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ある精霊姫のお話  作者: 雑魚寝
12/26

イケメンはドン引きする

生徒総会の次の日朝から夕方までアイラはずっと注目を浴びていた

朝はエミリア達に転され、教室に着くとクラスから賞賛を浴び

移動教室で廊下を歩いていると他の生徒から睨まれ、絡まれ、連れて行かれそうになった。

その時タイミングよくエルバインとイーシスに出会い事なきを得たがあの後どうなったか分からない

そして放課後アイラについて話し合いが始まる



「初日からこんな調子では先が思いやられます」

イーシスが眼鏡をかけ直しながら少し怒り口調で話す

そんなイーシスに対し

「だが、おかげで証拠が集めやすくなったじゃないですか」

そんな呑気な事を言い出したのはネルフだ

ネルフは私に会計の仕事を教えながら話し合いに参加すると言う凄いことを軽々しくやってみせている

「しかしこのままでは証拠集めより、証人がどこかに連れ去られる」

イーシスもアイラを睨みながらアイラの心配をするということをしている


(やっぱり生徒会役員の人は怖い…)


今日ちょっかい出てきた生徒達より、生徒会の方が恐ろしいと感じてしまうアイラがいた


「その事で1つ提案があります」

2人の話し合いに割って入ったのがリーシャだ

「提案ってなんだい?」

自信満々のリーシャの発言に微笑みながらエルバインはリーシャに尋ねた

「はい、実は私のお爺様に相談してある魔道具を作ってもらったんです」

リーシャの発言に生徒会の空気が変わる

「それは、あの王国筆頭魔術師五星の付与術師であらせるルーベン・オズワルド様が今回の件に手を貸して下さるという事ですか」

皆が興奮していたが、1番興奮していたのがイーシスだった

「そういえば、イーシス先輩の得意魔法は付与術でしたね」

リーシャが今思い出した、みたいな顔をしながらイーシスに言う

「はい、ルーベン様の付与術の資料は資料に穴が空くほど見返しました。どれも美しく、そして完璧な付与術にどれだけ感動を覚えた事か。特に国王陛下に献上された…」

と長々と話をし出すイーシスを無視して

「まあそんなイーシス先輩が見たら驚きますね、ナーヤ持ってきてちょうだい」

リーシャが扉の外にいるメイドに声を掛けた

すると


「久しぶりじゃのおリーシャ、そしてアイラ」

扉から現れたのはメイド服のナーヤと

この場に似つかわしくない人物、

ルーベン・オズワルドがいた


「お爺様!何故こちらに」

リーシャ、そしてこの場にいる全員が驚いた

五星とは特別伯と言う名のこの世に五星だけが与えられる爵位がある。ルーベン・オズワルドのように爵位を持つものも存在するが、貴族の爵位と比べ五星の持つ特別伯の影響力は桁違いになる。そしてその居場所も国家機密級の情報となる。宴では国王からの命で出席しているが、それ以外では滅多に会うことが出来ない。国王が呼んでも五星は気まぐれであり急報出ない限り姿を現さない、幻の五星と呼ぶ者もいる。

そんな五星の1人が学園にいる


「まさか…こんな所に幻の五星が来られるとは思いもしませんでした」

エルバインも流石にルーベンが来ているとは知らず驚きのあまり席を立ってしまった

「久しぶりでございます、殿下」

エルバインに対し呑気に返事を返すルーベン


皆が驚いている中

「オズ爺、久しぶり」

アイラは笑顔でルーベンに抱きついた

「おぉ、久しいなぁアイラ

お主は変わらず可愛らしいのぉ」

ルーベンはアイラに抱きつき返して挨拶をした

そんな2人を見てリーシャはいつも通りだと思うが、他の人達は驚きが隠せない

「2人が顔見知りという事は聞いていましたが、真実だとは知りませんでした」

「僕もここまで仲が良いとは思いませんでしたよ」

そんな事を言うイーシスとカイル

皆が思う所があるがリーシャが話が進まないと思い話を切る

「まあ、感動の再開は置いといて

ナーヤお願い」

リーシャがメイドのナーヤに声をかけると

ひとつの箱を机に差し出す

リーシャがその箱をあけるとそこには星型に削られた魔法石が小さなバッチみたいになっている

「これは…」

イーシスの目が輝きながらリーシャに問う


「こちらは私がお爺様にお願いして作ってもらった通信機です、魔力を通してもらえば学園内なら届くでしょう

これでアイラに何かあった時すぐに駆けつけることができます」

なんて事ないみたいに話すリーシャであり、オズ爺もなんて事ないみたいな顔をする

ナーヤもこの程度です、みたいに表情を変えない

しかし、これもまた全員の驚きが隠せない


「「これは国宝級の代物ではありませんか!」」

なんて事ない顔をするオズワルド家に全員が声を揃えて叫ぶ

「そういえば、アーサーにも見せとらんかったなぁ

後でもう一個作って見せに行くかのぉ」

そんな簡単に作れる代物でも無い上に

ちょっと近所の人に会いに行くノリで国王に会いに行くと言っているオズ爺は呑気な返事をした

もう皆、空いた口が塞がらない


そんな中で

「オズ爺!完成したんですね

やっぱり宝石ではこの付与量には耐えられなかったのね、輝きは劣るけど魔法石の良さが出ているし十分だと思う!

あ!これやっぱり軽減魔術入れたんだ、じゃないとこの大きさの石は割れちゃうよね」

アイラは目を輝かし付与術式を読み取ったような言い方をしている

「目立たんように入れたんじゃがやはりアイラは気づいたのぉ、軽減魔術を石に入れると濁るから入れたくなかったんじゃが仕方なかったわ

これを作っとる時イリスが来て見せたんじゃが全然気づきよらんかったわ、それにアレも付けといたぞ」

そんなアイラに対しいつも通りの返事をするオズ爺

「アレもつけてくれたの?凄い!イリスさんこんなに素晴らしい魔道具をよく観察しないなんて勿体ない」

会話の中にもう1人の五星の名が出ても何も気にせず話を続けている2人に全員が段々引いていた


「2人とも話はそれぐらいにして、1回皆で試してみましょ」

そんな二人の会話に割って入ったのはまたしてもリーシャだった

「そうじゃな、もし不備があってはならんから今日わしも来たんじゃったわ」

そして、皆がそれぞれ左の胸元に星型のブローチをつけた

そのブローチは黒色であったが、よく見ると宝石の奥から小さな粒が光り輝いており上品な見た目をしているため一級品の代物であると誰もが分かる見た目をしていた


「これはとても素晴らしい、この性能は素晴らしいという言葉では収まりませんが見た目も派手にならず生徒会役員の証としてはどうです?」

イーシスがエルバインに尋ねる

「そうだね

この魔術について色々聞きたい事もあるけど、見た目は問題ないしこのブローチをしていればアイラ嬢にちょっかい出す人達に牽制できればいいね」

エルバインは同意を唱える


「では、性能を確かめましょうか

アイラお爺様に連れてってもらって学園内のどこかに移動してちょうだい」

リーシャはアイラにそう言って出ていくことを促す

「うん、オズ爺お願いします」

オズ爺に向かいアイラは声を掛ける

「ホホホ…アイラに転移魔法する日が来るとはのぅ」

そんな言葉を言い2人は転移した


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