美丈夫がきた
人が近づかない森の中。
その森は迷いの森と呼ばれ、1歩足を踏み入れば来た道を忘れ、2歩目で帰る場所を忘れてしまうと言われる恐ろしい森。
そんな森で1人の美丈夫が迷うことなく、1つの目的地のために足を進める。
「アイラー!こんにちわ〜遊びに来たわよ〜」
美丈夫が扉を開けてから挨拶をする。
家の奥では積み上げられた本が雪崩落ちる音がした。
「アンタバカ?そんなに積んだら落ちてくるって分からないの?」
美丈夫は呆れながら、本に押しつぶされた1人の少女を助ける。
「急に来ると思っていなくて…ありがとうございます」
美丈夫の手を取り少女がお礼する。
「まあ、私もノックしなかったしごめんなさいね」
「ハハハ…」
枯れた笑い声で少女は応えた。
「しかし、アンタ可愛いんだからちゃんと身だしなみ整えたらどうなの?綺麗な銀髪も宝台無しよ」
「すみません、誰も来ないからこのままでいいやって思ってしまって…」
「ダメでしょ、女の子なんだから!」
「はい…」
「早くお風呂はいってきなさい。部屋は片付けておいてあげるから!」
「別にこのままで…」
少女は美丈夫に睨まれた
「すぐ行ってきます!」
これ以上怒らせる前に少女は小走りで風呂場へ向かった
「お待たせしました。お部屋ありがとうございます」
「いいのよ、いつものことだから」
(いつも助かってます)
少女は心の中で手を合わせた
「そういえば、お話があるんですよね?また資料のお手伝いですか?それとも魔物の討伐とかですか?」
少女は美丈夫が自分を訪ねてきた理由を聞く
「そうそう。こんないつも通りの事しに来ただけじゃないのよ!あなたにお願いがあってきたのだけど、」
(キュルキュルキュル〜…)
「はっ!すみません。研究に夢中で、ご飯食べるの忘れてました」
と顔を赤くしながら言った
「もー、また!私いつも言ってるわよね?ご飯はちゃんと食べないと元気でないし筋肉もつかないって!」
「そ、そうですよね!本当にすみません…」
少女は美丈夫の顔に向けていた視線を胸元に逸らしながら考える
(私もご飯ちゃんと食べたらあんな感じになっちゃうのかな…)
「何か失礼なこと考えた…?」
(!!!!)
「そんなことありません!!!」
「ハァ、まあいいわ。ご飯もアンタのことだから絶対食べてないと思って持ってきたし、ちょうど昼時だからお昼ご飯食べながらお話しましょ」
「はい!ありがとうございます!」
美丈夫の顔は女に見間違えるぐらい美しい顔をしているが、首から下は男の人のような体格のイイ身体がある。
胸は張っているものの、それは
筋肉なのだ…