生まれし吾(あ) 01
はながさく
あおいそら
しろいくも
ーーーーーー?
ここはどこ?どこにいるの?
ふかふかのじめんにいた。
やわらかいくさのいいにおい。
どこなんだろう?
いつからここにいるんだろう?
たしかにいままでどうにかいきてきて、どうにかここまできたような。
でも、こんなきもちになってかんがえたことはない。
なにかがまざり、ひとつになった。
そしておおきく、つよくなった。
それはわかる。
よばれたのだ。
だれに?
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『私が呼んだ、愛し子よ』
声がした。
知らない声。知ってる声。
初めて聞くけど知ってた声。
声の主を見ようとすると、柔らかい草が生い茂り、金色の実りを結んだと思うと、直ぐに根元から刈り取られた。
一面は収穫後の柔らかい草の跡地になった。
積み重なる金色の刈り取られた草、その豊かな匂い。
ーーー繁栄と収穫とを表す神、創造の主【カレサキシンジュ】ーーー
その御前に今。
神を前にし、吾はなにも差し出さずいたことに気付き、自身を差し出そうと各部位を分けた。
右眼、左眼、額の眼、耳、腕、膝、尻と。
並べて整えると、御前に拝す。
「吾が差出せますのはこれですべてです」
『善い。子よ。其方は捧げず善い。頼みがある。捧げるのは其方以外のすべてだ』
「吾、以外のすべてですか?」
吾はカミの意思に対して、卑小なる吾の受け取り方が、決して間違いの無いように丁寧に反復した。
『然うだ子よ。すべての種を絶滅させ、己を進化させよ。そして、新たなカミとなるのだ』
ーーーすべての種を滅ぼし、進化するーーー
新たな種、カミとなる。
「……それは」
震える。震える声とカラダ。各部位がカタカタと鳴る。
「それは、できません」