7.まだ好きでいたい…!
放課後、森田さんはわざわざ部活を休んでまで来てくれた。
私は深呼吸した後「昨日、翔君に告白して振られました」と言うと森田さんは「えっ!?」と驚いている。
私は「当たり前じゃん」と言うと森田さんは「だって今日めっちゃいつも通りに接していたじゃん」と言われて「それは…翔君が優しいからだよ」と言うと森田さんは「あいつの事、優しいと思えるのは月原さんが春日の事まだ好きだからだろ?」と言い「なぁ諦めなよ」と私に森田さんが手を差し伸べる。
私がその手を取らないでいると森田さんは「そっか」と言い
「月原さんはまだ諦めないのかよ」と言い、いきなり「今年の夏祭りは俺と行かないか?」と言ってきた。
私は一瞬なんて言われたのか分からなかったいきなりすぎて理解できなかった。
だって夏祭りなんて三か月後くらいだよ?
普通驚くじゃん!
三ヵ月も先の話をされるなんて。
…その時私はやっと森田さんの言っている事を理解し慌てすぎてその場を走って家を飛び出てしまった。
自分の家に他人をほったらかして行くなんてありえない事だよね…。
でも足は自然と湊の家に向かい入って行った。
「湊、入るよ」と言うと湊は「どうぞ」とぶっきらぼうな返事が返って来た。
湊が「お前から家に来るなんて珍しいな」と言われさっきあった事を話すと湊は「お前な!自分の部屋に友達置き去りにするとか何やってんだよ」と怒鳴られた。
確かにそうだよねと思い「ごめんなさい!」と言い走って自分の家に帰ると森田さんが「俺めっちゃ焦ったんだぞ?」と言われ申し訳なくなってめちゃくちゃ慌てながらも「ごめんなさい」と言うと「俺の方こそいきなりごめんな」と森田さんは言ってくれた。
私はよく考えながら「森田さん、さっきの事だけどいいよ」と言うと森田さんは「まじで⁉夏祭り一緒に行ってくれんの?」
とても嬉しそうだった。
そんなになんで喜んでいるのか分からなかったけれど森田さんの笑顔があまりにも綺麗でそんな事どうでもいいやって思えた 。
森田さんが笑ってくれる事が私の暗く沈んでいた心に明るさを取り戻させてくれた。
本当に不思議だけど森田さんの笑顔はそれくらいに素敵だったの。
だからきっと森田さんと行く夏祭りはとても素敵なのだろうなと思えた。
森田さんは急に笑うのを止めて真剣な顔で「あのさ、月原さんやっぱり春日の事は諦めなよ」とまた手を差し伸べてきた。
私は一瞬悩みでも自分の意思を強く持ち「森田さんごめんね。私は…翔君の事まだ好きで居たいの…!」
涼花は本当に翔の事が好きなのか?
っていうか朝陽と夏祭りって!
次の次の話が夏祭りになるっす。