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ある精霊姫のお話  作者: 雑魚寝
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少女の幼馴染


「久しぶりね。アイラ」

美しい少女は笑う



そして


「ぐぇっ」

はしたない声を出すのはアイラだ

アイラはその少女に抱き締められている、

息が出来なくなるくらいに。

アイラは走馬灯を見かけたが

少女が手を離したことにより意識が戻る


「急にアイラから連絡が来たから何事かと思えば、あなたは何故うちの学園の制服を着ているのかしら?」

美しい少女が不敵な笑みを浮かべている

(美女の怒った笑顔怖い…)


アイラは産まれたての子うさぎになった気分だ



「あら?聞こえなかった?もう一度ど聞いた方がよろしくて?あなたは王立魔法学校で優秀すぎて飛び級した上に、五星であるにも関わらず今更学園で何を学びに来たのかしら?」

質問攻めのうえ、元々怖かった顔が怖さを増している


「話すからその顔やめて!」

少女はため息を吐くと腕を組みアイラの言葉を待つ。



彼女の名はリーシャ・オズワルド。

アイラの唯一の友達であり、この学園でアイラの素性を知る唯一の人物である。



「あれ?そういえばリーシャは私のこの姿を見てアイラだってなぜ分かったの?」

「あのねぇ。何年の仲だと思ってるの?アイラの姿が変わってもアイラだって見分ける自信はあるわよ。親友舐めないで」

そう言って頬をピンク色に染めながらアイラから顔を背ける


「ありがとう…」

「当たり前のことを応えただけよ。それで何故ここにいるの?」

と聞かれ少し考える


(多分、五星は今回の任務の事を知らされている。なら多分あの人の事だし孫にも話しちゃってるよね、そういう人だし…。それで私がこの任務の護衛役って分かっちゃったよね…)


「全ては話せないけど任務でこの学園に特別に転入しているの」

半分想像ではあったが、一応リーシャに任務内容がバレないように話す


「なるほどね、でもそれだけなら貴方がわざわざ私と接触する必要はないでしょ。学園で出会っても私は知らないフリをするわ。…まあ任務が終わったあとは覚えときなさいよ?」

と物騒なことを言っている


「それで他に何か聞きたいことがあるのね」

「う、うん。その任務とは別のことで相談があるの」

「相談って?」

「…この学園が呪われている」


アイラの言葉を聞き目を見開く。顔色は悪くなり驚くが、どこか納得しているようだった。


「いつから?」

「期間は分からない。でも短くても1年は経っていると思う」

「1年…」

「うん、1年前から何か変わったこと無かった?」

「1年前…といえばアレね」

「アレ?」

「アイラ、あなたどこのクラスに転入したの?」

「5組だよ」


そしてリーシャの顔色が暗くなった


「やっぱり5組になにかあるんだね」

「ええ…」

「なにがあったの?」


リーシャは噴水の縁に座り直して少し吃りながら話し始める。


「いつからか分からないわ、でも一部の人達の態度が段々目立つようになっていったの」

「目立つって例えば?」

「陰口やいじめ、はよくある事だけどそれを公の場や目立つ所でする人が増えていった。しかも最近では体罰とか言って体に傷を残させる人もいるわ」

「…」

想像以上の悲惨さに言葉を失う



「この国は平等で誰でも輝ける時代でしょ、身分が違ってもこの国が他人を見下すのを許さない国、だからはじめのうちに次第に収まると思ってた。

実際貴族と国民達の揉め事も少ないし、その子どもなら自分達で馬鹿だったって気づくと思ってたの。」

「うん」

「でも次第にエスカレートしていって、気づけば学園の半分ぐらいが虐めている人達ね。

そして何故か苛めの対象があなたのクラスの5組だった」

「学園の対処は?」

「もちろん生徒会からも5組の生徒からもクレームが出たわ。殿下も見つけたらきちんと注意されていたし、先生方と一緒に私達生徒会もそのような事が起きないように見回っていたのよ。

でもその人達はうまく欺き、まだいじめが続いてしまっている」


「…」

「私達ももっと早く動けばよかったのに、それを怠ってしまった。本当に申し訳ないわ」

「それをはじめた主犯は分かってるの?」

「主犯はわからない。でも私達のひとつ上の学年が酷いわね」

「その苛めの対象は私のクラスだけ?」

「いいえ、はじめはそうだったけど今は平民出身の人達も対象になってきているわ」


アイラは現状を知り考える


「分かった。リーシャありがとう」

「まさかその呪術といじめの件、関係があるの?」

「…まだ分からないけど、少なからず原因はあると思う」

「どうするつもり?」

「まだ決めてないよ、でもこのまま放っておくのは後味悪いかな」

「なぜそこまでするの?」


リーシャの質問に少し黙ってしまう

今回の任務を放棄するわけにはいかない

しかしあのクラスを見捨てられるはずもなかった


「ただ助けたいって思っただけだよ。誰かさんがしてくれたみたいに」

と言い、アイラはリーシャに向かって笑う



「ありがとう、じゃあ私は戻るね」

アイラは来た道を戻ろうとする



「…待って!」

リーシャはアイラを呼び止める

そして



「私も協力する」


完全自己満

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