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8.太陽みたいなのに今にも消えそうな人

森田君の家を探しながら知らない事を思い知る。


だが電話すればいいと気付く。


そしてポケットからスマホを出すスマホカバーを開けてロックを解除する。


そして彼のLINEを開いて電話をかけると5コール目にでてきた。


「あっ!春日」と明るい森田君の声が聞こえる。少し悩んだ。


「ちょっと月空公園で話さへん?」と聞くと「オッケー今行く」と言っていた。


森田君はいつも来てくれるんやなと思った。この前あんな事言ったのに。


僕は驚きながら月空公園に行った。


細長い道を走って行くと公園に着いた。


森田君が一人切なそうにどこか遠くを見ながらブランコをこいでいた。


話しかけづらくて僕はただ見ていた。


やっぱり彼は今にも消えそうな気がする。


誰よりも分かりやすいようで誰にもわからないような感じがする。


彼はきっと演じているのだろう。明るくてダメな奴を。


本当の彼を隠しているんや。それは僕も一緒やけど。


僕は気さくで優しい人を演じている。それは嫌われないためや。


でも…彼は明るくて自分勝手なダメな人を演じている。


それは何故なんやろ。僕には全然分からへんねん。


彼が僕に気づき「うわっ!」と言い「居るなら言ってくれよ」と言った。


本気で焦っているようにみえたんや。


僕は「今来た所やから」と嘘を吐いた。


だってそうしなかったら彼が消えてしまいそうやったから。


森田君は「春日!本当にごめん!」と言った。


僕は驚いて固まってしまった。


だって謝るべきなのは…謝るのは僕の方やのに。僕は冷静になろうとした。


「なんで森田君が謝るんや?」と言い「僕が全部悪かった。ごめん」と言った。


森田君は「えっ?」と言い「春日怒っていたんじゃないん?」と言っている。


僕はきっと森田君を怖がらせてしまっていたんやなと思い知った。


「今はもう涼花の事、好きやないから」と言った。彼はびっくりして固まった。


「森田君八つ当たりして本当にごめん」と言う。


森田君はまだ固まったままだ。


しばらくした後、彼は「春日、ありがとう!」と太陽のような笑顔で言った。


だけどその裏は陰っているように僕には感じた。やっぱり彼はミステリアスやな。


僕は「森田君、涼花の事、頼んだで」と言う。彼は目を丸くし、深く頷いた。


僕はふっと微笑む。もうすぐ湊に会える。後…一時間後。待ち遠しいなー。


森田君は「春日ってもしかして新しく好きな人できたん?」と聞いてきた。


僕は首をかしげて「まだやけど」と言う。すると森田君は笑った。


「またいつか会おうぜ」と言っていなくなった。


相変わらず気取っているな。


そう思いつつ僕は湖の近くのベンチに腰掛けて湊を待つ。


恋から覚めると人はこんなにも落ち着くんやなーと思った。



朝陽にはどんなことが隠されているんだろう?

三巻には結構、詳しく書くつもりです。

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