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僕の想いは永遠に。  作者: TAIKI
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ある夏の二人の物語 〜予行練習〜

窓から明るい光が差し込んで、青い空が白い雲の隙間から顔を出している。

「ふぁ〜ぁあ。 朝か…。」

いつの間にか寝ていたようだ。眠れない日でもいつかは眠れるようだ。

今日は体育大会予行練習。一日中ずっと練習だ。その代わり、午後放課でいつもより少し早く下校できる。

教室に入ると、多くの生徒が集まっていた。中にはポットのようなでかい水筒を持っている人がいたり、バスタオル並みの大きさのタオルを持ってきている人もいる。今日の最高気温は29℃まで上がるらしいし、大変な日になりそう。

「おはよう!」

声をかけてきたのは、涼介だ。彼は、朝からすごく元気がいい。まあ、今日疲れるだろうから体力つけといたほうがいいと思うな。

ガラッ。

教室の後ろの扉が開いて視線がそこへ集まる。入ってきたのは昨日の小崎さんだ。同じクラスだっけ?入学して半年が経ったけど、クラスの女子の名前はあまり覚えていない。だが、昨日のことがあり、無意識的に彼女に視線を向ける。

ガラッ

二度目の音。教室の前の扉が開いて、担任の岩崎先生だ。生徒からは好評で、人気のある先生だ。

「はいっ。全員席について。」

「今日は、予行練習で明日の本番に向けて、最後の練習だ。真剣に取り組むように。熱中症とかいま多いから水分補給をしっかりするように。以上。移動するぞー。」

生徒がテントに向かって歩き出す。団テントにつくとすぐに放送がかかった。

「九時から開会式を行います。生徒はそれまでに準備をし、整列してください。」

今は八時時四十分。あと少し時間がある。時計を見た時、視界に入ってきた。彼女だ。三年生の今井先輩と話をしている。移動とか、色々仕事あるんだろうなぁと思う。すると二人は話すのをやめ、こちら側に向いた。

「少し早いけど、今から整列するから移動して。」

少し早いなぁ、と思いつつ、移動する。テントから出ると強い日差しが当たり、一気に汗がでる。先輩の指示の元、整列していると、整列完了したのは八時五十八分だった。整列完了時刻までに整列を終わらせている。さすが。その一言に尽く。

校長の長い話を聞いたあと、開会式、閉会式の練習をして、100m走、ハードル走、借り物競争、応援合戦、リレー様々な競技の移動方法、戦い方の説明をした。綱引きや騎馬戦は予選をして、本番は決勝、三位決定戦

をする。燃え盛る太陽、無風、湿度もは80%も。日本らしい天気で、汗が滝のように流れ出る。この暑さのせいか、先生に付き添われて校舎に戻っていく生徒が何人かいた。軽い熱中症だろうか。『あんな風にならないでおこう』そう心に誓った。

そして長い一日が終わった。水筒の中は空で、タオルももう使えない。

「おつかれー!」

団リーダーの呼びかけに答える人は少ない。やはりみんなこの天気だとバテている。

「綱引き予選で勝てたから、明日、一位取れるよう頑張ろう!」

声を出したのは小崎さん。やはり、一生懸命だ。だけど、返事をする生徒は、僕を含め数人だけだ。彼女は苦笑いを浮かべているけど気にしていない様子だ。解散の指示の後、すこしぼーっとしていると、気がつくと周りの多くの生徒は校舎へ戻っていた。そこへ、

「大丈夫? ぼーっとしてたけど…」

声をかけてきたのは彼女だ。

「う、うん。大丈夫! 心配ありがとう。」

声をかけられドキッとしたけど、やはり小崎さんは優しい。こんな僕を見つけて声をかけてくれた。

「そっか〜。なら良かった。無理しないでね。明日休まないようにね。」

そう言って彼女は去って行った。僕も荷物をまとめ、追いつくように歩き出す。

「おーい、翔、待てよ。」

遥か後方から聞こえる声。振り向かなくてもわかる。涼介だ。

「ずっとお前のこと待ってたんに、気づいたらもう行ってるし…。」

「ごめん ごめん。もう行ってたのかと思って。」

「っまあ、いいけど。」

教室に戻り、給食を食べる。明日はいよいよ本番。一週間の疲れが溜まっているけど、関係なし。

給食を食べ終え、帰りの準備をした。

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