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ある精霊姫のお話  作者: 雑魚寝
17/26

少女は魔法を教える

所々変だったので編集しました



雨季は続いている

肌寒い季節はまだ終わらない


ララに魔法を教えてあげる約束をしてから数日後

放課後の生徒会の集まりは中止になったためララと勉強するために図書館へ向かっていた

あまり日を空けずに生徒会が中止になる事はなかったが、急に生徒会長のエルバインが出席できなくなったらしい

現在の議案はエルバインを中心として話がまとまっているため集まりの必要はないとのことだった

アイラは作戦を立てる時間が作れないまま、ララとの勉強会が始まる



「よろしくお願いします」

ララが真剣な表情でアイラに向き合う

改められると緊張してしまうアイラだったが、開き直ることにした

「はい…じゃあ始めに基礎の基礎だと思うけど魔法には6大属性があるのは知ってるよね」

アイラはララに質問する

「知ってるよ。火、水、風、土、光、闇の6つだよね」




この世界には6つの属性がありその名の通り、火属性なら火を操る事ができるなど属性の名の通りの魔法が使える

しかしそれは訓練次第で得意魔法でなくとも身につける事が可能である


それぞれの属性には特性がある

火属性ならその身体やその身に持つ剣などに火を纏わせ、身体強化を施すことができる

逆に水属性なら火を打ち消す特性があることから

水を操り敵の攻撃から身を守る防御魔法を使うことができる

そして水がどれだけ攻撃したとしても変形することのない力を持つ土属性には

無機物に力を与える魔法を施すことができる

付与術は土属性を得意としている者にしか使えない

最後に風属性は嵐を起こし土地を変形させる事から

付与術の施された魔導具であったとしても強大な風属性の魔法には敵わない

極めた物ならば天候を操ることさえ可能になる

また風属性には植物を活性化させる力も持っており、風属性の者が花屋を開けば暮らしに困る事はなくなる

その風でさえ火には敵わない

この様にそれぞれの属性はお互いの得意不得意を持っている


しかし光と闇は別物だ

闇属性には呪術のように、人や物に呪いを与える事が可能である

しかし呪いを使うには知識、技術は不可欠でありそれを極めた者が五星のロイ・ナイデンスだ

ロイは悪く思われがちな闇属性を弁解するため、日々研究をしているうちに気づけば五星の実力にまで到達していた

この世界にロイ以上の知識を持ち合わせる者がいる筈はなかったが、そのロイですら知らない呪術が施されたこの学園は異常だった

そしてその逆に位置する光属性はその属性を持つ事自体が異常であり

その時代に1人いるかいないか、それぐらい珍しい属性である

はるか昔の文献には、癒しの力や魔を鎮める者という風に記されている

しかしそれすらも嘘であると思われているぐらい珍しい属性である

他にも氷や雷、時間などを操る魔法があり他の属性と組み合わせることで強大な魔法を扱う事ができるが、それは最低でも中級魔法士ほどの実力が必要な上、まだ魔法という存在を知ったばかりの今のララには必要ないと考えて説明を省く


そしてこの様な得意属性という者が存在する中でその理ですら覆えす力を持つ者が五星なのだ

魔法塔の魔術師が得意とする水属性で、五星が火属性を得意としていなくても圧倒的な実力でねじ伏せる力を持つ

また得意魔法でなくとも強力な魔法を繰り出せる事が可能なのが五星だった

そのためエンテンス王国の五星は他国からも恐れられ特別な地位を持っているのだが、それも今のララには必要ないのかもしれないと前に座るララを見てアイラは説明を省いた



「ララ、大丈夫?」

アイラは説明を省いた所もあったが、それぞれの属性の特徴を詳細に伝えすぎてしまい周りが見えなくなっていた

自分の熱の入り方に異常を感じて、ララに声を掛けてみたが

「だめかも…」

そう言って机に額を付けてうつ伏せになっていた

「と、とりあえずララの得意魔法は風属性だから土属性に強い事と火属性は危ないって事を覚えとけばいいと思うよ」

アイラは慌ててララに声をかけるが、ララは机に顔を付けたままだった


「風属性は成長次第で強くなるからとりあえずそれぞれの初級魔法勉強していこう」

アイラは話を変えるため初級魔法が載った本を開く

アイラの話にララは元気になり、一緒に本を見る

「初級魔法の詠唱は全て同じだけど、頭の中でイメージする事も必要だよ

そのイメージで魔力を使いすぎて自分の身体が危なくなったり、逆に小さすぎて使えなかったりするからね」

そう言ってアイラはページをめくりララにある一文を読むよう促す

「はじめは手の中に収まるぐらいの風がいいかな」

アイラの言う通りララは頭の中でイメージしそして呪文を唱える


「えっと…『風よ、我の元へ来い』かな?」

ララはそう唱えると少し身体が怠くなる

しかし窓を閉め切った筈の図書館に居るはずだが

確かにララの手の中には風が吹いていた

「これは…」

ララは言葉が出ない

「すごい!はじめてでちゃんと魔法をコントロールできたね」

アイラが声をかけるがララは返事をしない

アイラは正面に座るララの顔を見ると

ララは涙を流していた

「ララ!?」

アイラは驚き慌ててララの元に駆け寄る


「大丈夫?体調悪い?」

手で顔を隠すララに駆け寄り、どうしたらいいか分からず慌てるがとりあえず背中をさする



「ごめんね…

私本当に何の取り柄もなくて

勉強も魔法も何も出来なくて、そんな私が嫌で沢山勉強したけど

それでもテストで結果が出なくて…それでも諦めたくなくて

私よりも魔法を使える人も沢山居ることが分かっているけど、それでも今頑張った結果が出たのかなって思ったら嬉しくなって…」



ララの言葉は纏まっていなかったが、それでもアイラにはララの気持ちが痛いほど分かる

アイラもこの国の頂点、五星に選ばれた時やっと国民達にアイラが認められたと思ったからだ



「ララ…これからも一緒に魔法を学ぼう

ララがたくさん頑張ったんだよってみんなに認めてもらおう」

アイラの言葉にララは笑顔で返事をする



ララの笑顔はやはりアイラには眩しかった






━━━━━━━━━━━━━━━






アイラは部屋に戻るとイヤリングを外した

変わらずアイラの姿は美しい


『アイラ様お疲れ様です』

『お嬢、おつかれさん』

2人の低位精霊がアイラを労う

「ありがとう、2人もお疲れ様」

アイラは礼をし、2人の精霊に魔力を与える

2人はその魔力を貰い再び輝きだす


アイラには思うことがあった

アイラが五星に選ばれて4年、他の五星のように大きな成果を出す事はなかったが五星に選ばれた事に後悔はない

精霊術を使うアイラを卑下することなく、この国民達は受け入れてくれた

選ばれた当初は嬉しかった

しかし時間が経つにつれ、アイラの秘密をいつ打ち明けていいのか分からなかった



それを打ち明ければ国民達のアイラへの反応はどうなるだろう

また幼少期のように…




アイラはそんな事を考えながら、手の中で甘える2人の精霊を愛しく思う



読んでいただきありがとうございます(^^)


言葉って難しいですね

苦戦だらけです(^^;

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