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ある精霊姫のお話  作者: 雑魚寝
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友達の幼馴染は元気


次の日、アイラは教室に入り

(やっぱり呪いは残ったまま…)

想像はしていたが、消えていて欲しいという望みも捨てられなかった


教室を見渡しララを見つける

自分の席に向かいながら気合を込めて



「おはようございます、ララさん…?」

(昨日言ってもらえたから呼んでみたけど馴れ馴れしいかな?)

アイラは段々自信がなくなりながらララに挨拶をした


「おはようございます、アイラさん」

アイラの挨拶に笑顔で返してくれた


(久しぶりに同い年の子と話たけど、こんな感覚久しぶり…)

アイラは任務で転入しているにも関わらず、少しワクワクしてしまう


それから授業の間の休憩時間や昼休憩にお互いの話をした。

ララは男爵家の息女らしい。ララのお祖父さんが商いでかなり稼いでいたらしく、王国にも貢献していた。そのため陛下から爵位を頂いたらしい。

他にもララに年の離れたお兄さんがいて、お兄さんが爵位を継ぐ代わりにララが商売を継ぐとか、


「じゃあその勉強するためにもこの学園に入ったんだね」

「そうなの。でも全然ダメで…勉強は中途半端だし、魔法の才能もなく礼儀作法だって私は一応貴族だけど上の人達には劣ってしまう。だからこのクラスまで落ちちゃった。周りの人達から陰口言われるのも当然だと思ってた」

そう言いララは俯いてしまった


(たしかこの学園は成績順のクラス分け…)


「そうだったんだ」

「でも幼なじみのダイがね"見下されてばっかりで腹立つだろ!勉強や魔法は無理だけど剣術で頂点取って見返してやる!"って言い出したの。それ聞いて始めは驚いちゃったんだけど、私もこのままじゃ嫌だなって思って、頑張ろって思ったの」

ララは嬉しそうに話す


「かっこいいね」

「そんな事ないよ」

否定はしているがララの顔は笑顔だった


(私も自分のやりたいことのために頑張ってるララことをすごいと思うよ)

声には出さなかったが、アイラはララの事を否定することはしなかった


他愛のない話をしているうちにアイラの緊張は解け、お互いの壁もなくなっていった


そこに


「よーっすララ!珍しいな、お前が教室でメシ食ってるなんて」

「ダイ!」

「ん?コイツ…ああ。昨日の転入生か!

おっす!俺ダイナット・リーガン。ダイってよんでくれ、よろしくな!」

オレンジ髪の活発な男の子が声を掛けてきた。


「…」

「アイラ?」


(…はっ!挨拶!)


「こ、こ、この度転入試験を受けて晴れてこのクラスになったアイラ・ノルエルです。よ、よろしくお願いします」

「ブハハハハ!お前それ昨日も言ってたぞ!」

「す、すみません」

「おもしれー奴だな!よろしくな!アイラ」

「はい、よろしくお願いします」

元気な上、勢いの凄いダイに必死に挨拶をした


「そーそー、ララ。お前勉強すんのもいいけど、たまには休息も必要だぞ!昨日もまた遅くまで図書館に居ただろ!」

「何で知ってるのよ!」

「お前が閉館時間に歩いてるの見たからに決まってるだろ」

「じゃあダイだって遅くまで剣術してたんじゃない!剣術ばっかりでたまには勉強もちゃんとしなさいよ」

「それは…つかそれだけで近くに居たんじゃねーよ!」

「どういうこと?」

「!」

ダイの顔が急に赤くなる


「そこは秘密だ」

「話しなさいよ」


そんな2人を静かに見守っていたアイラは

自然と微笑んでいた



(やっぱり、相談しよう。この人たちをこのままにしておくことはできない。もし何かあったとしても私が守る…)



「…」

「アイラ?何か言った?」

「ううん。何でもないよ」

アイラは紙の切れ端に何かを描き、

何も無い所に向かってそのメモを渡す。


ララとダイは気づいていない。




放課後




「アイラ、私このまま図書館に行こうと思ってるんだけどアイラはどうする?」

「ララ、ダイに勉強しすぎって言われてなかった?」

「わかってるけど…やっぱりこのままじゃ嫌なの…」

とララは視線を下に向ける


そんなララに

アイラは微笑む


「程々にね。今日は私用事があるから行けないけど、また別日に一緒に勉強しよ?」

「わかった、また明日ね」

と約束を交し教室を後にする




ララと別れアイラは約束の場所に向かって歩く。

図書館の別棟を過ぎ、木々が生い茂る森に入り暫く歩いた所に広場が見える。

水は枯れてしまっていたが、中央には噴水も見えた。少しひび割れたその噴水の縁に一人の少女が座っていた。



「お待たせ」

アイラがその少女に声をかける



「久しぶりね。アイラ」

その少女はアイラに向けて笑みを浮かべる

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