、自分たちもまた同じ末路を辿るであろうという確信が滲んでいた。しかし優香は振り向かなかった。彼女の耳には、紗良の声など届いていないようだった。
彼女は、恐怖に押し潰される寸前の自我を、“行動”という名の病的な強迫観念で無理やり支えていたのだ。それは、もはや理性的な判断ではなく、本能的な、あるいは狂気に近い衝動だった。
震える指先が、教室の古びた引き戸に触れる。ギイ……。錆びた蝶番が軋む、薄気味悪い音が静寂を裂いた。その音は、まるで地下深くから響く拷問器具の音のようだった。
扉の隙間から覗く廊下の向こうには、なにもいなかった。ただ、埃に塗れた古い電球が一つ、ぶら下がって不吉な明滅を繰り返している。その光は、血を凝固させるような冷たい色をしていた。
風の気配もない。音もない。だが、それが異常だった。あまりにも不自然な静寂は、この空間がすでに常識の範疇を超えた場所であることを雄弁に物語っていた。
「……葵……?」
優香は、重い足を引きずるように扉の敷居をまたいだ。
一歩、また一歩。廊下を左へ、まるで透明な血溜まりを踏みしめるかのように、音を立てないように歩き出す。廊下の空気は鉛のように重く、優香の肺を圧迫した。
そして、廊下の先、ほんのりと、不気味なほど僅かに開いた理科室の扉が、優香の視界の端に滑り込んできた。その隙間から、漆黒の闇が深淵のように口を開けている。
「……いるの……?」
優香の脳裏に、かつての葵の笑顔が蘇り、すぐに血塗られた幻影に置き換わった。
扉の隙間に、何かが、粘液のように蠢いた気がした。それは、視覚ではなく、皮膚の裏側で感じるような、嫌悪感を伴う「気配」だった。
「……っ……!」
彼女は一瞬、全身の血液が逆流するような強烈な躊躇に襲われたが、歯を食いしばり、呼吸を荒くしながら、半ば無理やり扉を押し開ける。
中は、まさに深淵だった。窓は分厚い板で何重にも打ち付けられ、外の光は一切差し込まない。唯一の蛍光灯は完全に破壊され、その残骸が床に散らばっていた。奥の方から、不規則な、しかし確かな水音が響いている。
ぽた……ぽた……。それはただの水滴ではない。粘つき、重く、地面に落ちるたびに微かな粘液質の音を立てる。まるで、血と内臓の混じった液体が滴り落ちるような、悍ましい響きだった。その音は、優香の鼓膜を直接叩き、脳髄を掻き乱した。
「……あ……あ……葵?」
暗闇の奥、微かな光の届かない場所に、見覚えのある制服の裾が、幽霊のように浮かび上がっていた。その色褪せた紺色は、しかし、どこか異様な輝きを放っているように見えた。
白石優香は、全身を恐怖が支配し、内側から震えが止まらない。それでも、半歩、また半歩と、死神に手招かれるように近づいていく。彼女の脳裏には、葵を助けなければという狂信的な使命感だけが残っていた。
そして……それは、葵ではなかった。
ボトッ。
次の瞬間、天井から粘液まみれの“何か”が、優香の背中に不快な音を立てて叩きつけられた。それは柔らかく、しかし異様に粘り気があり、ぬるぬるとした感触が、服の上からでも全身に絡みついてくる。冷たい粘液が皮膚に触れるたび、鳥肌が総毛立った。
「なに!? なにこれ!? 離して、やだ!! やだやだやだやだッ!!!」
優香は叫びながら、背中の“それ”を振り払おうともがいたが、粘液質の触手は彼女の肉体にまるで第二の皮膚のように吸い付いて離れない。
その直後、理科室の床が一斉にざわめいた。床板の隙間、実験台の影、薬品棚の奥から、無数の異形の影がヌルヌルと這い出し、そこにいた“それ”が、醜悪な音を立てて起き上がる。
それは、何本もの腕を持っていた。だが、その腕は人間のものではなかった。どれも、手首から先が無数に分岐し、まるで昆虫の肢のように蠢いている。その先端には、鋭利な歯がびっしりと生え揃っていた。腕であり、牙であり、触手であり、ただの肉の塊であり、それは、見る者の脳が理解を拒む、この世のものではない存在だった。その蠢きは、人間の恐怖心を直接刺激する、生きた悪夢そのものだった。
「いやっ、こないで、やだあああああっ!!」
優香は足をもつれさせながら、必死に後ずさる。しかし、すでに遅かった。“それ”は、まるで空間を歪めるかのように一瞬で距離を詰め、彼女の右足首を、粘液に濡れた無数の指で掴み取った。
鋭い歯の生えた指が、彼女の薄い皮膚を、肉を、骨を、容赦なく噛みちぎりながら、骨に沿ってゆっくりと肉を剥ぎ取っていく。生々しい肉の断裂音が、理科室の静寂を切り裂く。
絶叫が、血反吐を吐くかのように理科室に響き渡る。優香の右足は、あっという間に肉塊へと変貌していった。
次の瞬間、別の触手が伸びてきて、ねじれ狂った指が優香の足の指を鷲掴みにし、爪が骨に突き立ち、関節ごとブチリと音を立てて切断される。その激痛に、優香の目は完全に裏返った。もう片方の足は、膝から不自然な角度に逆折りにされ、白く尖った骨が肉を突き破り、無惨に飛び出した。腕を伸ばして助けを求めようとした瞬間、何かが肩に鈍い音を立てて打ち込まれ、優香の左腕が、まるで紙切れのように根元からもぎ取られ、床に転がった。血潮が噴水のように噴き出し、熱い液体が優香の顔と視界を覆った。
「た、すけ――!」
最後の叫びは、喉に無数の触手が突き刺さり、ドロリとした破裂音とともに潰された。声帯が千切れ、食道が引き裂かれる音が、優香の意識の薄れていく耳に届く。
白石優香は、何の抵抗もできぬまま、音もなく“解体された”。その肉体は、見る間に無数の触手に貪られ、原型を留めない血肉の山と化した。
床に残されたのは、もはや人間の形をなさない、ただの赤い肉塊。その中心には、まだ微かに震える心臓があったかもしれない。
名前を呼ばれることも、助けられることもなく、ただ、異形の貪欲な飢えによって還元された、肉の塊として存在した。
ドサッ、と何かが、崩れ落ちるような、壊れた音がした。それは、残された希望の最後の破片が砕け散る音だったのかもしれない。
「……優香……?」
教室の中に、もうその名を呼ぶ声はなかった。その問いかけは、空虚な空間に吸い込まれ、二度と返ってくることはない。
白石優香の絶叫が消えてから、数十秒……それは、永遠にも似た、鉛のような静寂だった。その静寂は、残された者たちの心を蝕む、最も恐ろしい音だった。
緑川紗良は、机の影に身を隠し、うずくまっていた。腕を強く抱え、歯を食いしばり、喉の奥で声を殺して震えていた。その体は、まるで激しい発作に襲われたかのように痙攣していた。
恐怖のあまり、涙腺は完全に干上がり、涙の一滴すら出なかった。ただ、頭の中で何度も何度も、同じ言葉を、呪文のように繰り返していた。
……なんで。……なんで私がここにいるの。……どうして。……私、何もしてないのに。
その言葉は、自分への言い訳であり、逃避であり、そして、絶望的な現実への抵抗だった。
でも。
心のどこかで、紗良は知っていた。その真実が、鋭い刃のように胸を刺した。
あのとき、自分たちが生贄を差し出したとき、誰一人として、この非道な行いを“止めよう”とはしなかったことを。
クラスで選ばれた者たちが、怯え、泣き叫びながら異界へと無理やり送られていくのを、
自分もまた、机の下に隠れて、見て見ぬふりをしていたということを。
それが、いま、“かえってきただけ”なのだ。因果応報。この世の理が、醜悪な形で具現化したのだ。
「……いや……やだ……やだよ……っ」
ぽたぽたと、規則正しく落ちる水音。……いや、これは水ではない。それは粘性のある、生温かい液体。血だ。まだ温かく、濃厚な鉄の匂いが、鼻腔を刺激し、吐き気を催させた。その血は、理科室で散らされたばかりの、新鮮なものだった。
紗良は、恐る恐る顔を上げた。机の下、床板の微かな隙間から、何かがこちらを覗いている。
それは、目だった。
大きく、濁り、血走った白い部分に、無数の瞳孔が渦巻いていた。それはまるで、宇宙の法則が歪んだかのような、冒涜的な光景だった。
一つの目ではない。何十もの、何百もの“目だけの生物”が、床下にうごめいていたのだ。それらの瞳孔は、紗良の動きに合わせて、まるで捕食者のように蠢き、その視線が全身を針で刺すように貫いた。
「いやあああああああああああッ!!!」
紗良は反射的に、全身の毛穴から血を噴き出すかのような悲鳴を上げ、立ち上がった。理性を失った獣のように、唯一の活路であるドアへ駆け出した。
その瞬間、足元の床が、まるで生き物のように、脈動しながら変形した。
古びた木材がグニャリと波打ち、うねりながら隆起し、やがて、見るも悍ましい“舌”のような形状に変わる。その舌は、表面に無数の吸盤と、粘液質の光沢を帯びていた。
「やめてっ!! たすけてっ!! 誰か……誰かあああ!!」
紗良の必死の叫びは、しかし、誰にも届かない。うねる床は、彼女の脚を包み込み、まるで獲物を締め上げる大蛇のように、容赦なく膝ごと逆方向に捻じり上げた。
骨と肉が軋む、嫌な音が響き渡る。その激痛に、紗良は自分の舌を噛み切りそうになった。口の中に広がる血の味が、さらに恐怖を煽る。
「ひぎぃっっっっっっっ!!!!!!」
痛みと恐怖に支配された、人間とは思えないような絶叫が、教室に響き渡った。
机の下から、床板の隙間から、壁のひび割れから、無数の“目玉の群れ”が、まるでカエルの卵が孵化するように、次々と這い出してきた。それらは、粘液質の膜をまとい、紗良の全身に、飢えたヒルが獲物に吸い付くように張りついていく。
肌に吸い付き、皮膚を焼くように溶かしながら、赤黒い血管に沿って内部へと侵入してくる。体中の血液が沸騰するような感覚が紗良を襲った。
目が、彼女の腕の中を、足の中を、まるで体内で蠢く寄生虫のように移動していくのが、皮膚の上からでも“見える”。その嫌悪感は、痛みよりも遥かに強烈だった。
そして次の瞬間……紗良の腹部が、まるで風船のように内側から膨れ上がり、ぶちぶちと不快な音を立てて破裂した。飛び散る血と肉片。
熱い腸が、粘液まみれの目玉の群れとともに、おぞましいほど大量にはみ出し、そこから、さらに無数の目玉が次々と這い出していく。それは、紗良の肉体が、目玉の卵の塊と化していたかのようだった。
喉を詰まらせる悲鳴とともに、緑川紗良の体は痙攣したまま硬直し、地面に力なく崩れ落ちた。その顔は白目を剥き、完全に正気を失っていた。
その顔に、一つの目玉がゆっくりと這い上がり、紗良の瞳孔と瞳孔が重なったその瞬間、緑川紗良の意識は、無音のまま、永遠の闇へと消え失せた。
静かだった。あまりにも、静かだった。その静寂は、死の世界の平穏を思わせた。
赤坂美月。黒坂葵。白石優香。緑川紗良。
桜庭麗華の「庭」を取り囲み、彼女に媚びへつらっていた侍女たちは、皆が異形の貪欲な餌となり、その肉体を散らした。
女王の玉座は、とうに崩れ、その残骸が床に散乱していた。
それでも桜庭麗華は、最後の一人として、ただ一点を、まるで呪われたように見つめていた。
異界の教室の中央、中嶋凛が座っていた、あの席。
そこには誰もいない。ただ、悍ましい何かが残っていた。
床に深く染み付いた、黒い染み。それは血か、あるいは何か別の、よりおぞましい体液か。そして、まるで執念で刻まれたような、深く鋭い掻き傷。
それはまるで、「ここに座っていた者は、この地獄を生き残った」と、嘲笑うかのように、麗華の目に焼き付いた。
麗華は、唇を噛んだ。その奥歯が、ギリギリと音を立てる。
「……なんなのよ、これ……」
かすれた声が、がらんどうになった教室に、虚しく落ちた。その声には、恐怖と、理解不能な現実への混乱が入り混じっていた。
「私たちが……何をしたっていうの……? 私たちは……選ばれなかっただけ……あいつらが……勝手に……!」
必死の言い訳が、吐き出すかのように口をついて出た。それは、自分自身の罪から目を背け、責任を転嫁するための、醜い言葉だった。
しかし、麗華自身も、その言葉を微塵も信じていなかった。その嘘は、あまりにも薄っぺらかった。
彼女は知っている。
自分が“選ばせた”側だったことを。クラスメイトを生贄として差し出した、醜い優越感と支配欲を。
自分が、誰かの生と死の選択権を、傲慢に握っていたことを。
自分の指先ひとつで、何人もの無力なクラスメイトが、恐怖に震えながら異界へ“送られていった”ことを。
その罪の意識が、いま、麗華の全身を内側から蝕み始めた。
「……っ」
手のひらが、止まることなく震える。その震えは、もはや恐怖だけではない。内側から湧き上がる、抑えきれない嫌悪感と、自責の念、そして、来るべき破滅への予感だった。
ドク……ドク……と、どこかで水が沸き立つような、あるいは巨大な心臓が脈打つような、不気味な音が聞こえてきた。その音は、麗華の足元から響いているようだった。
視線を向けると、教室の床、自分が立つその真下から、黒い脈動が泡のように不気味に膨れ上がっていた。それはまるで、地底深くから湧き出す汚泥のようだった。
「なに、これ……? やめて……来ないで……!!」
麗華が後ずさる。しかし、彼女の視界に映ったのは、絶望的な光景だった。
教室の壁が、扉が、窓が、すべて“無くなっていた”。そこには、ただ漆黒の闇が広がるばかりで、もはや逃げ道は存在しなかった。
彼女の逃げ場は、最初からなかったのだ。この異界に足を踏み入れた瞬間から、彼女の運命はすでに定められていた。
その時、教室の隅、生徒用ロッカーの影から、ゆっくりと、ひとりの少女が現れた。
その制服はボロボロに引き裂かれ、血と泥に塗れている。髪は絡まり、血に凝固して異様な塊と化していた。左腕は肩からちぎれていて、ただ皮一枚でぶらぶらと、死者のように揺れていた。
その顔は……。
「……木下……遥……!?」
麗華の記憶が、激しい痛みを伴って蘇る。それは、第一夜に送られ、自らが選んで死なせたはずの少女。桜庭麗華が“選んだ”最初の犠牲者だった。遥の顔は、生気のない土気色で、その瞳は、怨念に満ちた空虚な光を宿していた。
その遥が、うつろな瞳で麗華をじっと見つめていた。その視線は、麗華の魂の奥底まで突き刺さるようだった。
「……おかえり、麗華さん」
遥の唇が、ゆっくりと、しかしどこか嘲笑っているかのように歪み、不気味に動いた。その声は、深淵の底から響く、凍りつくような響きだった。
「ずっと、待ってたよ……」
その言葉と同時に、床から伸びた黒い“腕”が、麗華の足首を、骨が砕けるかのような力で掴んだ。それは、遥の腕ではない。床そのものが変形し、触手と化したのだ。
「や、やだ……っ、助けて、誰か……っ、助けて!!」
麗華の叫び声は、もはや悲鳴とも呼べない、情けない、獣のような咆哮だった。誰もいない、そしてすでに誰も存在しない教室に、その叫び声が虚しくこだました。
彼女の足が、膝まで黒い泥のような液体にズルズルと沈んでいく。それは、地獄の沼のように麗華を飲み込んでいく。
黒い腕が無数に、際限なく現れ、麗華の胴を、腕を、喉を、髪を、顔を、“彼女のすべて”を、まるで肉塊を解体するかのように掴み、引き裂こうとする。その力は、人間が抗えるものではなかった。
「いやっ、やだやだやだやだやだッ!! 私は桜庭麗華よ!? 誰だと思って――」
その瞬間、麗華の醜い傲慢が混じった絶叫は、唐突に、そして暴力的に掻き消された。
ぶちり、と。音を立てて麗華の顔が、内側から押し潰されたかのように潰れた。
一本の、異様に巨大な黒い掌が、彼女の頭を鷲掴みにし、まるで熟れた果実を絞るかのように、ぐちゃりと握りつぶしたのだ。頭蓋骨が砕け散り、脳漿と血が飛び散る。
目も、口も、声も、記憶も、この世界で“誰よりも選んだ者”であった桜庭麗華は、何の痕跡も残さずに、異界の闇へと完全に飲み込まれていった。彼女の存在は、まるで最初からなかったかのように消え失せた。
こうして、“選ばれなかった者たち”の報いは終わった。そして、その後に続いた“選んだ者たち”もまた、全員が、想像を絶する形で死んだ。
誰も彼らを見ていなかった。この異界の教室で繰り広げられた悍ましい光景は、誰の記録にも残されない。
誰も彼女らの名前を記録しなかった。彼女たちの存在は、闇の中に溶け込み、忘れ去られるだろう。
だが、異界は確かに、帳尻を合わせた。傲慢な選別と、それに伴う罪の清算。
選んだ者も、選ばれた者も。
皆が、等しく、無残な終わりを迎える。
そう、“中嶋凛”この地獄を唯一生き残った彼女が、冷たい声で、しかし確信に満ちて言っていた。
「これで、終わりじゃない」
ここまで読んで頂きありがとうございます。
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