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ある精霊姫のお話  作者: 雑魚寝
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イケメンに出会う

転入してから1週間後の放課後

私アイラ・ノルエルは心臓が口から飛び出しそうなほど緊張していた


「ね、ねぇ。リーシャ?本当にするの?」

「ええもちろんよ、散々話し合ったじゃない。任務内容は知らないけどここにいた方がアイラも動きやすいでしょ」

と言いリーシャは不敵な笑みを浮かべる

(気づいてる…)



アイラの横に立つのはアイラの親友、リーシャ・オズワルド。

エンセンス王国の三大公爵家の1つ、オズワルド公爵家の息女。

そして彼女の祖父ルーベン・オズワルドは道具に付与術をかける天才、五星の付与術師である。

小さい頃、リーシャと私が出会い暫くオズワルド家にお世話になった。その際にリーシャの祖父にも大変お世話になり、私の事も本当の孫のように可愛がってくれた。

そんな素敵な友達とその家族。

この公爵家は知識、魔法、地位全てにおいて最高峰であるが一つだけ問題がある。

それが、何に対しても大胆不敵で怖いもの知らず。頭がいいのだから後々のことを考えて行動していただきたいぐらいなのだが、そんな制止この家の人は誰も聞いてくれない。思い立ったら即行動。5組の事で何も出来ずに悩んでいたらしいが、悩むことの方が珍しい。潔がいいけど、遠慮という言葉も理解していただきたい。

話が長くなったが、そんな家の息女。

例え親友の制止でも右から左だ。

いくら嫌だと叫んでも止めてくれない。

だから…


私はこんな所に立たされているのだ。


(帰りたいです…)


リーシャが扉をノックする

「リーシャ・オズワルドです」


少し間が空き


「入ってくれ」

部屋の中から返事が来た

リーシャが扉を開く


「ようこそ。生徒会へ」


広く明るい部屋

その奥で机に肘を立て手に顎を置き

金髪、青い瞳、のイケメンが微笑んでいる

その右背後にはメガネの黒髪、灰色の瞳の高身長のイケメン

机の右側に深緑髪、茶色の瞳のカワイイ系イケメン

左側には鼠色の髪、緑色の瞳のクール系イケメン

イケメン勢揃いが居た


(帰りたいです…)


「君がリーシャ嬢が言っていた子なのかい?」

金髪のイケメンが言う


しかしアイラの頭の中は、パニックにより人の話を正常に聞ける状態ではなかった

それに気づいたリーシャは周りにバレないように横腹に肘を入れる


「ゔっっ…、…ご挨拶が遅れました。アイラ・ノルエルです。リーシャ・オズワルド様のご紹介でこちらに伺わせて頂きました」

横腹の痛みと拙い礼儀作法がバレないように

練習してきた淑女の礼をする


「フフ…、すまない。私はエルバイン・エンセンスだ。この学園では生徒会長をさせてもらっている。多分知っていると思うけど、一応この国の王太子だ。よろしくね」

「はい、よろしくお願いします」


次に黒髪、メガネの長身イケメンが

「一応ではありません、あなたは正真正銘この国の王太子殿下です。

そこのご令嬢、私はイーシス・エディンです。生徒会副会長をしています。よろしくお願いします」

「はい、よろしくお願いします」


3番目に机の左側に立つ鼠色髪のクール系イケメンが

「俺はネルフ・ルーヴァン。会計だ。よろしく」

「はい、よろしくお願いします」


最後に深緑髪のカワイイ系イケメンが

「僕はカイル・ハイナンだよ。リーシャ嬢と同じ書記をしてます。よろしくお願いします」

と言い満面の笑みでこちらを向く。

「よ、よろしくお願いします」


「それでは、リーシャ嬢がアイラ嬢を生徒会役員に指名した理由を知りたいんだけどいいかな?」

エルバインが笑う


(怖い…リーシャ〜泣)


エルバインの質問に対して

「はい、殿下。実はアイラはおじい様の元で働いている夫妻の子供で、私とアイラは幼なじみなんです。アイラは本当に臆病な子で学園に行かずに働いていたのですが、夫妻の希望でおじい様づてに学園への編入試験を受けることになりました。本人は絶対に落ちようと思ってたみたいですが受かってしまってしまい、そして1週間前に高等部4年に転入しました。そして偶然学園で私とすれ違い、働いて臆病が直ったのかなと思っていたのですが全然ダメで、社会勉強にと思いこの生徒会に推薦しました」

アイラと事前に打ち合わせたセリフを完璧に言ってみせるリーシャ



「なるほど。事情は理解したけど、本当にそれだけの理由かな?」

エルバイン殿下は綺麗な顔に不敵な笑みを浮かべてリーシャに質問を返す。

「どういうことですか?」

それに対しリーシャも負けじと綺麗な顔に不敵な笑みを浮かべて質問で返す。


(美男美女の腹の探り合い怖い…)

アイラの口は片方に引きつったまま動かなくなった


「いや、思い違いならそれで構わない。リーシャ嬢の推薦なら受け入れるつもりだ。しかしリーシャ嬢が社会勉強のためにここまでする必要はないと思ってね」

エルバイン殿下は満面の笑みでリーシャに問いかける


それを見てリーシャも諦めたように優しく笑いかける

「流石殿下。お見通しのようですね」

「ということは?」

エルバイン殿下はすかさず聞き返す

「彼女は5組です、彼女が学園の状態を解決する鍵になるかもしれません」


リーシャが言うと、生徒会室にいる面々の顔色が変わる。


「それは本当かな?」

「恐らく。確証はありませんが、5組から生徒会に選ばれた者が現れれば、何か変わるかもしれません。そして、彼女の身元は私が保証します。煮おうが、焼こうが私が責任を取りますので好きになさって構いません。

乗ってみませんか?」

そんな物騒な事を生徒会役員に言ってみせる


(リーシャさん…私泣きそうです)



エルバイン殿下は少し考え

「他のみんなはどうかな?君たちの意見も聞きたい」


「私は賛成ですね。身元の保証が無い者をスパイで探らせるよりはリーシャ嬢の幼なじみの方のほうが安心できます。(使えるかはわかりませんが…)」

イーシスが言う。


(メガネイケメンさん聞こえてますよ…)


他2人も、

「イーシス先輩もいいならいいんじゃないですかね」

「僕も皆さんの意見に賛成です」

とエルバイン意外賛成を唱える


エルバインは少し考え、

「アイラ嬢、君はいいのかな?生徒会役員は簡単になれるものではない。そして長らく空席だった会計2人目に選ばれたのは彼らが見下す5組の者だ。その意味が分かるよね?」


アイラは少し黙り


「はい、分かっています。私は編入してまだ1週間しか経っていませんが、それでも彼らはまだ希望を持っていることを理解出来ました。そんな彼らのために何か出来るのであれば危険であったとしても挑む価値があると思っています」

アイラの発言は少し腰が引けた体勢ではあったが、それは堂々としておりこの部屋にいる者に十分に伝えられるだけの意志を示していた



「フフ…。面白いね君。リーシャ嬢、本当に社会勉強は必要なのかな?」

軽い笑みを浮かべながらエルバイン殿下は言う



「それでも、必要だと判断しますね」

リーシャは笑みを浮かべながら堂々と言う

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