表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

日常系

簡単な宗教の作り方?

作者:


「簡単な宗教の作り方?」


「そう、今の世かつ私達の年頃なら作って流行らすだけなら簡単だと思うんだ」


とある日の昼休み、友人が遂に壊れてしまった。


もともと頭のネジが緩みまくって常識を落ちかけてる子だと思ってたけど……


「やめて、そんな可哀想な人を見る目で見ないで」


「目は口以上に本心を告げちゃうものだから」


「リアルにそう思ってる!?」


「もともと頭のネジが緩みまくってる子だと思ってたけど……」


「口で言った!いやね、ワタシが言ってるのはガチの悪徳新興宗教みたいなものじゃなくて、こっくりさんとかチャーリーゲームみたいなの!」


「それ宗教じゃなくて遊びでしょ」


「マジモノは遊びで済ませられるもんじゃないから。オカルト抜きにしても、下手したらヤバいもんだから。まぁそれを聞きかじり程度でやっちゃうぐらいに私達の年代はオカルティックに惹かれやすい」


なんか流れで語り出した。


まぁいつもの事だから別にいいけど、昼休み中に終わるかな?


5校時目は移動教室なんだけど。


「何だかんだと色々としがらみやら悩みとか多いからね、正しい答えを知りたい欲求がこっくりさんやらチャーリーゲーム、もっとソフトなのだと新聞や雑誌の占いとかに頼りたくなるわけだ。この欲求は見方を変えれば何かに縋りたいという最近の宗教の根本に繋がるわけ。つまりはニーズはあるんだよ」


「ニーズはあっても、宗教とかは怪しくて入らないでしょ」


「堂々と宗教とか言っちゃうとそうだけど、これが占いとかジンクス、もしくはオカルトゲームとかなら話は変わるんだなぁ。要は宗教とは思わせずに“何か面白そうなの”と思わせれば第一歩は完了だ」


「……?意味分かんないんだけど」


「簡単に言うと缶にはジュースのラベルを張って中身はお酒的なトラップだよ。これだけで大分引っ掛かり易くなるよ」


「詐欺か」


「お金や物とかを取らないから。で、自分達の年代が何を求めてるかをまとめて中身を整えたら、裏サイトとかの匿名掲示板とかで書き込みをしてく。この時に幾つかのデバイスを用意しつて、尚且つ其々別の場所から書き込ませれたら更に良い」


「自演して皆が知ってる様に見せるって事?」


「Exactly。その後は同性代が見る様な所にポツポツと色んなとこに書き込みして行ったり、それをまとめたサイトとかを作ったりしてしてく。ここで気をつけるのは一気にやろうとすると怪しいから気が向いたら的にやるのがいいね」



いいねとか言われてもやらないし。


「で、それを1、2ヵ月ぐらい続けたら、今度はリアルの何気ない会話の時に話題に乗せたりしていく。あ、ボッチだったりしたら逆に怪しまれたりするから無理にしなくてもいいよ」


「それは私を遠回しにボッチだと言ってる?」


「え?でも友達少な―――イタタタタタタタタタタタタッ!!!ごめんなさい!!」


ホントはアイアンクローをしたいけど、手が小さくて顔を覆いきれないから代わりに、顎を掴んで頬の上から下歯茎辺りを抉り込む様に掴む。


これで発音がおかしくならない辺り凄いけど、その小器用さをもっと別の所に使ってほしい。



「あー、いったかった。まぁ話しを戻すけど、そうやって広めて一定規模まで行けたら、後はアレンジが加わりながら勝手に広まってく様になる。中にはそれこそコレがないとダメって程に依存しちゃう子も出てくるかもね」


「んー、宗教というよりは新しい流行を作るって感じっぽいけど」


「似たようなもんだね。生きる為に信仰と言う形で人をまとめる必要性があった本物の宗教とかとは全く違う。同じだろとか言ったらガチで殴り殺されるレベルでね」


「なのに宗教?」


「依存は信仰に似てるって事。お金儲けとかをするなら、もっと手法を整えつつ信仰をより強める為の偶像として教主とか御神体とかも用意とかもするけどさ、ワタシの方法で作れるのは流行り病に近いのだね。未成熟な人間が集まる小さい閉鎖的コミュニティでなら十分だよ」


性質たちが悪いってのは分かった」


「悪い事ばっかじゃないんだよ。それこそ『Those who believe shall be saved』さ」


「『Verweile doch, du bist so schoen』の間違いじゃないの?」


「救ってくれるならどちらでも構わないって人の方が多いんじゃない?で、その時になったら文句を言う。そんなもんだよ」


「まぁいいけどさ、広めたそれはどうやって後始末するの?」


「は?そこまで広まったのを単独で後始末とか出来るわけない――イタアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!さっきよりも力が強いいいいいい!?」


キーンコーンカーンコーン……



丁度昼休みも終わって準備時間。


教科書とかの準備はさっきで済ませてるし、あと2分ぐらい〆てから移動すればいいか。


「イタイイタイイタイイタイ!ゴメン!絶対しないから許して!!」







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ