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11-5 勘違い?

 私たちを乗せた馬車は5分程走り…すぐに停車した。


「着いたようだな」


イアソン王子が窓の外を見た。


「え?もう着いたのですか?」


私は驚いてイアソン王子に尋ねた。


「ああ、そうだ。学園のすぐ傍に喫茶店があると言っただろう?それに隣は辻馬車の乗り場があるから、俺たち学生が利用するには便利な場所なんだ。それじゃ降りよう」


イアソン王子は馬車の扉を開けた―。




****


カランカラン


ドアベルを鳴らしながら私たちは店内へと足を踏み入れた。


店内にはかなり多くの客がテーブルについていたけれども、その大半は若者ばかりだった。


「結構混みあっていますね」


ルペルト様が店内を見渡した。


「ああ、中々人気のある店なんだ。あ、あの席が空いている。あそこに座ろう」


席を探していたイアソン王子が空席を見つけたので、私たちは空いてるテーブル席に座った。




「何にする?」


イアソン王子はメニューを私に差し出してきた。


「あの…私は一番最後で構いませんのでまずはお2人で先に決めて下さい」


「「…」」


すると途端に2人は妙な顔つきで私を見る。

特にイアソン王子は何故か険しい顔をしている。


「あの…何か…?」


イアソン王子とルペルト様は交互に顔を合わせると、2人はため息をついた。


「ロザリー…全くお前は…」


「こういう時はね、普通女の子が先に注文するんだよ?」


ルペルト様は苦笑しながら私にメニューを差し出した。


「全く…ロザリーは毎回毎回こうだからな…」


イアソン王子が足を組んで私を見た。


「え?そうなのですか?」


そんな事、知らなかった。だって私たちの常識ではどんな時にも貴族に先に譲るのが常識だったからだ。


「でもそういう控えめなところがロザリーのいいところじゃありませんか?だからこそ、イアソン王子はロザリーに惹かれてるんじゃありませんか?」


「「え?」」


その言葉に私とイアソン王子が同時に反応した。


今…ルペルト様は何と言ったのだろう?

イアソン王子が私に惹かれている…と言った気がするけれども…。


するとイアソン王子が怒りの為か、顔を赤くしてルペルト様に抗議した。


「ルペルトッ!お前…なんてことを言うんだっ!俺がロザリーに惹かれているだって?!そんなはずないだろう?!」


「え?違うのですか?ですがロザリーはとても可愛らしいし…さぞかし王子のお気に入りだとおもっていましたけど?」


「違う!第一ロザリーには…っ」


そこまで言いかけて、王子はハッとした表情を浮かべてバツが悪そうに視線をそらせるとブスッとした口調で私に言った。


「早く選べ」


と―。




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