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芽吹きの時

 ある日ある場所に女神様は種を撒きにいらっしゃった。

 その種はいくつかの星で生命を宿したが、奇跡の星となった地球以外では朽ちてなくなってしまった。

 その様子を見守った女神様は強欲に地球を欲しがって地球に降り立った。

 その頃には親と言える女神様の強欲さをよく受け継いだ人間達が地球にはびこっていた。

 女神様は可愛い我が子達なら話を聞いてくれるだろうから、地球を渡してくれたご褒美に神の国に連れて行くつもりだった。

 しかし、強欲に地球を自分達の物だから渡さないと言い始めた人間達によって女神様は捕らえられてしまった。


『おのれ!無駄に増えたどころか無駄な知識まで付けたのか!許さんぞ!いつまでも恨み続けてやる!』


 女神様は捕らえられる時に騙されたのでこのような言葉を残した。

 この後女神様は持っていた力ごと体をバラバラにされてしまった。

 最後の抵抗として女神様は恨みを込めた新たな種をバラバラにされる途中でばら撒いた。

 大嫌いになった我が子への嫌がらせでもあるこの種まきは、人間達が油断した頃に芽を出すように仕掛けた。

 その種には女神様自身の力の一部が入っているので、芽をだせば人間達は荒れ狂う神と同じような存在にやられることになるだろう。




「これはどこかの本の内容を簡単にまとめたものである。だが、この歴史から消されかけていた内容は紛れもない真実だ!」


 あの内容が書かれている本を掲げて少女は図書館に集まった者達にそう宣言した。

 その少女の言葉に集まっている者達は歓喜した。


「ならば!我らが母の復讐を果たす時!」


「真実ならわたくし達は従うべきですわ」


「我らが母の楽園...いや、庭園をここに完成させるのです」


 トップの少女の言葉に歓喜して目的を決めた者達は口々に母のためと声を上げた。

 その様子を一段高いところから見ていた少女はうるさい者達に言ってやった。


「今は静まれ。花は時に合わせて咲き誇るのだ。母、フローラ様の庭園に咲かねばならぬ我々が不格好では話にならんぞ」


 一番偉そうにする少女がそう言うとみんなで黙った。

 もしかしたら、この少女が実は長女なのかもしれない。


「我らは今日初めて集まった兄弟だ。思いは一つなのだから我らの母の名を汚すな。それに、今は深夜の図書館に侵入してるのだから見つかってはならんだろう」


 そうやって叱ると見た目の年齢がバラバラな兄弟達は全員反省して静かになった。

 そこで少女は兄弟達にこれからすることを伝え始めた。


「これから我らは人間の殲滅を開始する。そのためには隠れ家が必要だ。まずそれを探してそこから母の力の制御に移るぞ」


 少女がこう言うと兄弟達はまた歓喜して大声を上げた。

 それに対して長女は「うるさいぞ!」とまた叱った。

 こんな状態では前途多難だなとバラバラにされた女神は思っている。

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