2.恋ってなぁに?
恋が何か俺はまだイマイチわからないけれどこれから俺も分かる日が来るのかな。
あなたは恋した事ある?
放課後になりLINE交換をしていると翔君が「涼花は森田君と仲いいん?」と 聞いてきた。
えっ?と思っていると翔君は「休み時間話していたから」と言われた。
私は慌てて 「一年生の時評議委員で一緒だったの。だからちょっと仲いいんだ」と言った。
すると翔君は 「そうなんや」と言った後「涼花は今年は評議委員しなん?」ちょっと迷いながらも 私は「一年生の時はしたい人がいなかったから123学期ともしたけど。でも今年は… 中野さんがやりたいって立候補していたからやらなかったんだ」と言った。
「男子の評議委員は誰なん?」と聞いてきた。
私はなんでそんな事聞いてくるのか考えながら
「最初森田さんが立候補していたんだけど中野さんが立候補して決まった瞬間」と言い少し 間を開けてから
「辞退したから、日向 湊になったよ」と言った後
「湊はわたしの幼馴染なんだ」と言うと翔君は少し遠くを見つめながら、
「そうなんや」と言った。
私はその横顔を見た時にあまりにもカッコ良くて心臓が止まるかと思っていた。
桃色の夕焼けが胸にしみた時この気持ちは好きなのだと実感した。
ずっとこんな時間が続けばいいのにと思ってしまう。
手を伸ばせば触れられる距離…でもその後ちょっとが 不安で届かない。
その時だった「月原さん何やってんだよ」と森田さんが居たのだった。
私はびっくりして「えっ?え⁉」となっていると翔君が
「僕がLINE交換放課後にしようって言ってやっていたんや」と言う。
すると森田さんが急にへらへらしながら「そっか」と上を向き ながら言い「じゃあまた明日月原さん」と言って公園を出て行った。
私が『?』と思っていると翔君が「森田君の事は気にしなくていいで」と言った。
私は困惑しながら「そうなのかな」と言うと翔君は「そうやで」と言った。でも私にはとても大丈夫な気がしない。
だって上を 向いていた。
森田さんが上を向く時はだいたい涙を堪えている時だって私、知っている。私もそうだから。
それに、私やっと気が付いた森田さんがいつもへらへら笑っている理由。
きっと森田さんは強がりで悲しい気持ちを笑って誤魔化しているのだ。
私もよく笑って誤魔化して しまう。
森田さん、でも…なんで悲しい気持ちなのかな?
原因が分かれば助けたいのに。
私が悩んでいると翔君が「涼花は森田君が好きなん?」と聞かれた。
私は一瞬何を言われた のか分からなかった。
慌てて「好きじゃないよ」と言うと翔君は「じゃあなんで森田君の事で 悩んでいるん?」と言われた。
確かにそうかもしれない。
でも…私は- そこで考えが途切れる。
だってもう六時前だったからもうすぐ門限だ!私は慌てて
「門限六時だからもう帰るね」と言って帰ろうとしていると翔君が
「あのさ-」と何か 言おうとしているけど「じゃあまた明日」と言って私は公園を飛び出した。
後一分で六時だ。
間に合わないのは分かっているけれど必死に走っていると前から「涼花」と湊が居た。
「なに?」と言うと「門限に間に合わないなんて珍しいな」と言われた。
私が落ち込んでいると「だから俺がわざわざ迎えに来てやったんだよ」と湊は言った。
私は思わずムッとしていると「間に合わなかったお前が悪いんだろ」と言われる。
確かにそれは事実だけどもっと優しくしてくれたっていいじゃない。
「お前さ、何していたんだよ」と聞かれる。
「翔君とLINE交換していた」と言うと湊は 「あっそ」と言った。
湊はなんでいつもそんなに冷たいの?と心の中で呟いていると。
湊が「お前さほんと気を付けろよ」と言った。
何に気を付けるのか分からなくて『?』と 思っていると湊は「もう着いたぞ」と言って私の家のドアを開けて「涼花さん連れて帰って きました」と言った。
するとお母さんが出てきて。
「湊君ありがとうね。晩ご飯今日もぜひ 食べて行ってね」と言った。
だから今日も湊と晩ご飯一緒に食べるという事だ。
そして配膳をしてお母さんと私と湊で「いただきます」と言って食べ始めた。
少しの沈黙の後お母さんが「そういえばゴールデンウィーク涼花はどっか行きたい所ある?」と聞かれた。
私が悩んで いると湊が「涼花が行きたそうな所、俺が紹介してやるよ」と言い「青森県の奥入瀬渓流とか どうだ?」と言われてどんな場所なのかなと思っていると画像を見せられた。
確かに人気も 無さそうだし「うん!行きたい」と言うとお母さんが「青森なら旅館とかにも泊まりたいわね」と言い「そうだわ!せっかく紹介してくれたんだし湊君も一緒に行かない?」言った。
すると湊は「行って良いんですか!」と言った。
湊って私と居る時あまり笑わないしこんなに 明るい声じゃないのになんでお母さんが居る時はこんなにも明るいのかな。
湊が「涼花?どうかしたのか?」と言われて「別になんでもないよ」と言うと 「無理すんなよ」と言われた。
湊って不思議いつも冷たいのに急に優しくなる。
私はつい 「あのさ、恋ってなんなんだろう?」と言うと湊が急にゴホゴホとむせていた。
お母さんは「そうね~特定の異性に会いたいとか独り占めしたいとか思う事かしら」と言った。
すると 湊は「涼花、恋しているのか?」と聞いてきた。
私は慌てて「恋の定義が知りたかっただけ」と言うと「怪しいな」言われた。
そして湊は「まぁ涼花が誰を好きになったって俺には関係 ないからなとにかく騙されるなよ」と言った。
やけに早口だったな。と思っていると湊は 「ごちそさまでした」と言って「じゃまた明日」と言い「お邪魔しました」と言って帰って 行った。
湊が帰ると私はスマホを開く。
すると翔君からメッセージが着ていた。
見ると 『映画土曜日に観に行こうな』と書いてあった。
嬉しい気持ちで『うん!楽しみだね』と 送った。
お風呂に入って出るともう八時だった。
急いで髪を乾かして自分の部屋に入ると勉強を始める。
その時電話が鳴ってスマホを見ると森田さんだった。
急いで出ると「もしもし」と 森田さんの声が聞こえた。
「どうかしたの?」と私が言うと森田さんは「ちょっと聞きたい事があってさ」と言い「月原さん。春日の事、好きなん?」と言った。
一瞬、何を聞かれたのか 分からなかった。
でも、分かった瞬間何故か悲しい気持ちになった。
私は迷いながらも森田さんに嘘は吐きたくないと思ったから正確な言葉を探しながら「確かに好きだよ。でも…今はまだ恋愛的な意味かどうかは分からないんだ」と言った。
森田さんは「やっぱり好きなんだ」と 呟いた。
なんでそんな悲しそうな声で森田さんは呟くの?私に好意があるの?そんな訳ないと 思うけど森田さんの一つ一つの行動がそんな気持ちにさせる。
ほんと私ってバカだね。
森田さんはきっと今日悲しい事があってまだそれで泣きそうな声なのだと言い聞かせる。
私はこんなこと言っても森田さんに分かって貰えないって分かっていても勝手にこんな言葉が出てきた。
「だから今はまだ、恋とは関係ないから」と言った。
やっぱり森田さんは 「そんなこと言ってほんとは恋しているんだろ」と言われた。
分かっていたけれど何故か 胸がズキッと痛んだ。
私は「じゃあ恋ってなぁに?」と考えるよりも先に聞いていた。
すると森田さんは「そんなの…その人を見ていると胸が苦しいとかその人を守りたいとか 全部分け合いたいみたいな気持ちじゃね?」と言った。
私は「そうなんだ」と呟いた。
その後「教えてくれてありがとう」と言うと森田さんは「月原さんいつでも俺に相談して」と言って「じゃあおやすみ」と言って電話が切れた。
モヤモヤした気持ちのまま勉強の続きをやる。
一つ一つの言葉が頭から離れない。
『そんなこと言ってほんとは恋しているんだろ』あの言葉が胸にキリキリと痛む。
それにどうして私、森田さんにいつも『好きってなぁに?』とか 『恋ってなぁに?』って聞いてしまうのかな。
森田さんはそのどちらにも『守りたい』という 言葉が入っていた。
森田さんは誰を守りたいのかな。
何故かそんな事を考えてしまう。
恋って結局なんだったんだろう?
あなたの想う恋についてぜひ教えてほしいっす!
森田朝陽の守りたい人とは誰なのでしょうか?
これからわかっていくけど
次回は翔との映画がメインになると思うっす。