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ある精霊姫のお話  作者: 雑魚寝
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少女は驚く

次の日、ララは教室に入り驚いた。


(なに、この黒いモヤモヤ…こんなの前からあった?)


教室中が薄黒い霧に包まれている

ララは驚き、1度教室の外に出て深呼吸した。

そしてもう一度教室に入る

とりあえず窓を開けて様子を見てみることにする

自分の席まで行き、窓を開けると

春の暖かい風が教室に入ってきて

気持ちが清々しくなる

しかし、教室は変わらず薄黒い霧に包まれたままだ


(どうしよう。皆は気づいてないのかな?先生に相談するべき?でも、また息苦しくなってきたような…)

とララが考えていると


「お、おはようございます、ララさん?」

昨日の転入生アイラが少し照れたように私の横の席に座った


(アイラが入ってきただけで、息苦しさが無くなった…なんでだろう…)


「おはようございます、アイラさん」

ララは笑顔で挨拶をした




-----------------




私アイラ・フィンセントはアイラ・ノルエルという偽名で王立エンセンス学園に潜入捜査する


そして今クラスの担任の先生に連れられて

教室までの廊下を歩いています。

(はぁ…なんでこんな事になってるんだろ…

そもそも五星と一部の人意外話したことないし、魔法学校も直ぐに卒業しちゃったからほとんど人と関わってこなかったし…しかも自己紹介とか…)


アイラの顔は青くなり、緊張で絡まりそうな足をなんとか動かしながら教室の前に立つ


(はぁ…無理、逃げたい…)


「今日、転入生が来ています」

担任の先生が教室の生徒に声をかける

「転入生入って下さい」

「は、はい…」


アイラは教室に足を踏み入れ、そして絶句した


(な、なにこの教室。真っ黒じゃない…

呪術?それも普通のものじゃない…

どうなってるの?)


「えー、ではこの度転入試験を受けて晴れてこのクラスになったアイラ・ノルエルくんだ。ほら、君も自己紹介してね」


「…」

「大丈夫ですか?」


考え事に夢中になってしまったため、急いで返事をする


「す、すみません。この度転入試験を受けて晴れてこのクラスになったアイラ・ノルエルです。よ、よろしくお願いします」

「ノルエルくん、それでは私と全く同じことを言っただけだよ」


私の自己紹介にクラス中が笑顔になる


「す、すみません…」

しかし少女の顔は真っ青のままだった


(どうなってるの…)


「まあ、いい。君の席は…

あの窓際ザイルスくんの隣の席だ」

「はい…」


(どうにかしないと)


アイラは休み時間ごとに教室を出て行き、学校中を見て周る

この魔法が発動されている魔法陣を探していた


(多すぎる…その上、なにこの複雑な魔法陣。

無理矢理解除するのも可能だけど、相手に気付かれる上にこれ以上のもの作られる可能性だってある。それに多分この学校に解除できる魔力量の人って限られてるよね?その中には多分護衛対象も入る…余計危ない気がする。

でも早く解呪しないと精神的に滅ぼされて廃人になりかねない…

とりあえず解呪は無理でも、半減ならできるかな?)



そして放課後



(結局今は応急処置しかできないけど、しばらくは大丈夫…多分。あとはロイくんに手紙を届けて…

でもなんで、あのクラスだけ大量の呪いがかけられてるんだろう。多少は弱めたけど多分他とは桁違いの魔法陣だった。あのクラスに恨みがある?

でもこの学校の個人事情とか何も分からないし…

本当はバレたくなかったけどやっぱり協力してもらう?でも迷惑かけたくないし…)



「どうしよう…」

魔法に関しては一流である精霊術師も

人間関係においてはお手上げ状態だった。

その時



「あのー…」



急に声を掛けられ足の力が抜けそうになる

人間関係という専門外のことを考えて

頭がいっぱいいっぱいになっていたアイラは

背後に近づく人に気づくことが出来なかった



「な、なんでしょうか…?」

「いえ特に用事はありませんが、何か困っているようでしたので声を掛けさせて頂きました」


そこにはアイラの隣の席の少女がいた

(綺麗…)

アイラはその少女に見惚れてしまい、反応が遅れる



「…はっ!それは失礼しました。お見苦しい所を見せてしまって」

アイラは我に返り頭を下げた


「別にそこまでされなくて大丈夫です!

本当に用事は無かったので、私は失礼しますね」


少女が去ろうとする


「あ、あの!」

「はい…?」

「えっと、ララコット・ザイルスさんですよね?」

「はい」

「私アイラ・ノルエルです。すみません、ご挨拶が遅くなって…

最初に挨拶しなさいって知り合いに言われていたのですが、それより違うことに気が散ってしまっていてそれどころではなくなって…」


(綺麗で思わず見惚れてしまった…恥ずかしい…

ちゃんと挨拶できてるかな?)


「気にしておりません。私こそ挨拶が遅くなり申し訳ありませんでした。

改めてララコット・ザイルスです。ララと呼んでください。あなたともっとお話したいです」

と言いララは笑う


アイラにとってララという少女は美しかった


(どこまでできるか分からないけど、やりたい…

それにイリスさんに証明してきなさいって言われた)



ララの笑顔に、アイラもぎこちなく笑う

完全に自己満

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