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異世界なら人体錬成も合法ですよね?  作者: 漢字かけぬ
人体錬成編 伯爵の学園生活
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人体錬成編完結 報い



 「なんか、もういいや。ここから飛び降りたら楽になりそうで」



 窓から飛び降りたけれど伯爵の魔法で見えないロープが出現。

 ・・・首が!!!!くるぢいいいいいいいいいい


 「おっと失敗しましたね。でもこれでお望み通りの結果に「くるぢい!

 たすけっ!!!たす!!!!」


 「わがままですね、帆帝さんって」


 「はぁっ!!!!はぁ!!!」



 首にロープが挟まって死ぬかと思いました。



 「親のレールに沿った人生もよいものです。

 けれど私ならそれよりもっといい世界を提示しますよ?」


 「運命はこんなにも簡単に壊れてしまう物なの?」


 「学生会の役職と同じで所詮は与えられたものにすぎません」


 「ならワタクシが伯爵と共に歩んでも裏切られるということですね」


 「・・・・意外と頭回るんですね、感心しました。

 逆に帆帝さんから見限っても構いません。

 その時は私のチカラ不足と認識します」



 何か背筋がぞぞっとします。

 人体錬成の技術を使って上位種を創れるのならば

 ワタクシはいらないはず。

 現に両親はワタクシを捨てた。

 真意が見えない。

 ・・・・・・もしワタクシが人体錬成をして伯爵を創るのならば

 小言を言わないように改良して・・・・・小言・・・・・


 少しいいことを思いつきました。

 彼女ならこの場面で笑うでしょうね。”きひひひひ”と。




 「ともかく私以外に居場所なんてありませんから。きひひひひ」


 「・・・・ねえ、人体錬成マシーンってここにある?」


 「きひひひひ,

 ご両親への復讐ですか?しょうがないですね。

 まあお金は貰いましたし、反逆しないことは契約書に明記されてませんので」



 指パッチンで台所ぐらいの大きさはありそうな機械を出現させる伯爵。



 「はぁあああああああああ!!!!!覚悟ぉ!!!」


 「ちょ!!!!!痛い、痛いですって!!!まっ!前髪は抜かないで!!!」


 「はぁはぁ。機械に髪の毛入れてっと。このスイッチであってる?」


 「ええ、というか私のそっくりさんを創る気ですね。

 それはただの別の生命体。殴られても私は痛くありません」



 カタカタと震えながら蒸気を発生させてチーン♪と軽快な音を放ち

 人体錬成?は完了した。



 「へえ、本物そっくりね。じゃあさっそくだけどあなたはワタクシの事

 どう思ってる?」


 「何を言ってるんです?そんなものは直接聞けばいいのに」


 偽物はワタクシと本物を見てニィとほほ笑み


 「決まっています。”友達”になりたい。

 回りくどい方法を取ったのも裏切られたくないから。

 そして一緒に錬金術を生涯研究「すとおおおおおおおおぷ!!!


 何言ってくれてるんですか!!!この偽物!!!

 私はお金儲けの為に!!!!」


 「へぇ、では夜な夜な帆帝さんのコピーを作って耳かき膝枕や

 哺乳瓶膝枕プレイしていたのは何故かな?きひひひひ」


 「普通友達ってそこまでしないから!!!!!」


 「「ゑ?!!!!!!!!」」



 本物も偽物も距離感壊れてます。

 伯爵の性格上友達いなさそうですし。



 「とりあえず本物も偽物も膝枕させてあげるから!

 これからの事を話しましょう」


 「じゃあ添い寝もしてくれる?

 一緒にパジャマパーティしてくれる?

 深夜トイレに一緒について来てくれる?」


 「要望多いな!!伯爵!!!!」



 「ええと魔法で体調整してと。これで赤ん坊ですね。

 一生甘えられますよ」


 「こっちはこっちで何やってるの!!!!」



 「”健康診断の採血データから優秀な錬金術師の卵を

 見つけて友達になろう作戦”が成功しましたから。

 いやぁ苦労しましたよ。

 人体錬成で祖父を何度も蘇生と死を繰り返しただけはありました。

 それで余った時間で・・・・きひひひひ」


 「おい本物!授業サボってワタクシの偽物と遊んでたんですね」


 「コラ!ヤメタマエ!!偽物は口が軽すぎます!!!!」


 「簡単なロジックですよ?ワタクシがどちらかの味方に付けば

 伯爵の性格上、別の伯爵の弱みを攻撃すると思っていました。

 ここまできれいに同士打ちするとは予想外。

 勝利宣言をしましょう。きひひひひ。こんな感じでしょうか?」


 「「ええとつまり・・・・」」


 「これからは一緒に学園へ登校する事。

 悪意はない事は分かったし。

 錬金術も気が向いたら学んであげる」


 「帆帝さん・・・・」


 「アオイで構いませんよ?ワタクシには帰る場所もありませんし。

 死ぬことにも未練が出来ましたし」


 「未練?」


 「どうしようもなく不器用で放っておけない”友人”と出会えましたから」



 心からの笑顔で我慢が出来なくなったのか

 2人の友人はワタクシに抱き付いてきました。


 ☆☆☆



 「これがウチとススの出会い。初めてのなれそめや」


 「ちょっと待って!!!ハジメちゃん!人体錬成をそんなろくでもない

 使い方してたの!!!!

 仮病して友達ごっこって!!!!

 こう、”世界征服の為の戦力にしますよ、きひひひひ”的な事かと!!」



 姉助の考え方は正しい。


 

 「そんなの大人共が勝手にやって戦争が起きましたよ。

 だから権利を早々に売ったんです。

 今の人類には不要のテクノロジーですから。


 帆帝夫妻は逮捕され、アオイのコピーは人知れず亡くなっていました。

 これが禁忌とされた人体錬成の末路。

 いやはや悲しいですね、きひひひひひ」




 「じゃが師匠がそもそも作らなければよかったのでは?」


 「こんなものは倫理観の問題。

 技術自体はシンプルそのもの。

 遅かれ早かれ作られていた。

 だから私が作って被害をコントロールしたんです。

 悪人の炙り出しにちょうどよかったですので」



 フラッペの意見も正しいがハジメの意見も正解だ。


 

 「毒を持って毒を制したか。

 だが姫。もっと人間の事を信じたらどうだ?」


 「無駄ですね、人間はどうあがいても戦いから逃げられない。

 男女間の対立が終わったら、子供がいるかいないかで対立するでしょうし、

 年収、結婚、親の介護、ルッキズム。

 終わらないんですよ、この終末戦争は」


 「人間の大人はどうしようもないな」


 ドラゴンであるルイには刺激が強かったようだ。



 「こっちの写真もかわいいでぇ。雷で布団にくるまってるススや」


 「ちがっ!!これも人体錬成の私ですから!!!!」


 「コピーでも本物でも元が同じなら、同じ事するやん」ドン引き



 ー 人体錬成編 伯爵の学園生活 完 ー


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