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6.あきらめたいのに…

私は走って家に帰った。

家に帰ると湊が玄関で待ってくれていた。

私は湊を見た瞬間… 靴を脱ぐなり湊に飛びついて泣いていた。

声をあげて泣いていた。

これでもう諦められるってずっと思っていたのに…やっぱり好きをやめられないよ…!好きだよ、大好きだよ…。

でも、もうダメだよね。

諦めなきゃいけないよね。

自分の為にも。

私は「お母さんは?」と聞くと湊は「今日も残業」と。

そっか、よかった。

お母さんにはこんな姿みせたくなかったから。

翔君の優しい振り方を思い出すとまた涙が溢れる。

わかっていた。

振られることなんてずっとわかっていたはずなのになんでこんなにも悲しいのかな。

心の底の翔君への想いが消えない。

恋愛って上手くいかない。

でも…好きになったのが翔君でよかったって思う。

翔君ならきっと周りに言いふらさないだろう。

諦めたいのにどうして私…まだ翔君の事が好きでいてしまうのかな。

どうせならハッキリと強く振ってほしかったな。

なんてわがままだよね。

溢れる涙を無言だけれど優しく包み込んでくれる湊は本当に私の大事な友達。

大好きな友達。

私は気づくと「諦めたいのに」と呟くと湊はボソッと「ゆっくりでいいから」と言った。

そして、二人で夜ご飯を食べている間に私はなんとか泣き止みそこにお母さんが帰って来た。

芽生えた想いは咲かないまま終わったけれどいつかきっとまた誰かを好きになれるはずなの。

その日まで引きずってしまうのは仕方ない事だと受け入れようと心の中で決めたのだった。

今は諦められなくても少しずつ、湊が言った様にゆっくりでいいから諦めよう。

心の底からの翔君への想いが消えないのは仕方がない事なのだから。

そして夜になり自分の部屋に入るとスマホを開き、翔君のLINEを開くスマホに涙が零れない様に必死に文字を打つ…『これからも友達でいようね』と送る。

そしてスマホを閉じる。

ベッドに入り寝ようとしていた時だった。

電話がなった。

森田さんだった。

「月原さん、春日と今どんな感じ?」と聞いてきた。

私が泣きだすと「ごめん。俺月原さんを笑わせたいのに泣かせてばっかだな」と悲しそうに森田さんは言う。

だから私が必死で涙をこらえて「平気だよ!森田さんが謝る必要なんてないくらい元気だから!」と言うと「無理すんなって俺前も言ったやろ」と強い口調で言われた。

思わず「えっ?」と言うと森田さんは「別に月原さんを責めている訳じゃないし」と言い「ただ…俺はそのどんな月原さんでも…やっぱりなんでもない」と言い電話が切れる。

あまりにもいきなりで頭の中から森田さんが離れない。

その時、私は森田さんにまだ翔君に振られた事を言っていなかった事に気がつき、さっき言えばよかったかなと思った。

まぁ明日でも大丈夫だよね。

ベッドに寝ころび眠りについた。

-涼花…好きだ-

目が覚める。

なんか夜、聞こえた様な気がすると思いリビングに行くと湊がいた。

「湊おはよー」と言うと湊は「涼花おはよ」と言い「昨日の夜お前なんかあった?」と聞かれ「なんか夜、言われた気がするんだけど思い出せない」と言うと湊は何故かほっとした様な顔になり「そっかならよかった」と言い「じゃあまたな」と言い自分の家に帰って行った。

湊どうしたんだろ?

いつもなら一緒に朝ご飯食べて学校に行くのに…。

もしかして私の事、嫌になっちゃったとか?

泣いてばっかでめんどくさい奴だと思われちゃったのかな。

だとしたら私のヒーローって結局誰だったのかな。

悲しい気持ちのまま学校に行くと翔君が「涼花おはよー」といつもの様に接してきた。

私も笑顔で「翔君おはよ」と言うと森田さんがやって来て「お前ら今どういう関係なん?」と聞かれ「今日の放課後教えてあげるから」と言うと森田さんはどこで?と聞いてくる。

一瞬悩み人がいない方がいいし「私の家とか?」と言うと森田さんは驚いた様な表情をしている。

横で聞いていた翔君も何故かぽかんとしている 。

朝陽が驚くのは無理もないよ。

翔は振ったのになんでぽかんとしているんだろうな?

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