表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

生まれし吾(あ) 01

 はながさく

 あおいそら



 しろいくも




 ーーーーーー?




 ここはどこ?どこにいるの?


 ふかふかのじめんにいた。

 やわらかいくさのいいにおい。


 どこなんだろう?

 いつからここにいるんだろう?

 

 たしかにいままでどうにかいきてきて、どうにかここまできたような。


 でも、こんなきもちになって()()()()()ことはない。


 なにかがまざり、ひとつになった。


 そしておおきく、つよくなった。


 それはわかる。


 よばれたのだ。



 だれに?




-------------------------------------------------------




 『私が呼んだ、愛し子よ』




 声がした。

 知らない声。知ってる声。

 初めて聞くけど知ってた声。




 声の主を見ようとすると、柔らかい草が生い茂り、金色の実りを結んだと思うと、直ぐに根元から刈り取られた。



 一面は収穫後の柔らかい草の跡地になった。

 積み重なる金色の刈り取られた草、その豊かな匂い。





 ーーー繁栄と収穫とを表す(カミ)、創造の主【カレサキシンジュ】ーーー





 その御前に今。




 (カミ)を前にし、吾はなにも差し出さずいたことに気付き、自身を差し出そうと各部位を分けた。


 右眼、左眼、額の眼、耳、腕、膝、尻と。


 並べて整えると、御前に拝す。


 「吾が差出せますのはこれですべてです」


 『善い。子よ。其方は捧げず善い。頼みがある。捧げるのは其方以外のすべてだ』


 「吾、以外のすべてですか?」


 吾はカミの意思に対して、卑小なる吾の受け取り方が、決して間違いの無いように丁寧に反復した。


 『然うだ子よ。すべての種を絶滅させ、己を進化させよ。そして、新たなカミとなるのだ』



 ーーーすべての種を滅ぼし、進化するーーー


 新たな種、カミとなる。



 「……それは」


 震える。震える声とカラダ。各部位がカタカタと鳴る。


 「それは、できません」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ