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暴力団に借金をした男

作者: エドゴン

【1.序章】


マネヒコはお金に困っていました。カードローンはもう限度額ギリギリまで借り入れ、明日の支払いができない状況に追い込まれていました。


マネヒコ「どうしよう。もう限界だ。明日のローンの返済ができない。もうこれ以上どこからも借りれない。家賃と携帯電話の支払いもどうしよう。もう最後の手段だ、禁じ手の暴力団から借りるしかない。」


マネヒコは暴力団の屋敷の門を開きました。


団員「なんのようだ?」


マネヒコ「急にお邪魔してすみません。お金を貸していただけないでしょうか?」


団員「どこのどいつかもわからねぇやろうにお金なんぞ貸せるわけがないだろ!」


マネヒコ「そこをなんとか。」


団員「なんだテメェ。殴られてぇのか?」


組長「まあまあ。面白いことを言ってくるやつもいるもんだな。」


団員「ははっ。」


組長「どうだ?ここに100万円がある。20日以内に150万円にして返してくれたら、貸してやるぞ!」


マネヒコ「本当ですか!」


マネヒコは有頂天になりました。100万円があればカードローン、家賃や携帯電話の支払いもできると思いました。


マネヒコ「100万円、貸してください。150万円にして返します。」


組長「念の為、お前に生命保険をかけておくぞ。」


マネヒコはこうして100万円を暴力団の組長から借りたのでした。


【2.マネヒコの悪巧み】


マネヒコは組長から借りた100万円を今まで借りてきたカードローンや住んでいるアパートの家賃、携帯電話料金の支払いに充てました。


マネヒコ「助かったぜ!ふぅ。少し余ったな。競馬でもして発散するか!」


マネヒコは組長から借りた借金を使い切ることで頭がいっぱいになっています。マネヒコは競馬でパーっと使いました。


マネヒコ「そうだ、引越しをしよう。そうすればあの暴力団から逃げ切れる!」


マネヒコは最後のお金を使い少し遠いところへの引越しに成功しました。


マネヒコ「暴力団なんて楽勝楽勝、100万円丸儲けだぜ!はっはっは。」


一方その頃。


団員「組長!マネヒコのやろう、引越しをしたようです。」


組長「逃げ切れるとでも思ったか。間抜けなやつよ。探し出せ!」


団員「ははっ!」


【3.暴力団が自宅に】


深夜2時。

ピンポーン


マネヒコ「誰ですか?」


団員「マネヒコ、探したぞ。なかなかやってくれるじゃないか?引越すとはな。逃げ切れるとでも思ったか?期限だ!150万円返してもらおうか?」


マネヒコ「それが用意できていなくて。」


団員「じゃあ連れていくしかないな。こい!」


マネヒコ「待ってください。明日には返しますので。」


団員「だめだ。組長が払えなかったら連れてこいと言っている。どうなるかな?焼かれて死ぬかもな、お前。連れていけ。」


部下「ははっ!」


マネヒコはゾッとしました。もう覚悟するしかないのでしょうか。


【4.自殺しろ】


組長「逃げ切れるとでも思ったか?頭が悪い人間というのがこの世にはいる。20日後に150万円にして返せと言われたお前は目の前の100万円に目がくらみ、冷静な判断ができなくなっていた。生命保険にもかけられ、150万円が払えなかったら殺されると思わなかったのか?払えるアテもないのに100万円を借りたお前の負け。」


マネヒコ「そんなぁ。どうか、あと1ヶ月待ってください。必ず150万円返しますので。助けてください。」


組長「約束は約束。お前には絶対に150万円は返せない。生命保険金をもらった方がこちらとしては大儲けだからな。自殺しろ。」


マネヒコ「そんなぁ。無理です、自殺なんて。」


マネヒコは交通量の多い交差点に連れて行かれました。


団員「さあ自殺の時間だ。車に突っ込め!」


マネヒコ「無理ですよ。自殺なんて。相手にも迷惑をかけますし。」


団員「だめだ。組長の命令だ。突っ込め。」


マネヒコは1時間粘りました。マネヒコは団員の一瞬の隙をみて逃げ出しましたが、周辺にいた部下たちに取り押さえられました。


団員「組長の元へ連れて行け。」


部下「ははっ。」


マネヒコは組長の元へと戻されました。


【5.抹殺】


組長「事故を装って自殺ができないとは意気地なしだな。」


マネヒコ「そんなぁ。150万円お返ししますから命まで奪わないでください。」


組長「これが任侠よ。筋を通さなければならない。お前は期限までにお金を返せなかった。だからお前にかけておいた生命保険金を受け取る、それだけだ。やれ!」


団員「ははっ。」


団員は刀を手に取った。


団員「ふっふっふ、マネヒコよ、暴力団に借金をするとは馬鹿なやつだ。暴力団を甘くみると痛い目にあうのだよ。最後に言い残したことはないか?」


マネヒコ「お願いします。助けてください。家族や親戚にお金を借りてきてお返しします。」


団員「ここまできてお前を自由にさせると警察に駆け込まれる可能性があるからな、お前は死ぬしかない。さあ処刑の時間だ。」


団員はマネヒコを無惨にも切り刻みました。血が吹き出しました。マネヒコはぐったりしてもう動けません。


組長「燃やせ!」


団員「ははっ!」


団員はマネヒコに火を付けました。


団員「はっはっはー。苦しいか。苦しいか。我々からお金を借りるとは愚かなやつよ。死ねーぃ!」


組長「燃え尽きたか。骨を粉々にしろ!」


団員「わかりました。やれ。」


部下「ははっ!」


部下たちはマネヒコの骨を粉々にしていきました。


団員「よし、それくらいで良いだろう。」


組長「海にばら撒いてこい。誰にも見られるなよ。」


団員「はい。行ってまいります。」


組長「マネヒコが自殺をしなかったから生命保険金はなしか。まあ所詮ははした金だ。」


こうしてマネヒコはバラバラにされ、死体が発見されることはなく、身元不明人という形で処理されました。マネヒコは最初から暴力団にお金を借りるのではなく、家族や親類からお金を借りるべきでした。貧乏になると判断能力が鈍ると言われています。気をつけなければいけないですね。

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