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6−15 私とお父さん

 19時過ぎ―


 フレディと2人で夕食の準備をしていると、家の扉が開かれて2人が帰ってくる気配を感じた。


「2人とも、帰ってきたみたいね」


「うん。そうだね。それじゃ食事の用意をしようかな」


フレディが温めたスープをお椀によそい始めた。


「それじゃ私は2人を出迎えてくるわね」


フレディに声を掛けると私は出迎えに行った。





「お帰りなさい」


戸口では父とダミアンが上着を脱いで、ハンガーに掛けている所だった。


「ただいま。ロザリー」


父が私に笑顔を向けてきた。


「…ただいま」


そして一方のダミアンは何故か私の顔も見ようとはしない。


「どうしたの?ダミアン?」


首を傾げてダミアンに尋ねるも返事をしてはくれなかった。


「いいから、ロザリーは部屋に戻っていなさい」


「う、うん…」


父に促されて、私はフレディのいる台所へと向かった。



「あれ?姉ちゃん。お父さんたちの出迎えに行ったんじゃないのか?」


ダイニングルームに行くと、丁度フレディが全員分の食事をテーブルに並べ始めていた所だった。


「それが…部屋に戻っているようにお父さんに言われたの。だから手伝うわ」


「うん、分かった。それじゃスプーンとフォークを出してくれる?」


「ええ」



そして私とフレディは全員分の食事を並べ終えたところで父とダミアンが部屋にやってきた。


「ほ〜う。これは美味そうだな…。2人で一緒に作ったのか?」


父が嬉しそうに言う。


「ええ。そうよ」


「やっぱり姉ちゃんは手際がいいよな〜。俺も頑張らないと」


「大丈夫、フレディも料理上手だから」


私は笑いながら言った。


「そうだな。フレディは良くやってくれているよ」


「…」


フレディと私、父の3人で会話をしているのに何故かダミアンだけは話の中に入ってこない。それが妙に気がかりで本当は声を掛けたかったけれども何となく父の手前出来なかった。

結局、この夜はダミアンは一言も話をすること無く食事をし…食べ終えたらすぐに部屋を出ていってしまった。



****


 夕食後―



「ロザリー、話があるんだが…今ちょっといいか?」


台所でフレディと2人で後片付けをしていると父がやってきた。


「うん…。それじゃフレディ。後はお願いしてもいい?」


「いいよ、もうすぐ終わるし」


食器を洗いながらフレディが返事をした。


「悪いな。フレディ。それじゃおいでロザリー」


「うん」


そして私と父は台所を出た。



「え?」


台所を出ると、何故か父は戸口へと向かう。


「お父さん…?」


「少し…外で話をしよう。寒いから上着を来て出よう」


「う、うん…」


戸惑いながら返事をした私はフックに掛けた上着を羽織ると父と一緒に外へ出て…そこで驚きの言葉を突きつけられる―。




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